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誠意ゼロの電力会社
http://takedanet.com/2012/07/post_0a82.html
平成24年7月16日 武田邦彦(中部大学)
このところ各地で近未来の日本のエネルギーについて政府の提示した3つの案に対する国民の「意見を聞く会」が開かれている.この種の会はやらせなので、意味がない。
今回もどのぐらいの人数からどのような方法で出席者を選び、その中から発言者をどのような基準で選択したのか、民主主義に必要な手続きが一切公表されない。それだけでも無意味だから、マスコミが報道すること自体が問題かも知れない。
ところで、ここで注目したいのは原発推進の意見を述べた東北、名古屋の電力会社役員と社員だ。「被曝しても病人は出ない。間違いない」と発言した。この発言は「逮捕されるべき発言」である。つまり「当事者が法律に違反し、違反を教唆する発言」だからである.
・・・・・・・・・
原発を稼働するにあたり、電力会社は「法規」と「自主規制」いう形をとって国民に被曝の限度の約束をした。それは、
1)1年1ミリ以下にする、
2)それを現実的にするために原発敷地境界では1年50マイクロシーベルトを超えないようにする、
3)自主規制として原発従業員も1年1ミリとする、
ということだった。
このことを実施するために、膨大な設備を作り、従業員を5万人も増やし、その経費をすべて電気を使う国民につけた.
ところが、事故が起こると「1年1ミリ以上でも絶対に病気にならない」と政府の主催する会で公言した。ということは、詐欺か疾病強要だからどう見ても犯罪である.それも大きな顔をして言っていた.
いったい、自分が約束して原発を動かしていたのに、事故が起こったらこんなに簡単に前言を翻す・・・こんな人が原子力をやっていたのかと思うと、一時期、原子力技術に携わっていた私は愕然とする.
今は国民に申し訳ないと思っているけれど、私を始め多くの原子力技術者は「安全な原子力だからやる」ということであり、「間違っても1年1ミリ以上の被曝をさせることはない」ということで進めていた.まさか、それが原発をやるためだけのカモフラージュであり、心の中は「もっと被曝しても良い」と思っていたとは!
この日本はどうなっているのだ? まさか「ハッキリと約束を破った人は監獄」という法律が必要にも感じられる.そうなると、首相(いったん辞めて総選挙をしてから増税するなら政治的決断になる)、経産大臣(直ちに健康に影響がありません)、文科省大臣(スピーディー隠し)、NHK(安全と報道して記者を福島から総引き上げ)、電力会社幹部(1年1ミリと言ってそれ以上でも安全と言い直す)などが逮捕されるだろう.
恐るべき社会だ.これでまともな教育をしろといっても無理である.日本人は約束を守らない人たちの集団だったのか!
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