66. 2012年7月15日 10:41:12
: ephwJ3whVI
こういう不当な削除を続けていけば、この掲示板の信用はますます地に落ちていく。 35. 2012年7月14日 04:39:01 : S6lgDoYxwI
現状では技術的に原子力を代替できるのは火力だけです。そこで原発の再稼働を止めて、火力発電所で代替しようと気楽に思っている人がいるようですが、これがどれだけ多大な負担になるのかを考えてみましょう。 日本の化石燃料の総輸入額は、乱高下する原油価格などで大きく変動しますが、概ね上昇傾向で、年間20兆円程度になります。世界同時金融危機が起こる前は原油価格が史上最高値を付け、日本の化石燃料の総輸入額は30兆円に迫る勢いでした。ここでは化石燃料代を20兆円として計算を進めましょう。化石燃料の約4割が発電に使われます。日本の発電比率は大まかに言って、原子力3割、火力6割、水力1割です。原発をゼロにすると、火力が9割になるのだから、20兆円×0.4×(0.9-0.6)÷0.6=4兆円、となります。 また、火力発電のコストの内、燃料費は7〜8割程度です。つまり火力発電のコストはほとんど化石燃料代なのです。一方で、原子力発電では、ウラン核燃料費が発電コストに占める割合はたったの1割程度です。しかも原発を止めても、核崩壊により燃料は劣化していくので、ほとんどコストのセーブはできません。つまり耐用年数に達していない原発を止めるのは、丸損なのです。菅直人前首相の浜岡原発停止要請から始まった、日本中の原発が再稼働できないという状況は、ローンで買った自宅を空き家にして、賃貸マンションに家賃を丸々払って住んでいるようなものなのです。 原発を停止させれば安全性が高まるというのも誤解です。福島第一原発の4号機は定期点検中で原子炉の中は空であったにもかかわらず水素爆発を起こし、放射能漏れ事故を起こしていることからわかるように、原発を止めても必ずしも安全性が上がるとは言えないのです。 政治家やマスコミの反原発パフォーマンスで費やされるかもしれない年間4兆円の請求書は、福島第一原発事故の総賠償金額、日本の総防衛費に匹敵し、日本の生活保護費、民主党の子ども手当て支給額を大きく上回ります。しかも生活保護費や子ども手当ては、国内の富の移転ですが、化石燃料代は中東などにただ富が流出していくだけなのです。 これらのコストは電気代などに転嫁され、国民が負担することになります。急進的な脱原発は、年間4兆円もの負担が生じ、さらに電力不安で企業の生産が抑制されてしまい、多くの企業の海外流出を推し進めるでしょう。 使用済み核燃料は再処理されたり、中間貯蔵施設で温度が十分に下がるまで保管されます。そして最終的には、ガラスの中に固めてガラス固化体として処分されることになります。このガラス固化体は非常に強い放射線を放ち、とても危険な高レベル放射性廃棄物になります。この高レベル放射性廃棄物の処理をめぐって、さまざまな議論がなされています。 反原発運動家の人々がよく批判しているのが、高レベル放射性廃棄物に含まれる放射性同位体の中には半減期が数億年に達するものがあり、そんな半永久的に放射線を出し続けるものを、人間の都合で作り出していいのか、というものです。それでは、それが本当に大きな問題なのかどうか考えていきましょう。 まず最初に、このような半減期の長い放射性同位体は、実は自然界にありふれた存在だということを知っておくべきでしょう。 たとえばウラン235の半減期は約7億年ですが、逆にいえば、半減期が非常に長いので我々人類がすぐに取ることができる地表近くにまだたくさん「残っている」わけです。46億年前に地球が誕生した当初は、地表にマグマが噴き出し、さまざまな放射性同位体が存在したと考えられます。それが時間と共に徐々に少なくなっていったのです。 今では天然ウランの中に0.7%しか存在しないウラン235の濃度は何十億年も前はもっと高かったのです。そうするとウラン鉱の中でウラン235が偶然に適当な形に配置されると臨界が起こり、天然の原子炉が出来てしまいます。実際に、アフリカのウラン鉱などに、このような天然の原子炉の形跡が発見されています。ということは、原発から作り出される高レベル放射性廃棄物は、自然の中でも作られていたということです。 