http://www.asyura2.com/12/genpatu25/msg/800.html
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活断層が動くのは数十万年に一度だから当分原発を動かしても大丈夫は間違え。
今、最も問題なのは原発だ。この数週間急に関心が高まったオスプレイの問題も原発隠しが目的だ。そもそも、あのアメリカべったりの前原誠司民主党政調会長がその配備について文句を言うなどとても不自然だ。
高レベル核廃棄物の処分がもっとも深刻な問題で、たとえ廃炉を決めても、実際には単に運転停止が続くはず。なぜなら、地層処分をどうやればいいのかということはほぼ全く決まっていないし、そもそも、地層処分をするための様々な技術開発が出来ていないから。日本においては、深さ1000メートル程度の縦坑をどの程度安全に掘ることが出来るか、そして、その縦坑をどの程度の長期間安定的に維持できるか、といったもっとも基本的なことがまだほとんど調べられていない。
つまり、たとえ廃炉を決めても、単に、運転を停止しているだけという状況が数十年続いてしまうはずなのだ。アメリカでは1945年には原発製造が大規模に行われて出している。1971年にはその大部分のプルトニウム生産炉は運転を停止しているが、高レベル核廃棄物の処分場は40年以上経過した現在でもアメリカ国内に作られていない。
( 注:アメリカのプルトニウム生産炉の停止については、次のサイトを参照のこと http://www.rist.or.jp/atomica/data/pict/03/03041104/02.gif )
より驚くことに、いや、ある意味、当然のことだが、世界中の国で、地層処分の研究は日本同様ほとんど進んでいない。そしてアメリカやフランスという、日本よりも多くの原発を持つ国で進んでいないのだから、日本で進まなくとも心配ない、少なくとも、しかたのないことだというのは、明確な間違えだ。
まず、アメリカもフランスも、原発の安全対策は日本よりもずっときちんとやられているからだ。 このことは、ベント配管やベント弁の作り方、建屋の構造、使用済み核燃料保管プールの位置などを見れば、はっきり分かる。日本では、経済性を追求するとのことで、ベント配管が独立していなかったし、電源喪失時のベント弁を開閉するマニュアルが作られていず、手動で開閉するための設備もなかった。保管プールも原子炉建屋の上部に作られていて、アメリカやフランスのように別棟ではなかったのだ。よく、脱原発をして、日本の優れた核技術をこのまま廃れさせていいのかという主張を聞くが、細部の技術で優れていても、もっとも肝心な地震に対する安全性については、ほとんど見るべき点がない状態であることがこういった事例を見れば簡単に分かる。
更に、日本は地震国であり、既に地震の活動期に入ってしまっていることがある。アメリカやフランスはほとんど地震が起きないが、日本は違う。しかも、なお悪いことに、地震衝撃波の影響を指摘する専門家がいるのに、僕のような素人でも論理が破綻していることが分かるような理屈をつけて地震衝撃波の影響を学会を上げて無視をし、政府もマスコミも、それに同調してしまうのだ。
(注) なお、地震衝撃波についてその存在が詳しく指摘している資料は次のものがある。
「兵庫県南部地震における土木構造物の衝撃的破壊について」 http://dlisv03.media.osaka-cu.ac.jp/infolib/user_contents/shinsai/001017.pdf
とか
「直下型地震による建造物の衝撃的破壊の特徴について」( http://dlisv03.media.osaka-cu.ac.jp/infolib/user_contents/shinsai/001007.pdf )
上に上げた二番目の記事の13ページ目には西宮市立西宮高校の校舎座屈の事例が述べられているが、固い地盤と池を埋め立てた軟弱な地盤に跨って建築された校舎の硬い地盤部分が座屈したことが明瞭に分かる事例だ。この校舎の3階の職員室の写真が、 http://www.lib.kobe-u.ac.jp/directory/eqb/photo/kawase/Jap/Photo/PhotoV1010.html にある。机上にある書類がさほど散乱していないし、天井の崩落もない。更に机がもともとの列になったまま。つまり、通常の地震の縦揺れも横揺れもなく、衝撃波によって1階部分が座屈したことが分かる。
そして、地震衝撃波の存在を無視する資料は次のものだ。
http://ci.nii.ac.jp/els/110003968500.pdf?id=ART0005443074&type=pdf&lang=jp&host=cinii&order_no=&ppv_type=0&lang_sw=&no=1342934479&cp=
上の論文でおかしい点は主に次の二つ:
