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原発の安全性向上は絶対に不可能 -- その5つの理由
http://www.asyura2.com/12/genpatu25/msg/793.html
投稿者 魑魅魍魎男 日時 2012 年 7 月 23 日 05:06:54: FpBksTgsjX9Gw
 

地下に建設すれば大丈夫だの、新方式の原発なら安全だの未だに妄言を述べるヤカラがいるが、
原発の安全性を向上させことは絶対に不可能であることをはっきり述べておこう。


なぜ安全な原発をつくることができないのか。主な理由を5つ挙げる。


(1) 事故を積み重ねないと安全性は向上しない

当たり前のことだが、人間は神様ではないのだから、失敗を積み重ねなければ
安全性を向上させることは不可能だ。
失敗なしに最初から完璧なものをつくれるなどと主張する傲慢な人間には、今回のような天誅が下る。

航空機にしろ自動車にしろ、何十年もかけて、数え切れない数の事故、死傷者と引き換えに、
ようやくここまで安全性を上げることができた。

原発も同じだ。チェルノブイリ、福島級の事故をこれから数百回経験すれば、
原発の安全性も向上するだろうが、その暁には地球は生物の住めない星になっているだろう。


(2) 事故原因の解明、改良が不可能

第二の理由は、事故の原因究明をして改良に役立てることが不可能ということだ。
これは原子力の本質的かつ致命的な問題である。

核分裂した核燃料は線量が高くて、とても人間は近づけないし、カメラや測定器も壊れてしまう。
調査を始められるのは事故後数十年してからだ。原発の設計者、関係者の多くはすでに
鬼籍に入っている。(エンマ様に舌を抜かれていることだろう) 設計資料が残っているかも怪しい。

とくに福島の場合は海水を入れたからすでにサビでボロボロ。
何がどう起きたか。その原因究明はまず不可能である。

航空機・自動車事故なら、現場検証をし、壊れた機体・車体や部品を解析して原因を解明し、
改良に役立てることはできるが、原発ではそれができない。
事故から学習しようにもできず、アホのごとく同じ事故を何度でも繰り返すしかないのだ。

シミュレーションがあると言うかもしれないが、あんなものは全く頼りにならない。
車の衝突実験のように、実際の結果と計算結果を比較しながら、シミュレーション精度を
向上させるのだが、原子力ではそれができない。
しかも、複雑な化学反応が絡むから、なおさら難しい。
前提条件を変えれば、結果はクルクル変わってしまう。参考程度にしかならないのだ。

たとえ改良方法が見つかってもそれを導入することは極めて難しい。
巨大なシステムだし、あちこちがひどく汚染されているから、自動車部品を交換するようなわけには
いかないのだ。

今回の事故で、使用済み燃料プールが無防備で格納容器で囲う必要があることがわかったが、
改造・改築はほぼ不可能。建屋を最初から設計しなおさなければならない。

危険で対策を施す必要があることはわかっているのに、結局何もできない。
何十年もそのまま運転せざるを得ないのである。


(3) コスト競争に勝てない

第三の理由はコストである。

原発を高く強固な防波堤で囲む、格納容器を二重三重にする、炉心溶融に備えてコア・キャッチャーを
設置するなどすれば、少しは安全性は上がるだろう。

しかし電力会社は絶対にやらない。とんでもない費用がかかり、コストに跳ね返るからだ。
火力・水力はもちろん、急激にコストが下がりつつある太陽光発電にすら負けてしまう。

電力も商品であり、厳しい価格競争を勝ち抜かなければならない。
原子力はとんでもなく割高であり、安全対策を犠牲にしなければ、とても他の発電方式に勝てないのだ。


(4) 閉鎖的な独占業界に進歩はない

激しい競争なしには決して商品の改良や進歩はあり得ない。
たとえば自動車業界は、安全で高性能、高信頼性、しかも安価な車の開発にしのぎを削っている。
欠陥を出そうものなら、すぐにユーザーや国に訴えられて莫大な賠償金を払うことになるから必死だ。
ユーザーは一番優れていると思う車を自由に選べる。これが資本主義のよいところである。

ところがこの競争原理は原発業界には全く働かない。
日本には沸騰水型と加圧水型の両陣営があるが、東と西に市場を分け、
お互いの縄張りは決して侵食しない。寡占ではなく事実上の独占だ。
(これは独禁法の市場分割カルテルに当たる)
こんな斜陽産業から撤退することはあっても、新規参入する企業などはない。競争はゼロである。

たとえ欠陥原発であろうが、電力会社は黙って買ってくれる。
たとえ深刻な問題が起きても、原子力ムラの中で闇から闇へ葬り去られる。
政府の審査官はど素人だ。天下りポストを用意してやれば目をつぶってくれる。

