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質問なるほドリ:集会の参加者数ってどう数えるの?=回答・岸達也
毎日新聞 2012年07月30日 東京朝刊
<NEWS NAVIGATOR>
◇エリア分け、面積で掛け算 主催者側と警察、異なる方法
なるほドリ 16日に東京の代々木(よよぎ)公園であった「さようなら原発(げんぱつ)10万人集会」には主催者(しゅさいしゃ)発表で約17万人が参加したらしいね。どうやって数えたの?
記者 主催者側によると、会場となった公園内を9区画に分け、それぞれの人数をスタッフが目視(もくし)で数えたそうです。午後0時半までに11万人となり、その時点で人数を数えるのは終えたそうですが、その後も参加者が増え続けたため、さらに6万人をプラスして約17万人としたようです。
Q そうなんだ。あれ? 警視庁が確認した数とはずいぶん違うけど?
A 約7万5000人としていますから、10万人近い差がありますね。
警視庁は、過去の集会のデータなども参考に、代々木公園を混雑度(こんざつど)に応じて複数のエリアに区切り、さらに、面積と掛け合わせて参加者数をはじき出したとしています。数え方が異なるんですね。
Q それにしても差が大きいなあ。東京・永田町(ながたちょう)の官邸前(かんていまえ)で行われている原発再稼働(さいかどう)を巡(めぐ)る抗議活動(こうぎかつどう)でも主催者発表と差があったよね?
A そうですね。20日の抗議活動では主催者側の9万人に対し、警視庁(けいしちょう)は約7000人でした。
主催者によると、参加者が1万人に達した6月中旬(ちゅうじゅん)まではカウンターを使って数えていましたが、その後は数人を専従(せんじゅう)スタッフとして配置し、雑踏度合(ざっとうどあ)いなどから参加人数を算出(さんしゅつ)しているそうです。一方、警視庁は代々木公園と同様にエリアごとに区切って割り出したとしていますが、主催者側からは「実際より少ない」と批判されました。
Q そもそも警察当局はなぜ参加人数を調べるの?
A 警備(けいび)上の観点からです。人がたくさん集まると、みんなが一斉に転倒するケースなどいろいろな事故が起きる可能性が高まります。路上でデモを行う場合は、参加者数に応じて、信号操作などを含む交通整理を行っているんです。救急搬送(きゅうきゅうはんそう)などが必要な場合は、避難経路(ひなんけいろ)の確保なども大切になります。
Q 過去の集会だと何人ぐらい集まったことがあるの?
A 80年代のメーデーなどでは、警察当局の確認でも代々木公園に20万人前後が集まっていたようです。また、60年の安保闘争(あんぽとうそう)時には国会前でのデモに約13万人が参加。東京大学の女子学生が圧死する事故も起きています。
Q 警察はデモや集会の参加人数を発表しているの?
A 警備上の理由から調べてはいますが公表を前提にしたものではありません。ただ、主催者の数字と大きく隔たりがある場合、毎日新聞ではできるだけ両方の数字を掲載するようにしています。(社会部)
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