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地下に建設すれば大丈夫だの、新方式の原発なら安全だの未だに妄言を述べるヤカラがいるが、
原発の安全性を向上させことは絶対に不可能であることをはっきり述べておこう。
なぜ安全な原発をつくることができないのか。主な理由を5つ挙げる。
(1) 事故を積み重ねないと安全性は向上しない
当たり前のことだが、人間は神様ではないのだから、失敗を積み重ねなければ
安全性を向上させることは不可能だ。
失敗なしに最初から完璧なものをつくれるなどと主張する傲慢な人間には、今回のような天誅が下る。
航空機にしろ自動車にしろ、何十年もかけて、数え切れない数の事故、死傷者と引き換えに、
ようやくここまで安全性を上げることができた。
原発も同じだ。チェルノブイリ、福島級の事故をこれから数百回経験すれば、
原発の安全性も向上するだろうが、その暁には地球は生物の住めない星になっているだろう。
(2) 事故原因の解明、改良が不可能
第二の理由は、事故の原因究明をして改良に役立てることが不可能ということだ。
これは原子力の本質的かつ致命的な問題である。
核分裂した核燃料は線量が高くて、とても人間は近づけないし、カメラや測定器も壊れてしまう。
調査を始められるのは事故後数十年してからだ。原発の設計者、関係者の多くはすでに
鬼籍に入っている。(エンマ様に舌を抜かれていることだろう) 設計資料が残っているかも怪しい。
とくに福島の場合は海水を入れたからすでにサビでボロボロ。
何がどう起きたか。その原因究明はまず不可能である。
航空機・自動車事故なら、現場検証をし、壊れた機体・車体や部品を解析して原因を解明し、
改良に役立てることはできるが、原発ではそれができない。
事故から学習しようにもできず、アホのごとく同じ事故を何度でも繰り返すしかないのだ。
シミュレーションがあると言うかもしれないが、あんなものは全く頼りにならない。
車の衝突実験のように、実際の結果と計算結果を比較しながら、シミュレーション精度を
向上させるのだが、原子力ではそれができない。
しかも、複雑な化学反応が絡むから、なおさら難しい。
前提条件を変えれば、結果はクルクル変わってしまう。参考程度にしかならないのだ。
たとえ改良方法が見つかってもそれを導入することは極めて難しい。
巨大なシステムだし、あちこちがひどく汚染されているから、自動車部品を交換するようなわけには
いかないのだ。
今回の事故で、使用済み燃料プールが無防備で格納容器で囲う必要があることがわかったが、
改造・改築はほぼ不可能。建屋を最初から設計しなおさなければならない。
危険で対策を施す必要があることはわかっているのに、結局何もできない。
何十年もそのまま運転せざるを得ないのである。
(3) コスト競争に勝てない
第三の理由はコストである。
原発を高く強固な防波堤で囲む、格納容器を二重三重にする、炉心溶融に備えてコア・キャッチャーを
設置するなどすれば、少しは安全性は上がるだろう。
しかし電力会社は絶対にやらない。とんでもない費用がかかり、コストに跳ね返るからだ。
火力・水力はもちろん、急激にコストが下がりつつある太陽光発電にすら負けてしまう。
電力も商品であり、厳しい価格競争を勝ち抜かなければならない。
原子力はとんでもなく割高であり、安全対策を犠牲にしなければ、とても他の発電方式に勝てないのだ。
(4) 閉鎖的な独占業界に進歩はない
激しい競争なしには決して商品の改良や進歩はあり得ない。
たとえば自動車業界は、安全で高性能、高信頼性、しかも安価な車の開発にしのぎを削っている。
欠陥を出そうものなら、すぐにユーザーや国に訴えられて莫大な賠償金を払うことになるから必死だ。
ユーザーは一番優れていると思う車を自由に選べる。これが資本主義のよいところである。
ところがこの競争原理は原発業界には全く働かない。
日本には沸騰水型と加圧水型の両陣営があるが、東と西に市場を分け、
お互いの縄張りは決して侵食しない。寡占ではなく事実上の独占だ。
(これは独禁法の市場分割カルテルに当たる)
こんな斜陽産業から撤退することはあっても、新規参入する企業などはない。競争はゼロである。
たとえ欠陥原発であろうが、電力会社は黙って買ってくれる。
たとえ深刻な問題が起きても、原子力ムラの中で闇から闇へ葬り去られる。
政府の審査官はど素人だ。天下りポストを用意してやれば目をつぶってくれる。
これでは安全性・信頼性は向上しようがない。
(5) 危険な使用済み核燃料は残る
最後の理由は、これも本質的な問題だが、使用済み核燃料の危険性だ。
いくら原発自体の安全性が向上したところで、核燃料は何万年、何十万年にもわたり管理が必要だ。
いったん核分裂させてしまったら、半永久的に危険はなくならない。
原子炉格納容器や燃料の収納容器・施設をいくら厳重にしたところで、出し入れするときに
事故が起きればおしまいだ。
使用済み核燃料を半減期の短い核種に変換して無毒化する技術は存在しないし、
将来も実用化できる見通しはない。核燃サイクルと同じ「夢物語」である。
仮に実用化されたとしても、適用できるのは使用済み核燃料だけであって、
ひとたび爆発して広範囲に飛び散った放射性物質を回収して無毒化することなど不可能だ。
福島が何百年も住めない状況に変わりはない。
パンドラの匣から飛び出した災禍はどうにもならないのである。
以上の理由から、原発の安全性を向上させることは不可能なのは明らかである。
地下式にしようがトリウムを使おうが原発の危険性に変わりはない。
世界の商用原発は約440基。本格稼動から約40年ですでに3回も壊滅的な大事故を起こしている。
実に10数年に1度である。あわや危機一髪のトラブルは毎年のように起きている。
その悲惨な歴史自体が、原発の安全性を向上できないことを証明している。
このまま原発稼動を続ければ、あちこちで大爆発が続く。
地球から居住可能な場所がどんどん失われていくだろう。
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