これでは安全性・信頼性は向上しようがない。


(5) 危険な使用済み核燃料は残る

最後の理由は、これも本質的な問題だが、使用済み核燃料の危険性だ。
いくら原発自体の安全性が向上したところで、核燃料は何万年、何十万年にもわたり管理が必要だ。
いったん核分裂させてしまったら、半永久的に危険はなくならない。

原子炉格納容器や燃料の収納容器・施設をいくら厳重にしたところで、出し入れするときに
事故が起きればおしまいだ。

使用済み核燃料を半減期の短い核種に変換して無毒化する技術は存在しないし、
将来も実用化できる見通しはない。核燃サイクルと同じ「夢物語」である。

仮に実用化されたとしても、適用できるのは使用済み核燃料だけであって、
ひとたび爆発して広範囲に飛び散った放射性物質を回収して無毒化することなど不可能だ。
福島が何百年も住めない状況に変わりはない。
パンドラの匣から飛び出した災禍はどうにもならないのである。


以上の理由から、原発の安全性を向上させることは不可能なのは明らかである。
地下式にしようがトリウムを使おうが原発の危険性に変わりはない。

世界の商用原発は約440基。本格稼動から約40年ですでに3回も壊滅的な大事故を起こしている。
実に10数年に1度である。あわや危機一髪のトラブルは毎年のように起きている。
その悲惨な歴史自体が、原発の安全性を向上できないことを証明している。

このまま原発稼動を続ければ、あちこちで大爆発が続く。

地球から居住可能な場所がどんどん失われていくだろう。

 

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コメント
 
01. 2012年7月23日 05:46:26 : E35DxKZnR6
半生を技術屋として過ごしてきた経験から言うと、(1)は技術の基本を仰っていると思う。

02. funakosa 2012年7月23日 09:13:46 : Ba05VKZB0EEa. : LTppZAwVNs
<このまま原発稼動を続ければ、あちこちで大爆発が続く。>
<地球から居住可能な場所がどんどん失われていくだろう。>

だから結論はどうなの? どうすれば居住可能な場所にすることができるの?

原発ゼロ理想は大いに賛成だが、国内でばかり騒いでいないで、中国、韓国
等にも原発ハンタ〜〜イに賛成して下さい、と訴えて貰いたいね。原発ゼロの日本に黄砂もどきの被害が無しとはいえないね。

煽りまくるのは良いが、どうすれば一番良いのか教えて貰いたい。


03. 2012年7月23日 09:21:35 : J97saGzWEI
福島の事故の現場検証も無しで、事故調査報告書など気休めに過ぎない。これほどDATA分析に貴重な事故に対しても、このざまでは、同じ過ちを何度でも繰り返すと言う事だ。

とりわけ隠蔽されている情報を何も開示しない日本政府や行政や原発ムラが存在する限り安全のあの字もありません。


04. デミトリー 2012年7月23日 10:25:08 : 2kYVIsTHbi0XM : rknrqDaK5U
>>2
基本路線は簡単だよ。
自国をゼロにして、他国にも訴えていく。
それ以外にないだろ。

経済力を高めて、核兵器・核発電所有国を経済封鎖する。
非核国の強固なネットワークを作る。
核兵器の優位性を覆す兵器を開発する(善悪は知らん)。

アジア・中東・アフリカは、白人の都合で軍事政権だから悪だとか劣った貧しい発展途上国だとか変な印象を刷り込まれているが、目を覚ます時だよ。

原発ゼロが理想なら、なにか問題があるから無理だではなく、その問題をどうするか考えるべきじゃないか?
あなたの「どうすれば理想が実現できるか」という意見を聞きたい。
実現が難しそうな方法でも構わない。その方法をどうすれば実現できるか次々に考えていけばいいだけだ。


05. 2012年7月23日 11:20:43 : td232edMuA
02さん

日本が率先して脱原発して、自然エネルギー技術を真剣に開発して、それを世界へ供与する、そういう技術立国をめざしましょう。

04さんが言うように、それしか方法はない。

どうせ中国や韓国がバンバンやって、事故って偏西風でやられるから、日本だけやめてもしょうがない、だからやろう、という原発推進派がいますが、そういう根性ではダメ。それでは若い人が育たない。


06. 恵也 2012年7月23日 13:10:00 : cdRlA.6W79UEw : DJ8mUQMIc6
>> たとえ改良方法が見つかってもそれを導入することは極めて難しい。

新たに導入しても、それが本当に安全なのかどうかは時間がたたないと判らん。
運転しながら「本当は危険らしい」と感じても止めれないでしょう。
利権がかかるし働いてる人間にとって、自己否定になるようなことは公表はしない。