また、ウランというのは世界の海の中に45億トンも溶けていることが知られています。ウランが枯渇した後に、海中からウランを取り出す方法も盛んに研究されています。 天然の核融合炉である太陽から降り注ぐ強烈な放射線は地表に届く前に、その多くが大気により遮られますが、この地球表面のとても薄い大気層を抜けると、そこは放射線の降り注ぐ危険な世界です。宇宙飛行士は、被曝量をコントロールするためにさまざまな制限の中で活動しているのです。 また、地球内部に目を向けると、そこはまさに何十億年も熱を発し続ける使用済み核燃料そのものです。温泉などの熱源や地球上のダイナミックなプレートの動きは、地球内部の核崩壊により生み出されるエネルギーなのです。実際にマグマが固まってできたような地域は、自然放射線が他の地域より多くなります。 ソーラーパネルは太陽の核融合でできた光のエネルギーから電力を生み出しますし、地熱発電は地球内部の核崩壊のエネルギーを利用しているのです。実は人類が利用しているエネルギーのほぼ全てが元をたどれば天然の原子力なのです。 高レベル放射性廃棄物を考える時に、非常に重要なポイントは、その重量や体積などが他の産業廃棄物と比べて圧倒的に小さい、ということです。これは同じ質量のウランと石油や石炭などの化石燃料では、エネルギー密度が数百万倍違うという物理的な性質によります。 日本の巨大な電力産業で、その発電量の3分の1を担う日本の原発が排出する核燃料廃棄物の総量は年間1000トンほどです。日本で、化石燃料を燃やすことにより生み出される廃棄物は、CO2という気体だけで年間12億トンです。これは核燃料廃棄物の120万倍です。環境省によると、日本は様々な産業廃棄物を年間4億トンほど処理しなければなりません。核燃料廃棄物の40万倍です。 原発1基を1年間フル稼働(稼働率100%)させると、約30トンの使用済み核燃料が発生します。これは再処理を経て、最終的には半径20p、高さ1m程度の程度のガラス固化体30本ぐらいの量になります。原発1基というと、300万世帯分の電気を供給できます。これだけの電気を生み出して、廃棄物は小さな倉庫に収まる程度しか排出されない、というのは驚異的です。 先進国に住む人が一生の間に必要なエネルギーを全て原子力で補った場合に、ひとりが排出する核廃棄物は、なんとゴルフボールたった1個分なのです。これぐらいの廃棄物は、現代人はそれこそ数分ごとに排出しています。原子力とはそれほど廃棄物が少ない技術なのです。 実は、現在のところ世界で高レベル放射性廃棄物の最終処分場は本格的には、まだ始まっていません。高レベル放射性廃棄物は、使用済み核燃料の再処理施設や、中間貯蔵施設などに保管されています。これらの嵩は非常に小さいので、スペースの観点からいえば、保管場所に困ることは全くありません。 現在はコスト的な問題があり、使用済み核燃料から有用な物質を取り出し再利用することはあまり積極的には行われていません。しかし、たとえばビル・ゲイツなども私財を投資しているアメリカの第4世代原子炉の開発プロジェクトや、本当に化石燃料やウランが枯渇した時の切り札である高速増殖炉などで、現在の軽水炉による使用済み核燃料を再利用できるようになるかもしれません。技術革新を待っているとすれば、これら使用済み核燃料は人類にとって有用なエネルギー源になる可能性があるのです。それほど最終処分を急ぐ必要もない、というのが現状です。 フィンランドやスウェーデンなどでは、すでに最終処分場の用地を決定しており、2020年頃までにはガラス固化体の地層処分を開始する計画です。ガラス固化体を地下数百メートルの施設に埋めて完全に閉鎖します。これによって人間社会から完全に隔離します。 実は、昔は核燃料廃棄物は海洋投棄されていました。ロシアや中国などは、かなりの量を日本海に埋めたと言われています。これは感覚的には非常に大きな問題のように感じますが、海というのは非常に大きく、そこにはすでに莫大な量の放射性物質も溶けているわけです。また、ウランやプルトニウムというのは非常に重い原子なので海底深くに沈んでいきます。現在、海洋投棄はロンドン条約により全面禁止されていますが、それほど悪いアプローチではないでしょう。