http://www.asyura2.com/12/genpatu25/msg/870.html
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暑いなかで落ち込むことばかり考えているのに、気分がすっきりするコメントをよこしてくれたひとがいるので、少し憂さ晴らしをさせていただく。
本音は、政府事故調の2号機問題総括を取り上げることが目的。
「菅前首相が今なお撤回しない「東電撤退」のウソは、命がけで対応した福島第一現場作業者の名誉をズタズタにする許し難い暴言」のコメント欄02.
http://www.asyura2.com/12/genpatu25/msg/864.html
02.X5yJj96VL6さん、コメントありがとう。
【引用】
「阿修羅再デビューのときにこいつは主張したもんだ。
東電があの肝心なときに、中枢が鼻くそかっぽじってケツ掻きボリボリ、お陰で2号機格納容器に注水するという「ドシロウトでもわかる」肝要な操作を何と「失念し」お陰で事故はレベル7にまで深化したのだと。
ところが、今じゃ
カンカンカンカン、カンカンカンカン、大悪人は菅直人〜
東電東電頑張った〜〜」
【コメント】
東電と事故対応作業者の区別もつかないようだから、言っても無駄な相手なのだろうが...
「お陰で2号機格納容器に注水するという「ドシロウトでもわかる」肝要な操作を何と「失念し」お陰で事故はレベル7にまで深化したのだと」と書いて喜んでいるヒマがあるのなら、最近公表された政府事故調の最終報告書を読んで、その検証結果に噛みついてみたらどうだい。
ちんけな私に構うより、ずっと噛みごたえがあり、もっと楽しいはずだ。
政府事故調は最終報告で、2号機について、「原子炉隔離時冷却系(RCIC)が作動していたものの、電源喪失により制御不能であり、いつ停止するかも分からない状況にあった中で、同月12 日4 時頃以降、RCIC の水源を復水貯蔵タンクから圧力抑制室(S/C)に切り替えた。」「RCIC が作動しているから「良し」とするのではなく、S/C の圧力及び温度を継続して監視するとともに、あらかじめ消防車注水ラインを準備し、RCIC 停止を待たずに原子炉減圧操作を行う必要があったと考えられる。しかし、中間報告W5(1)fで指摘したとおり、実際には、バッテリー接続等の方法により圧力及び温度の計測を行うことが可能であったにもかかわらず、同月14 日4 時30 分頃まで計測が行われなかった。加えて、同日5 時頃には代替注水ラインが整えられていたにもかかわらず、この時点で代替注水が実施されることはなかった」と総括している。
この総括自体が、S/Cプールの水が枯渇したことが破局につながったことに触れていないので失格だが、東電が、それを失念していたのか、意図的に行わなかったのかはともかく、2号機に関して、注水しなかったことを最重要の問題としている内容だ。
政府事故調は、「原子炉減圧操作を行う必要があった」と言っているが、NHKの「メルトダウン 連鎖の真相」では、原子炉減圧操作の要であるSR弁は、格納容器の圧力が高くなると構造的に開操作ができなくなる可能性を指摘していた。
それはどちらでもいいのだが、SR弁操作(原子炉減圧操作)を“安全”に行うためにも、格納容器の圧力を下げるためにも、S/Cの水は失ってはならないのである。
S/Cの水は、原子炉から噴出してくる高温高圧の蒸気を受け止め復水(冷却)する役割をもっている。さらに、格納容器の圧力上昇を抑える働きも持っている。だからこそ、圧力抑制室という名が付いているのである。
SR弁で主蒸気逃がし操作を行わなければ、原子炉(圧力容器)の圧力は下がらない。
しかし、S/Cの水が枯渇した状態でそれを行えば、今回の2号機のようにS/C損壊につながり大量の放射性物質を噴出することにもなりかねない。
その時点で減圧も起きるメルトスルーが起きていれば、原子炉経由&格納容器経由でS/Cに注水することができる。
しかし、メルトスルーどころかメルトダウンを防ぐ段階の話なのだから、S/Cか格納容器に注水しなければならない。
S/Cに直接注水することができない状況であったのなら、消火系を使って格納容器に大量に注水し、S/Cへの配管を経由して水を注ぐしかない。
どんな人かも知らないX5yJj96VL6さんに悪意はないので、夏の夜の出来事として軽く受け流してほしい。
2号機問題は、「「SR弁」・「配管漏れ」・「物資調達」を持ち出したNHK「メルトダウン連鎖の真相」のマヤカシ度やデタラメ度を検証」の(後篇)のテーマなので、政府事故調の総括については、そこで再度検討の対象にしたいと思っている。
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東京電力福島原子力発電所における事故調査・検証委員会
最終報告
http://icanps.go.jp/post-2.html
Y 総括と提言
http://icanps.go.jp/SaishyuHon06.pdf
(b)2 号機S/C 圧力・温度の監視
福島第一原発2 号機では、3 月11 日の全電源喪失以降、原子炉隔離時冷却系(RCIC)が作動していたものの、電源喪失により制御不能であり、いつ停止するかも分からない状況にあった中で、同月12 日4 時頃以降、RCIC の水源を復水貯蔵タンクから圧力抑制室(S/C)に切り替えた。しかし、電源喪失によって残留熱除去系(RHR)による冷却が期待できない場合に、このような運転方法を長時間継続すると、原子炉圧力容器とS/C を循環する蒸気温度が上昇してしまい、S/C の圧力及び温度が上昇することとなる。その結果、RCIC の冷却機能及び注水機能が低下するほか、RCIC が機能しなくなった場合の次なる代替注水手段である消防車を用いた消火系注水に必要な主蒸気逃し安全弁(SR 弁)による減圧操作が困難になり、S/C の健全性が保てなくなるおそれがあった。したがって、RCIC が作動しているから「良し」とするのではなく、S/C の圧力及び温度を継続して監視するとともに、あらかじめ消防車注水ラインを準備し、RCIC 停止を待たずに原子炉減圧操作を行う必要があったと考えられる。しかし、中間報告W5(1)fで指摘したとおり、実際には、バッテリー接続等の方法により圧力及び温度の計測を行うことが可能であったにもかかわらず、同月14 日4 時30 分頃まで計測が行われなかった。加えて、同日5 時頃には代替注水ラインが整えられていたにもかかわらず、この時点で代替注水が実施されることはなかった。
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