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(回答先: 7/26 放射性物質放出 冷却のさなかにも @NHKニュースウォッチ9 (Nuclear F.C : 原発のウソ) 投稿者 赤かぶ 日時 2012 年 7 月 27 日 00:08:09)
赤かぶさん、貴重なビデオの紹介ありがとうございます。
この報道の内容は、NHK「メルトダウン 連鎖の真相」批判投稿の後編に相当するものなので、ビデオを見て考えたことを簡単に書かせていただきたい。
詳細は、「「SR弁」・「配管漏れ」・「物資調達」を持ち出したNHK「メルトダウン連鎖の真相」のマヤカシ度やデタラメ度を検証(後編)」で説明するつもり。
NHKの「メルトダウン 連鎖の真相」をご覧になった方ならお気づきかと思うが、ニュースの中で会議室に集って議論されている研究者は、見覚えのある方々ばかりであった。
服装や雰囲気から言えば、「メルトダウン 連鎖の真相」収録の延長という感じである。
● SR弁が格納容器圧力で開かなかったのではという指摘との不整合
それゆえ疑問に思ったのは、「メルトダウン 連鎖の真相」で、2号機については、SR弁(主蒸気逃がし安全弁)が格納容器の高い圧力に邪魔されて開状態にならないという構造上の欠陥はどうなったの?ということである。
格納容器圧力は、ニュースで取り上げた最初のSR弁開の時点(14日21:20)で設計圧範囲の0.40〜0.46MPa(絶対圧)である。2号機の格納容器圧力は13日午後からずっと0.4MPa台で推移している。
2度目のSR弁開が実施された時点(14日23:25)では、格納容器圧力が0.745MPaまで高まっている。3度目の開操作(15日01:10)も、0.7MPa台のときだから、格納容器圧力がSR弁を開不能に陥らせる可能性には疑念を提示せざるをえない。
原子炉圧力容器の圧力は、14日17:12に7.403MPaという最高レベルに達した後、19:03に消防ポンプで注水ができる10気圧未満の0.63MPaまで低下している。(注水ができる状態で注水をしなかったことが、政府事故調で批判の的になっている)
原子炉の圧力は、その後15日00:45に1.823MPaまで上昇するが、他はずっと注水可能レベルである0.6MPaを記録している。
● 14日昼過ぎにS/C(圧力抑制室)の水は枯渇した可能性が大
ニュースのなかの研究者は、S/Cに水があることを前提に議論をしていたが、2号機のS/CはRCICの水源として使われるなかで14日の昼過ぎになくなり、そのためにRCIC(隔離時冷却系)が停止してしまったと考えられる。(これは、政府がIAEAに報告した資料でも、RCICが停止した理由として推測されている)
ニュースのなかで、高温高圧の蒸気が噴出したことでS/Cの水が一気に沸騰したからではないかという提起もあったが、二番目の「蒸気凝縮機能が極端に低下した」、より言えば、水がなくなってしまったことで、圧力抑制室(S/C)が圧力抑制の機能を果たさなくなった(蒸気凝縮機能の喪失)と考えている。
なぜなら、SR弁操作は、2号機だけの問題ではなく、1号機でも3号機でも行われているからである。
1号機は、格納容器圧力が最大圧力の2倍近い0.9MPaを超えレベルに達したので、11日23時過ぎには、放射性物質が格納容器の上部(蓋)の隙間から建屋に流れ込んだ。
2号機とほぼ同じ3号機は、RCIC(隔離時冷却系)やHPCI(高圧注水系)が作動したが、水源は、復水貯蔵タンクのままで、S/Cに切り替わっていない。
14日11:01に水素爆発を起こした3号機は、3月13日10:45にメルトダウンとされている。格納容器圧力は、その時点から0.4〜0.6MPaで推移しているから、メルトダウン後1時間ほどでメルトスルーと考えるのなら、S/C問題は別としても、格納容器上部から2号機の比ではない放射性物質の漏出が起きているはずである。
2号機の格納容器圧力は、福島第一の南側MPで放射線量が上昇した時点の初期(22:40)まで0.428MPaというレベルであり、蓋に隙間をつくるほどの高さとは言えない。
ということから、2号機も、S/Cに問題があったとしても、放射性物質が格納容器上部から漏れ出したことで南側MPの放射線量を上昇させたとは考えにくい。
● 放射線量の上昇傾向から、S/Cの損壊が要因だと推定
このようなことと、ニュースで示されていた南側MPでの放射線量の上昇傾向を考え合わせると、SR弁操作で高温高圧の蒸気が水のなかS/Cに噴き出したことでS/Cに圧力損壊が生じたと考えるほうが整合性があると思える。
第1回SR弁操作(21:20)線量7.95μSv(22:20)
第2回SR弁操作(23:25)線量95.7μSv(00:00)
第3回SR弁操作(01:10)線量155μSv(2:20)
この変化を考えると、2号機のS/C(圧力抑制室)は、SR開操作のたびに、損傷を大きくしていったように思える。
小さな傷が、うち続くSR弁操作によりさらに大きくなったことで、放出される放射性物質の量が増大したと考えられる。
実のところ、「メルトダウン 連鎖の真相」について考え、政府事故調の最終報告を読んでいるなかで、15日朝に2号機圧力抑制室付近でドンという音を聞いたという話はホントウなのかなと疑い始めていた。15日朝6:10頃というのは、どう考えても、4号機の爆発であり、2号機の圧力抑制室損壊がまったくそれと同時と言うのはやはり考えにくいからである。
● 東電松本氏の記者会見
この人がしゃべっているところを見ると、どうも東電体質が凝縮されいる感じしてイヤになる。
今回も、NHKの編集がおかしいのかもしれないが、「これ以上の放射性物質の大量放出につなげないというギリギリの話だったのではないかと思っています」という頓珍漢な答えで逃げている。
1000の放出になるのを防ぐため、100の放出を行ったというのならわかるが、原因さえわからない意図しない漏出話のどこが、「これ以上の放射性物質の大量放出につなげないというギリギリの話」なのかと、NHKはきちんと追求しなければならなかったはずだ。
※ 関連投稿:タイトルはえぐいものですが、内容は、政府事故調の2号機対応への総括担っています。
「X5yJj96VL6さんへ:キモい詩でおちょくって喜ぶより、私と類似の論を提示した政府事故調に噛みつく方が楽しいぞ。」
http://www.asyura2.com/12/genpatu25/msg/870.html
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