核燃料廃棄物は、その量が非常に少ないことから、過去に問題になった水銀や重油などの海洋汚染とは、また違う危険性なのです。ガラス固化体にして、頑丈な容器に入れ、海溝に沈めれば、やがてプレートといっしょに地球内部に巻き込まれていきます。国際的に厳しい規制のもとで、環境に十分配慮しながら、海溝にガラス固化体を沈める、というのはひとつのオプションとして残しておいていいのではないかと思います。 日本のように、自由に利用できる土地が少なく、政治的なコストも大きいのなら、ロシアや中国、モンゴルなどの、人間が住んでいない膨大な土地が余っている国と国際共同プロジェクトを組めば、ビジネスとしてWin-Winの関係を築くことも可能でしょう。 ところで、まさに廃棄物の観点から、地球環境保護運動のリーダーであるガイア理論で有名な地球物理学者のジェームズ・ラブロックは原子力を強力に推進しています。化石燃料から常に排出される廃棄物のひとつであるCO2による、将来の気候変動のリスクを非常に深刻に受け止めているからです。しかし人類は大量エネルギー消費社会を止めることは決してできません。大量のエネルギーの消費なしで、生きていくこともできない人口をすでに地球は抱えているからです。化石燃料によるエネルギーがなくなれば貧しくなる、というレベルの話ではなく、世界の人口の何割かがすぐに死滅するような問題なのです。 その中で唯一、気候変動リスクを低減させながら、エネルギーを供給できるのが原子力だと、ラブロックは考えています。しかし彼は原子力の科学的な利点を人々に理解してもらうことは非常に難しい、ということも認めています。そこでラブロックは「世界中の高レベル放射性廃棄物を自分の私有地に引き受けてもいい」と宣言することにしました。 彼は、イギリスの田舎の、小川が流れ、森が茂る広大な土地を購入して、そこで暮らしていますから、確かに「物理的には」嵩の小さい世界中の高レベル放射性廃棄物を本当に自宅に受け入れることは可能です。 反原発団体が、よくこの高レベル放射性廃棄物を理由に原子力を批判していますが、正直言って、何が問題なのかさっぱりわかりません。反原発団体は、何世代にもわたり危険な放射性物質を埋めておくのは、危険だと言いますが彼らの想定を聞いていると、何千の間に一国の文明が一時的に滅び、その後にやってきた子孫が発掘して被曝して癌になったら大変だということらしいのです。 百歩譲って、そういう可能性がゼロではないとして、数千年後に一人か二人が死ぬようなリスクを気にする前に、現に毎年100万人以上が大気汚染で死亡し、地球温暖化も引き起こしている、今そこにある化石燃料の危険性を考えた方がよほど建設的ではないでしょうか。 日本の原発の安全性の議論で、地震や津波対策ばかり話題になりますが、今回の強烈な東日本大震災でも、女川原発も福島第二原発も正常に停止し、女川原発は被災者の避難所になったぐらいです。 福島第一原発も地震に関しては、原子炉は正常に臨界停止したと言われています。しかし、津波により全ての予備電源がいっせいに機能しなくなるという事態が発生してしまったのです。それから全電源喪失という、原子力発電所にとって最悪の事態になってしまいました。その後は、冷却水を循環できなくなり、原子炉圧力容器の中の燃料棒が熱暴走し、非常に可燃性の強い水素気体を発生させ、それに引火して爆発してしまいました。結果を見た後に言うのはとても簡単なことですが、予備電源を原子炉建屋内など簡単に浸水しない所に設置しておけば、今回の事故は起こらなかったのです。 日本のような地震国では、地震そのものに対するテクノロジーというのはものすごく発達しています。東京であれほど超高層ビルが林立していますが、あの程度の地震ではまったく何ともありません。原子力発電所の設計でも、地震対策というのは、非常に注意深く行うので、そのように入念に準備しているリスクに対しては頑強なのです。 メディアは世界の自然エネルギーへの取り組みなどを紹介し、あたかも世界のエネルギー供給源のひとつになり得るかのように報道しています。特に太陽光発電は人気があるようで、原発をソーラーで置き換えるべきと主張する政治家も出てきました。 しかし、世界の総エネルギー消費のうち、自然エネルギーの占める割合は現在1.3%ほどです。その自然エネルギーの内訳は、風力が一番多くて、全体の0.7%ほどです。