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2012.07.19
やっぱり電力不足は嘘だった!
あたしは何度も何度も、このセクシーなクチビルを酸っぱくして言い続けてきたけど、電力会社や政府が言ってる「電力不足」なんて大嘘で、原発を再稼働させるための方便でしかない。「計画停電」という脅しも「節電要請」という無理強いも、すべては「嘘の電力不足」を事実のように思わせるための演出でしかない‥‥ってなワケで、7月18日付の「中日新聞」の記事を引用して紹介する。
(引用ここから)
「関電、大飯再稼働なくても電力供給に余力」
政府の節電要請から16日までの2週間の関西電力管内の電力需給で、最大需要は2301万キロワットにとどまり、出力118万キロワットの大飯原発3号機(福井県おおい町)が再稼働しなくても、供給力を9%下回っていたことが分かった。猛暑となり17日の最大需要はこの夏一番の2540万キロワットに達したが、10%以上の供給余力があった。政府は夏場の電力不足を理由に強引に大飯原発の再稼働に踏み切ったが、節電効果など需要の見通しの甘さが浮き彫りになった。
関電は5月にまとめた試算で、原発ゼロのままなら7月前半は8・2%の供給力不足が生じるとし、再稼働の必要性を強調した。政府は大飯の再稼働を決めた上で、関電管内に猛暑だった2010年夏比で15%の節電を求め、3号機のフル稼働後も節電目標を10%に設定している。
(引用ここまで)
「中日新聞 電子版 2012年7月18日配信」より引用
http://www.chunichi.co.jp/s/article/2012071890094758.html
リンク先の元記事には、どれだけ電力が余っていたのかが一目瞭然のグラフもあるので、ぜひ読んでみてほしい。で、この引用させていただいた記事の冒頭部分を読むと、政府が「節電要請」をした7月2日から16日までの関電管内の最大需要は2301万KW、猛暑となった17日の最大需要は2540万KWだったってことが分かる。そして、この最大需要の日でも10%以上の余力があり、118万KWの大飯原発3号機を再稼働しなくても9%の余力があったと伝えてる今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?
‥‥そんなワケで、この記事を読めば分かるように、少なくとも「原発を再稼働しないと電力不足になる」という話は嘘だったワケで、そうじゃなければ、118万KWの大飯原発3号機の再稼働に合わせて合計300万KWの火力6基を止めるなんてことはしなかったハズだ。一部の御用ジャーナリストは、「火力を止めたのは、電力需要が逼迫(ひっぱく)した時に、すぐに再稼働して発電できる火力を温存しておくためだ」などと、まるで電力会社の広報みたいなセリフを平然とノタマッてたけど、その電力会社の広報自身が「火力を停止したのは原発再稼働によって電力が余ったため」と回答してる。
詳しくは、「京都民放」の7月13日付の記事、「火電停止は電力余剰だった!関電京都支店広報が明かす」http://www.kyoto-minpo.net/archives/2012/07/13/post_8889.phpを読んでみてほしい。
この記事にも書かれてるけど、関電の広報が「原発を再稼働したために電力が余ったから火力を止めた」と認めてるのに、その関電が現在も「電力不足」を理由に「節電」を呼び掛けているのだ。こんなにおかしな話があるだろうか?自分で何基も火力を止めておきながら「電力不足」だと言う。さらに言えば、実際には電力は不足していない。最初の記事にあるように、この夏一番の猛暑日でさえも10%以上の余力があるのに、「電力不足」を理由に「節電」を呼び掛けているのだ。
この現状を普通に解釈すれば、ただ単に「燃料費が掛かって儲けがない火力を動かしたくない」だけにしか見えないし、逆の言い方をすれば、「動かせば動かしただけ儲かる原発を1基でも多く動かしたい」だけにしか見えない。脱原発の集会では過去最大、17万人が集まった先日の「さようなら原発 10万人集会」で、大飯原発の立地する現地からやってきたお坊さん、中嶌哲演さんは、素晴らしいスピーチの中でこんなことを話してくださった。
「原発を1基動かすと電力会社は1日で5億円儲かります。24時間の稼働で5億円儲かるのです。そして、原発を1基動かすと24時間でヒロシマ型原爆3発分の死の灰が生成されます。電力会社は1日に5億円儲けるために、毎日ヒロシマ型原爆3発分の死の灰を作り続けているのです」
この哲演さんの説明を聞けば、今回の関電の「電力不足だと言って118万KWの原発を再稼働させたのに300万KWの火力を止めた」という謎が簡単に氷解されただろう。関電が必死になって原発を再稼働させたがっていたのは、決して「電力不足」などが理由ではなく、単なる「金儲け」だったのだ。そして、関電は、この「金儲け」と引き換えに、未だに処理方法も確立されていない「核のゴミ」を作り続けているのだ。今、自分たちさえ儲かれば、未来の人たちのことなんてどうでもいい‥‥ってワケだ。