活断層も原発建設に動き出した後で「活断層が見つかった」なんて公表しない。
むしろ口封じをし、屁理屈を見つけてでも原発を作るのが人のサガ。
鹿児島の川内原発も、地層調査で掘り出したテストピースの交換までしました。
原発業界というのは、利権が絡むので動き出したら止めれないんだよね。


07. 2012年7月23日 22:36:36 : aFo6jwUFy1
04さん、05さん、良い意見ですね。

08. 2012年7月24日 01:11:50 : Xs0Gj9F23E
この文章は非常に優れたテーゼになっていると思います。
また、原発を推進する側が多く主張する事柄に対しての優れたアンチテーゼともなりうる。
原発というのは、所詮その存在自体が絶対自己矛盾の塊で、あらゆる将来的に建設的な検証を怠ったまま「目先の金」や「戦争で優位に立てるカモ知れない威力」への執着や妄想に嵌った者が異常な興奮状態で、創造的ならぬ早漏的に産み出され、増殖させられてきた究極のポンコツテクノロジー(テクノロジーなんてカッコいい言葉を使うことさえ恥ずかしくなる)の賜物にすぎないのでは。
このパラドックス装置は、人間を動物以下の、思考力もまともな感性もない単細胞ならぬ単眼生物に変えてしまう、恐ろしい力を秘めている。
ロスチャイルド家お膝元の一つであるロンドンでこれから開催されるオリンピックの、あの不気味なマスコットは、何をあらわしているのやら・・・。

09. 2012年7月24日 07:03:16 : gHNJhcGGEM
-----地球から居住可能な場所がどんどん失われていくだろう。

SF映画で暗黒の未来を描いたものがいくつもあった。「赤ちゃんよ永遠に」
「ソイレントグリーン」とかだ。ずいぶん古い映画なので、再放送でもめったに
やらないので、DVDとかでみるしかない。

これらの映画では、汚染が拡大してどうしようもなくなった未来を描いている。
そこへむけて、福島事故は大きな一歩となってしまった。
日本人はいち早くSFの世界へ入ってしまったのだ。


10. 2012年7月24日 13:31:50 : ZwzKNok19M
6つ目

原発は通常運転でも、放射性物質を垂れ流す

http://blog.goo.ne.jp/jpnx02/e/a821dd30907f13d3b9f82e0e62618e34


11. 2012年7月25日 13:35:44 : ZwzKNok19M
5つの理由は、次の世代の「教科書」に掲載してほしい。

12. 2012年7月26日 04:35:49 : Xs0Gj9F23E
>11
同意します。
それも簡略化した文章なら小学生の理科や社会から、
そのままなら、中学一年の理科と社会に。

それ以上でも、科学、社会、国語、哲学、技術関係全ての教科書にのせたい。
常識問題。


13. 2015年4月19日 14:24:42 : FocTUoLTlg
上記の5つに加えて、すでにこれも方々で証明されているので、政官学財が
あらゆる手段を用いて、事実隠蔽に走り、原因究明を妨害し、被害を拡大させるために行動して、
改善技術以上に隠蔽手段に傾倒するので、そしてまた、隠蔽手段の方が成功を収めるので技術改善されることは永久に無い
ということも付け加えて欲しい。

14. 2015年4月19日 23:33:47 : vBqBprn3sc
あと、(2)と共通の問題ですが、事故の影響が「発生地点では接近不能」
「広範囲ではその量と影響の分析があまりにも困難」であるので、
費用便益計算をするとしても、「事故のコスト」を予測したり、算出
したりできないことが挙げられると思います。

この場合には、中庸に、相応しいリスク評価の点が見出せませんので、
(A)リスクは一国、地域(アジア、欧州など)、地球から見て、ほぼ無限と
   する
もしくは、
(B)あらゆる手段を用いて、もしくは現時点での科学の水準に甘んじて、
  リスクは低いか、採算がとれるか、克服可能だと見積もる

のどちらかになりますが、(B)はこれまでの事故でも、もう「強権」「弾圧」
以外に成り立ちにくくなっています。(A) は予防原則でも説明できますが、
(B)はもし本当に説明するなら、(2)をクリアできなくてはならないからです。
そして(2)は、物理学的や生物学的な自然法則で規定されています。

なので、多くの「リスク学」的説明(≒科学を装っている原発推進)は、
厳しいことになります。

韓国や中国に何も言わないとか、そういう国境の問題ではありません。
そんな甘いものではありません。日本ですら国内最有力の農漁業地帯が
この先使い物になりません。
韓国程度なら、半島全体がアウトです。語弊は覚悟の上で「教えてやる」
くらいの技術力の差はあります。ただ説得力がないのです。日本が正しく
危険を認識し、説得力、もっと言えば論破して続けるようならただでは
おかない、くらいのソフトパワーを持つことが大事です。

実際は逆に向かっているようですが。


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