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環境省が直接除染を行う福島県田村市の除染特別地域で、お盆を目前に控え合子地区墓地の除染を行う作業員ら。中には「早く戻ってこられるように」と、近所の住人が作業にあたる姿も見られた=2012年7月27日午前10時28分、岩下幸一郎撮影
国直轄除染:「住めるようになるのか…」住民は期待と不安
http://mainichi.jp/select/news/20120728k0000m040162000c.html
毎日新聞 2012年07月27日 23時30分(最終更新 07月27日 23時42分)
東京電力福島第1原発事故で放射性物質で高濃度汚染された「特別地域」を対象にした国直轄の初の本格除染が27日、同原発から20キロ圏内にある福島県田村市都路(みやこじ)地区で始まった。今年度中の事業完了を目指すが、前例のない大規模な除染の現場は手探り状態だ。一方、地区から約20キロ離れた仮設住宅で暮らす住民約380人のほとんどは60歳を超え、「来年の春は都路で桜を見たい」と期待しながらも「本当に住めるようになるのか」と不安を抱える。【栗田慎一】
除染はお盆を前に、墓地と神社を優先して始まった。作業員が雑草を刈り取り、落ち葉を集め、袋に詰めていく。原発事故から1年4カ月余。雑草は伸び放題で、落ち葉は予想以上に堆積(たいせき)している。
「草を刈ってこの線量か……」。除染元請けの大手ゼネコン社員が、線量計を袋に当てた後、雑草を刈った地面に近づけ、つぶやいた。線量は毎時約1・5マイクロシーベルトから0・9マイクロシーベルト。目標の0・23マイクロシーベルトには程遠い。社員は「表土をはぎ取るかどうか、これから検討します」と言った。
除染は暗中模索だ。国直轄の除染対象となった11市町村の計4万6000ヘクタールのうち、最も線量が低いとされる都路の面積は1割程度。山間の集落は起伏が複雑で植生もさまざま。作業内容は現場ごとに違ってくるという。ゼネコンの現場責任者は「世界にこんな広域除染の参考事例はなかった」と話した。
環境省福島環境再生事務所の担当者は「除染でどのくらい線量が下がるか経験がない。作業と並行して効果的な方法を探るしかない」と打ち明けた。線量があまり下がらなければ「次のステップを考える」と言い、事業が来年度も発注される可能性に含みを残した。
作業員の中に、地区住民の鈴木芳江さん(63)がいた。夫と母親との3人で暮らす仮設住宅から、車で1時間かけて都路に通う。「仮設じゃなく、うちで死にたいから。ここいらの人、みな同じ思いだから」と志願した理由を語った。
不安が二つある。「生活圏優先」との理由で地区の8割を占める森林が対象外となったことと、「仮置き場が満杯になる恐れがある」との理由で国が地区に仮設焼却炉設置を計画していること。「森がきれいにならなければ再び汚染される。焼却炉は放射能が濃縮されるから怖い」
妻と毎日自宅に立ち寄っているという農家の坪井満さん(78)が作業を見守っていた。自分は除染後帰宅するつもりだが、ただでさえ少ない若い人は戻らないのではないかと感じている。「この地区はどうなってしまうのか。今は除染の成果に期待するしかない」
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