‥‥そんなワケで、関電だって東電だって北電だって四電だって九電だって一応は企業なんだから、「金儲け」をすることは決して悪いことじゃないし、逆に「金儲け」をするのが企業の根幹でもある。だから、あたしは、短絡的に「金儲け=悪」とは思ってない。だけど、福島第一原発が取り返しのつかない大事故を起こし、1年4ヶ月が過ぎた今も収束のメドも立たず、全国に放射能汚染の被害を拡大し続けてる現実があるのだから、自分たちの「金儲け」のための再稼働を「電力不足」だと嘘をついて強行するなんて絶対に許されない。
でも、電力会社だけを責めるのは間違ってる。原発を推進してきたのは、あくまでも自民党政権であって、当初、電力会社は乗り気じゃなかった。まだ海のものとも山のものとも分からない「原子力」なんてものに手を出して、取り返しのつかないことになったらどうしよう。電力会社はそう思ってた。それをカネの力と甘い言葉で従わせたのが、自民党という官僚の子分たちだった。
だけど、どんな流れで原発に手を染めたとしても、「原発を造れば造っただけ儲かる」「原発の発電比率を上げれば上げただけ儲かる」という悪魔の罠から抜け出せなくなり、「重大事故が起きた時の対策」や「使用済み核燃料の処理方法」という最重要課題を先送りしたまま「金儲け」だけを最優先してきた結果が現在の電力会社なのだ。だから、これは完全に電力会社の「経営戦略の失敗」であり、現在の状況は「自己責任」だ。
今さら原発から手を引くことなどできないと、「安全神話」が崩壊した今も強引に原発を推進するために「電力不足」をデッチあげ、「計画停電」で利用者を脅し、何の安全対策も講じていない欠陥原発を再稼働させるなんて、もはや国家ぐるみの大犯罪としか言いようがない。
「火力を稼働させると赤字になる」「原発を稼働させないと儲からない」、そうした原発頼みの経営基盤を作ったのは電力会社自身であり、電力会社を選ぶことのできない利用者には何の責任もない。利用者の多くが何も考えずに湯水のごとく電力を使い続けてきたことに原発が林立した一因があると言うのなら、電力は十分にあるからと「オール電化」をセッセとセールスしてきた電力会社は何なのか?電力会社自身が「電力大量消費社会」を作ってきたんじゃないのか?
それなのに、今までは「オール電化」をセッセとセールスしてきた電力会社が、原発を動かせなくなったトタンに、電力は足りてるのに「電力不足」だと嘘をつき、「計画停電」で利用者を脅し、再稼働のための免罪符を政府に発行させて、何の安全対策も破砕帯の調査もしていない欠陥原発を強引に再稼働させた。自分たちの「金儲け」のために。
だから、あたしは批判してる。関電が「金儲け」することを批判してるんじゃなくて、その「方法」を批判してるのだ。関電は「原発を再稼働しないと電力不足になる」と嘘をついたが、四国電力は「原発を再稼働しないと経営が行き詰ってしまう」と正直に言っているし、九州電力は「原発を再稼働できないと来春には電気料金を引き上げることになる」と利用者を脅している。どちらも最低な発言だが、嘘をついた関電よりは多少はマシだろう。
結局は、原発に依存した経営を続けてきた報いなのだ。原発の甘い汁を吸い続けてきて、原発以外の経営努力を怠ってきた結果なのだ。原発依存から抜け出せなったのは完全に「自己責任」であり、今になって「火力を稼働させると赤字になる」「原発を稼働させないと儲からない」などという言い訳など断じて通用しない。その証拠に、原発を1基も持たず、火力をメインにして運営してる沖縄電力は、赤字どころか健全な経営を続けてるじゃないか!
今回、関電から始まり、全国に飛び火してる「電力不足詐欺」だけど、結局は原発に依存した経営を続けてきた各電力会社と株主たちの「自業自得」であり、あたしたち電力利用者には何の責任もない。火力をメインにして運営してる沖縄電力が健全な経営を続けてる以上、沖縄以外の電力会社が「火力から原発に切り替えないと経営破綻してしまう」などと言うのは、完全に自分たちの経営判断ミスを棚に上げた寝言だ。
‥‥そんなワケで、福島であれほどの大事故が起こったのだから、マトモな思考回路を持った経営者なら、とにかく原発はすべて「二度と稼働させない」と即決し、速やかに廃炉作業を始めつつ、使用済み核燃料の処理方法を考えるはずだ。原発を1基も動かさなくても電力はまったく不足していないけど、中期的にはできる範囲でコストが安く効率のいいバイオマス火力などの比重を増やしていき、長期的には自然エネルギーへと移行していく。これがマトモな経営者のマトモな判断だろう。だけど、原発という麻薬に骨の髄まで蝕まれてしまい、金儲けのためなら「電力不足」という大嘘も「計画停電」という強迫も平然と口にできてしまう守銭奴たちには、もはや「マトモな判断」など1マイクロシーベルトも期待できないと思う今日この頃なのだ。
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