1.「軟弱部が沈下・側方流動」という説明は無理がある。校舎3階の職員室の机はほとんど列が乱れていかったし、軟弱部分が横へずれ、固い地盤の上の校舎部分が座屈したのなら、基本的に横へ引張られた結果での崩壊で、それなら、当然、慣性力が校舎全体に働き、その結果、校舎の上部がより強く横へ揺れる。そうなら、座屈した部分は座屈しなかった校舎部分へ倒れこんでいなければいけない。そもそも、職員室の机はそういった横揺れを受けた様子がない。
2.軟弱部が沈下・側方流動したのは事実だろうが、破壊過程の模式図にある順番は無理がある。なぜ、不同沈下と側方流動が別々に起こっているのか。同時に起こるはずではないか。
以上 注終わり
原発を再稼働させようという人たちの大部分は、活断層が何十万年に一度ほどしか動かないから、当分原発があっても大丈夫だというような判断をしている。しかし、これは明確な間違え。年間降水量がこの程度だから、今月はこのぐらいの雨が降るだろうというような判断だからだ。天気に雨季と乾季があるように、地震にも活動期と静穏期がある。つまり、数十万年に一度ほどしか動かない活断層と、数百年とか数千年周期で起こる大地震とは、もともと関連性がない。マグニチュード9は、現在のところ、世界で確認されている地震で最大級のものだ。 しかし、その規模の地震の周期は数百年とか数千年。現実に、かなりはっきりした資料によって示されているマグニチュード8とかマグニチュード9程度の地震は数百年とか数千年周期で起こり、その前後には、マグニチュード6程度の地震が頻発する。では、数十万年に一度活動する活断層の地震と、例えば、昨年の311の地震とはどう違うのか?可能性として考えられるのは、より大きい地震とか、または、現在見られているような地殻の一部が動くのではない、大地動乱という表現がふさわしいような、隣りあった地域が同時に動くようなもの。または、そもそも、たまたま、数十万年に一度しか動かない活断層が観察可能であったということでしかない。
ともかく、マグニチュード9程度の地震であっても、その周期が数十万年ではないということは明確に確認されている。更に、そういったマグニチュード8とか9の地震の活断層が、数十万年に一度しか動かない活断層とどう違うのかは、多分、調べられていないのだ。
このことは、多分、かなり簡単に気が付くことだ。しかし、現実には、数十万年に一度しか動かないから当分原発に被害を与えるような地震は来ないと判断されてしまっている。ここでも、国債を国内消化しているからいくら財政赤字が積み上がっても大丈夫だというような奇妙な勘違いがされている。
活断層がどのくらいの間隔をおいて動くのか、または、どのくらい古いものなのか、その評価方法が間違えである可能性がある。東海地震の周期が数百年、貞願地震の再来であるとされる東北地方太平洋沖地震を起こした地震の周期が約1000年、どうしたら、数十万年に一度という活動頻度が出て来るのか?
たまたま、大飯原発の近くにある活断層が、事実として数十万年動いていないということも有り得るかもしれない。しかし、日本列島がだいたい現在の形に出来てきたのが500万年ほど前ということで、日本で最大の活断層を中央構造線だとすると、何か矛盾というか、疑問がわいて来る。
現在、一年で数センチ海洋プレートが日本列島の下に潜り込んでいる。100年なら数メートル程度潜り込むことになる。千年なら数十メートル程度潜り込む計算になり、その程度でプレートが跳ね返り、大地震になるとすると、明らかに大飯原発近くの活断層は10回以上のマグニチュード9程度の地震の影響を受けていないことになるのだ。このこと自体がおかしくないだろうか。日本列島はいくつかのプレートが組み合わさっているから、必ずしも東北地方で起きた地震が大飯原発のある若狭湾に影響を与えないというのは正しくない。少なくとも本州は二つの大陸プレートがかみ合っていて、互いに押し合いへし合いしているのだから影響は伝わっていくのだ。この7月で311の地震後すでに16か月が経過しているが、遅くとも今後数年のうちには影響が西日本にも出てくるはずだ。
さらに、日本で最大の活断層である中央構造線に関連した地震は非常に大きな地震だけを見ても数百年周期で起きている。中央構造線が長大であるせいもあるが、ほぼ数十年に一度はどこかでマグニチュード6以上の地震が起こってきているのだ。マグニチュード8以上の地震はほぼ数百年間隔で起こってきている。大飯原発近くの活断層だけが活動があまりなかった可能性を否定するわけではないが、日本のこの2000年程度の地震の歴史を見ると、ほぼ全国でかなり大きい地震が起きて来ていることが分かるわけだから、やはり、もっと高い頻度で地震が起きて来たはずだとしか思えない。そもそも、1000年以上前になれば、人口も少なく、文字記録として残される可能性もあまりないので、マグニチュード6程度の地震はほとんど記録に残らないはずだ。
日本列島がだいたい500万年前にほぼ現在の形になったとして、20万年に一度活動する活断層は25回地震を起こしたことになる。これって、何かおかしくないだろうか?
