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(回答先: 結論の要旨 (国会事故調 東京電力福島原子力発電所事故調査委員会 ダイジェスト版より抜粋) 投稿者 無段活用 日時 2012 年 7 月 07 日 18:59:13)
(投稿者より)
『国会事故調報告書』・英語版の序文です。下記のリンクの一部となります。誤訳があるかも知れません。ご容赦下さい。
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(Message from the Chairman: The official report of the NAIIC Executive summery)
http://naiic.go.jp/wp-content/uploads/2012/07/NAIIC_report_lo_res4.pdf
委員長からのメッセージ
2011年3月11日の地震と津波は、全世界に衝撃を与えた大規模自然災害だった。しかし、こうした天変地異が引き金となったとは言え、その結果として生じた福島第1原発の事故を、自然災害と見なすことはできない。根本的に、これは人が作った災害だ−予見と予防は可能だったし、そうあるべきだった。そして、事故の影響は、人間がより効果的に対応すれば、緩和できたはずだ。
卓越した科学技術とエンジニアリングでの世界的な評価を大きな誇りとする日本で、このような事故はなぜ起きたのか?この問題への十分・誠実・率直な回答を、日本国民−そして、世界の人々−は得るに値すると、当委員会は信じる。
この報告では、数多くの間違いや故意による怠惰のために、福島原発が3月11日の出来事に備えることができなかった事象を列挙した。また、東電・規制当局・政府による、事故対応の重大な欠陥を検討した。
この報告がどれだけ広範囲に詳細を記述しても、この大事故の背後にある怠惰を助長した思いこみを−特に世界の読者に対して−十分に伝えることはできない。
ここで認めなければならないのは−非常に辛いことだが−この大事故が「日本製」だったということだ。この根本的な原因は、反射的な従順さ、権威を疑うことを厭う姿勢、「計画通りに進める」ことへのこだわり、集団主義、狭量な島国根性といった、日本文化に深く根ざした慣習だ。
他の日本人が、この事故に責任を負う役目を果たしたとしても、結果は同じだったに違いない。
1970年代の「石油危機」を受け、エネルギーの安全保障達成のための取り組みの1つとして、日本は原子力開発を加速させた。その位置づけで、原子力開発は官民双方から政策目標として受け入れられ、日本を戦後の奇跡的な経済復興へと駆り立てたのと同様の、ひたむきな決意をもって追求された。
このような強力な要求があったため、原子力は、市民社会の監視が届かない、止めることのできない力となった。原子力規制は、その推進に責任を持つ政府官庁に併せて委ねられた。当時、日本は自信を強めつつあり、膨大な財源を持つ単線路線のエリートは、「ここで創作されなかった」いかなるものにも、注目を減らしていった。
こうした奢りは、日本の官僚たちの集合的な思いこみによって強化された。この思いこみに従えば、どの官僚も、最大の責務は自分の組織の利益を守ることだ。これが極限に達し、官僚たちは、国民の安全を守るという至高の責務よりも、組織の利益を重視するようになった。
この思いこみを理解しなければ、日本の原子力産業が、なぜ、スリーマイル島やチェルノブイリで得た重要な教訓に習熟することを避けてきたか、なぜ、規制当局の圧力に抵抗することが慣行となり、小規模な事故を隠蔽するようになったか、理解できないだろう。
この報告では、数多くの個人や団体からの厳しい批判のいくつかを掲載したが、その目的は責めることではないし、そうあってはならない。その目的は、これが二度と繰り返されないことを確実なものとするために、この大災害から教訓を得、その根本的な原因を深く反省することでなければならない。
多くの教訓は政策や手順に関連したものだが、最も重要なことは、日本国民一人一人がその教訓に照らして深く反省することだ。
福島での怠惰の結果は大惨事として際立っていたが、これを助長した思いこみは日本の至る所で見られる。この事実を認識し、私たち一人一人が民主主義社会の個人として、その責任を深く考えるべきだ。
最初の調査委員会が国会により権限を与えられ、官僚機構から独立したものとなるのに伴い、私たちは、今回の報告が日本の市民社会の発展に寄与することを期待する。
何よりも、私たちは、率直さについて最高の規準に適う報告の作成に努力してきた。福島の人々、日本の人々、世界の人々はまさしくそれに値する。
委員長
黒川 清
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