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中性子照射による原子炉圧力容器の劣化が指摘されている九州電力玄海原発1号機(佐賀県東松浦郡玄海町)について、経産省原子力安全・保安院は27日、「十分健全であることを確認した」とする報告書を専門家の意見聴取会にあらためて提示、大筋で了承された。ただ、一部委員から反論が示されたため、今後、報告書の文面などを修正し、8月中に正式にまとめる。
玄海1号機は、原子炉から取り出した試験片の2009年の検査で、原子炉の脆さを示す脆性遷移(ぜいせいせんい)温度(関連温度)が予測値を14度上回る98度に急上昇し、健全性を懸念する声が出ていた。
聴取会では関連温度の上昇について、(1)原子炉製造時の問題(2)材料の異常劣化(3)現行の予測式の問題という3つの論点で検証した。報告書では、製造時の材料の不均一性や異常劣化を示唆する明確なデータは得られていないと指摘。その上で、現在の予測法は多くの中性子を浴びた場合の予測精度が十分高いとは言えない可能性があるとし、関連温度の上昇は予測式の問題との見解を示した。今後、予測式の見直しなどを学術的な協会に求めていくとした。
また、玄海1号機の健全性については実測データを基に、急激な圧力や温度変化への耐性を示す加圧熱衝撃などを評価した結果、運転開始後約58年までは予測式の精度に関わらず、健全であることを確認したとしている。
報告書では今後の規制の方向性も示した。これまでの関連温度や高温での粘り強さを示す上部棚吸収エネルギー、加圧熱衝撃の3項目の規制項目に過不足はないとした。ただ、事業者が行う監視試験片の試験結果を国が逐一把握していなかった点を指摘、今後は遅滞なく報告を受ける体制が必要とした。
この日の聴取会では、井野博満東大名誉教授が「異常劣化のデータが確認できないだけで、原因は解明できていない。健全性は確認されておらず、さらに検討が必要」などと反論したが、ほかの委員から異論は出なかった。
佐賀新聞 2012年07月28日更新
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