つまり、その活断層だけが動いて来たというはずがないのだ。周囲でも同規模かまたは多少小さい地震が起きて来たはず。事実、破砕帯という活断層の小さいものが数多く見つかっている。そして、仮に、数十万年に一度しか動かない活断層があったとしても、その周辺の破砕帯とか、または小さな活断層は、マグニチュード9の地震が日本列島のどこかで起き、日本列島が地震活動期に入った時には、確実にマグニチュード6程度の地震をかなりの頻度で起こすのではないだろうか?
よって、数十万年に一度しか動かない活断層という表現は、少なくとも、誤解を招くもので、実際は、かなり少なめに見積もっても千年に一度程度はどこの活断層もその周辺でマグニチュード6程度以上の地震を起こすのではないだろうか。そして、もし、このまま原発再稼働を続けていけば、どんどんと本当の意味での廃炉は先延ばしされていくし、安全な核廃棄物処分の方法も研究されることなく置かれることになる。
実際のところ、日本に地層処分などできるわけがない。地下5キロ以上の深さになれば温度が数百度になるところが大部分だ。つまり、普通に考えると地層処分は地下せいぜい2キロ程度の深さでしかできない。実際、今政府が広報しているのは地下300メートル以上の深さとなっている。しかし、一般的に地震震源の深さは10キロから20キロ程度が多い。地層処分したところの直下で地震が起きれば、処分場自体が壊れてしまい、地上に放射能が漏れてくることは十分にあり得る。さらに、そもそも数百年以上安定して保管できる容器は開発されていない。何よりも実証実験などできていない。
だから、仮にどこかに地層処分できたとしても、それは、将来のいつかの時点で、放射能漏れをお越し、将来世代に大きな迷惑をかけることになるのだ。将来、科学が進歩して、安全な核廃棄物処理ができるようになる可能性はある。しかし、現在のところ、それが実現する道筋は全くと言っていいほど見えていない。
どう考えても、原発再稼働は将来の危険性を無視している。きわめて近い将来、つまり、数年のうちにも地震などで原発震災が起こる可能性もあるし、遠い将来の放射能漏れ事故は確実に起こってしまうのだ。
もう少し、具体的に考えてみよう。原発1か所でその直下とか近傍で地震が起こり、原発震災になる可能性がどのくらいあるかを仮定し、日本全体での原発震災の可能性を計算してみるのだ。すでに日本は地震の活動期に入っているから、震源の大きさを100キロとしてみる。日本列島を仮に4千キロの直線と仮定して、そこに20か所の原子力発電所があるとしてみよう。200キロごとに一つの原子力発電所がある計算になる。震源の大きさは100キロだから、震源域に原発が立地している可能性は二分の一。マグニチュード6の地震が年間10回、マグニチュード7の地震が年間3回、マグニチュード8の地震が5年に一回発生すると仮定する。スマトラ島沖地震ではほぼ毎年マグニチュード7から8の地震が起こってきているから、この仮定は妥当だと思う。本来は、マグニチュードごとに震源域の大きさを変えるべきだが、直下で起こればマグニチュード6以上はどのみち過酷事故になるはずなので、同じ扱いにする。
さて、計算だ。一応、5年間で計算すると、66回、マグニチュード6以上の地震が全国で起こることになる。震源の大きさを100キロとしたので、4000キロのなかには40個の震源があることになる。この中に20個の原子力発電所が散らばっているのだから、一回の地震が原発を直撃する可能性は二分の一だ。つまり、5年間で30回以上は原発を地震が直撃することになる。少なくとも原発を中心にして半径50キロ以内でマグニチュード6以上の地震が起こる確率はこの程度なのだ。半径5キロなら、面積が100分の一になるので、確率は5年間で0.3回程度になる。つまり、15年あればほぼ確実に半径5キロ以内でマグニチュード6以上の地震が起こることになる。これは、例えば東海地震の発生確率と浜岡原発のことを考えればごく妥当な確率だろう。
よって、24時間、365日安定して発電できる地熱発電を大規模に開発して、原子力発電からの脱却を図るしかない。高レベル核廃棄物は、大変でも地上保管するしかない。その保管量をこれ以上増やさないためにも、原発再稼働はしてはいけない。
*6月8日の記事「近づく戦争・テロ社会、これらの動きを止めるべきでは?」から一連番号を付しています。<<1125>>TC:37810,BC:4063,PC:?、 Mc:?
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