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【こちら特報部】「脱原発 官邸前デモに過剰警備?」 2012/07/21(東京新聞)
http://ameblo.jp/heiwabokenosanbutsu/entry-11308227879.html
2012/07/21(東京新聞) :平和ボケの産物の大友涼介です。
「再稼働」に抗議し、「脱原発」の声を届けようという金曜日恒例の官邸前デモ。自然発生的な個々人の集まりに、警視庁は「安全確保」として20日も国会周辺で厳重な警備を敷いた。参加者は「民意の表明がしにくい」「過剰規制によるデモ潰しでは」などと疑問視している。デモと警備のあり方を考えた。 (上田千秋・小坂井文彦記者)
「警備車両を駐車するスペースがあるんだから、そこを解放すればいいんですよ」
二十日午後六時前、友人とともに国会近くの歩道に陣取った埼玉県蕨市の仲内節子さん(67)はため息をついた。
生憎の雨となったこの日も、大勢の人が官邸前や国会周辺の歩道を埋め尽くした。時間が経つにつれて人は増えていったが、コーン標識を置いて歩道の四分の一ほどの幅を一般歩行者用に確保しているため、スペースは十分ではない。
雰囲気もものものしく、歩道に多くの警察官が立って警備に当たり、車道には警察車両の列。車両の屋根の上から目を光らせる警察官もいた。
仲内さんと一緒に参加した渡辺一枝さん(67)は「こんなに厳重にしても意味がないと思う。わざとトラブルを起こさせて、デモを潰す理由にしようとしているんじゃないか」と訝った。
仲内さんたちが訴えたいのは、「警備が過剰過ぎて逆に危険が増しているのではないか」ということだ。政府が大飯原発(福井県おおい町)の再稼働を決めて以降、参加者が急増したため、警視庁は警備体制を強化した。十三日の前回から地下鉄の出入り口の一部を一方通行にし、車道に人が溢れ出ないように鉄柵を置いたり、国会周辺の歩道に立ち止まれる「抗議エリア」を設けたりするなどした。
仲内さんは先月二十九日からデモに参加し、十三日も午後五時四十分ごろに国会前に到着。友人と一緒に歩いているうちにたまたま、道路の切れ目で、前に鉄柵に囲まれたスペースに辿り着いた。女性警察官がマイクで「指示に従って安全を確保してください」と繰り返していて、「警察官がデモの主催者のようですごく違和感があった」(仲内さん)。
午後六時にデモが始まると、前に進もうとする人たちが後方から少しずつ押し寄せてきた。後ろにいる人は、前が行き止まりになっていることはわからない。鉄柵と、押し寄せる人との間に挟まれ身の危険を感じ、鉄柵の向こうに避難しようとすると、警察官から「どこに行くんですか?」「こっちはダメです」と強い口調で止められた。
先に避難していた友人に手を引っ張ってもらってなんとか抜け出すことができたが、仲内さんは「暴徒と思ったのか、一市民に対する態度ではなく犯罪者のような言われ方をされた。今思い出しても悔しい」と憤る。
結局、安全が確保されていないと判断し、七時十五分ごろに現場を後にしたと言う。「本当は官邸前まで行きたかったし、八時の終了時刻までいたかった。警備体制や混雑の状況などを主催者がホームページ(HP)に掲載したり、可能な限り現場でアナウンスしてくれれば、よりスムーズに動けるのではないか」
官邸前デモは三月末から始まった。ネットやツイッターで知った個々人が自主的に集まり、今や万単位に膨れあがった。官邸前での巨大デモは六十年安保闘争以来だ。
仲内さんは「今までデモに縁がなかった人たちが来ていて、まったく様相が違う。それなのに厳重警備に怖くなって二度と来なくなってしまうんじゃないか」とこう訴えた。
「これからも誰もが安心して参加できるよう、車道の一部を開放するなど対策を考えて欲しい」
デモの抗議エリアは官邸前にはない。警視庁は「歩道が狭いので、人が集まると危ない」と安全上の理由と説明する。
では、歩行者天国は無理でも、車道の一車線を歩道として二時間程度開放できないのか。
デモで車道を利用するには、東京都公安委員会の許可が必要だ。開始する七十二時間前までに、出発地点を管轄する警察署に申請書を出さなければならない。
だが、申請はやぶへびになる可能性が高い。デモを主催しているのは、市民団体などで組織する「首都圏反原発連合」。奇妙なようだが、実は連合をはじめ誰もデモの申請をしていない。仮に官邸前や国会周辺で申請した場合、公安委はデモの場所や日時を変更させることができる。
警視庁の幹部は「政治の中枢で集団の力を行使されると、行政機能の麻痺も有り得る。申請があれば、場所を変えてもらうことになる」と言う。申請がないため、警視庁は官邸前デモを「抗議行動」と呼び、容認している。参加者を「花火大会などのイベントに集まった人たち」と同じ扱いでとらえているという。
規制強化について警察は「主催者との相談の上」と発表したが、同連合はHPで「事実と異なる。残念ながらこちらからの要請は受け入れられていない。今後も規制緩和などを警察と交渉していきます」としている。
「『デモ』とは何か」の著書がある高千穂大学の五野井郁夫准教授(国際政治学)は「警察が車道を開放せざるを得ない状況をつくればいい」。最も有効なのは、参加者がさらに増えることだという。欧米でのデモで、車道に人が溢れるケースは、「許可を取っていることもあるが、人が集まり過ぎて危険だから警察がその場で黙認することもある」と語る。
警察が最も恐れているのは、二〇〇一年に兵庫県明石市の歩道橋で、花火大会の見物客十一人が死亡したような事故が起きることだ。警視庁幹部も「危険を防ぐため、場合によって開放も有り得る。今は、設定した『抗議エリア』に参加者が入りきれているから開放の必要はない」と話す。
「前向きに考えましょう」と唱えるのは、新党日本代表の田中康夫衆院議員だ。「逆に警察はリスクを負った。この中にいないと危ないですよ、と規制する以上、負傷者が出た場合、責任問題でしょ」
田中氏は十三日、デモ終了後に赤いコーン標識を片付ける警察官の「原発反対」というつぶやきを聞いたという。「現在のデモは、官対民のような二項対立ではない。組織に属している人も、人間の体温に溶かしていく運動なのです」
今月から参加者に「白い風船」を配る運動を続けている。参考にしたのはベルギーで一九九六年十月にあった「純白の行進」。少女連続誘拐事件の司法当局の対応に抗議し、約三十万人が白い風船や白い花を持って静かに街を歩いたデモだ。
「暴力的でなく楽しみながらするのがデモ。風船が、官邸前のデモがこれからも続くための触媒になるといいな、と思っている」
※デスクメモ 十三日を挟んで前後のデモに参加した。東京新聞は霞が関付近にあり、歩いて行ける。前は官邸前で熱気を体感したが、以後は規制強化の誘導で国会正門前に回った。分散で「国会包囲」となるものの一体感は薄れる。官邸前が歩道と車道で危険というなら、国会正門内の広場を一部開放したらいかがか。(呂デスク)
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