エタノールなどのバイオ燃料は半分近くの約0.5%を占め、ソーラーはエネルギー消費全体の約0.1%ほどになっています。資源エネルギー庁の資料によれば、日本では太陽光発電、太陽熱利用、バイオマス直接利用、風力発電、地熱発電などを全てを足しても、これら自然エネルギーは日本のエネルギー消費全体の0.3%ほどにしかなりません。 まず、これが現状だということを知っておく必要があるでしょう。原子力や化石燃料を自然エネルギーで置き換えていくと簡単に考えるのは、どれほど楽観的に見ても、前途多難だと言えるでしょう。 自然エネルギーは環境にやさしい、と思われがちですが、残念ながらいくつかの環境破壊を引き起こしてしまうのも事実です。 風力発電では、低周波による騒音や、風車が周期的に太陽光を遮るストロボ効果による周辺住民への健康被害、野鳥を風車が撥ねてしまうバードストライクなどがよく知られています。 太陽光発電も環境破壊とは無縁ではありません。菅直人前首相が国際公約してきた日本のソーラー1000万戸計画ですが、有毒物質を多数含む蓄電池を、管理の行き届かない1000万戸もの一般家庭に取り付けるというのは、電池の寿命や、故障した時の産業廃棄物の観点から言えば、非常にやっかいな問題になるでしょう。 ソーラーパネル自体は、現在、シリコン系とカドミウム・テルル系の2種類が主流ですが、いずれにしても寿命が来れば大量の産業廃棄物を生み出します。特にカドミウムは、日本の4大公害のひとつであるイタイイタイ病の原因物質であり、強い毒性があります。また、蓄電池には、希少な金属が多数使われており、これらの資源の問題もあります。 風力や太陽光は、発電コストの点で火力や原子力に太刀打ちできませんが、地熱に関しては火山国のアイスランドが、その豊富な地熱資源を利用して経済的にも成り立つ電気エネルギーを生み出すことに成功しています。アイスランドでは豊富な地熱を利用して、大量の電気を消費するアルミニウムの精錬工場を誘致しているほどです。しかし、日本の場合、地熱発電に適する場所が温泉街と重なってしまいます。やはり温泉の良質や、湯量への影響などが心配されます。温泉で生計を立てている地元住民の了解を得て、地熱発電所を建設するのは非常に困難でしょう。日本では、用地買収や地元の説得など、原発建設と同じような困難があると言ってよいでしょう。 太陽光や風力のような自然エネルギーはアクシデントがなくても、より多くの土地を消費してしまいます。これは太陽光や風力は空間に漂う非常に低密度のエネルギーを利用しなければいけないという、どうしようもない物理的な限界のためです。この極めて小さいエネルギー密度が、自然エネルギーが世界で普及しない最大の理由なのです。太陽光や風力は、同じ面積、あるいは同じ体積から搾り取れる電気エネルギーが、極めて少量のウラン核燃料から莫大な電気エネルギーを作り出せる原子力と比べて、極端に小さいのです。このエネルギー密度という概念が、エネルギー源の経済性を考える上で非常に重要になります。 100万KW級の原子炉1基を太陽光発電で置き換えた時に必要になる面積は約67㎢(山手線の内側面積とほぼ同じ)、原子炉1基を風力発電で置き換えた時に必要になる面積は約248㎢(山手線の内側面積の約3.7倍)となります。また、原子力発電所は原子炉を3〜5基程度併設するのが普通なので、実際には日本の標準的な原子力発電所を置き換えるには、さらにこれの3〜5倍程度の土地が必要になります。しかも発電できるのは、ソーラーは天気のいい昼間だけですし、風力は風が吹いている時だけです。 原子爆弾を想像してもらえば容易に理解できますが、核エネルギーの圧倒的なエネルギー密度と、日常生活の中で我々が直に接している太陽光や風力との違いが如実に表れてしまうのです。そしてこれは物理的な限界なのであって、多少発電効率が上がったところで解決しないのです。 なぜならばエネルギー保存則という物理学の絶対的な法則があり、太陽光や風力の持っている光や風のエネルギー以上の電気エネルギーは絶対に生み出せないからです。つまり発電効率は100%を超えることは絶対にあり得ず、エネルギー密度が低い太陽光や風力を利用する限り自ずと限界があるのです。実際のところエネルギーは熱のような質の低いものにどんどん変わっていってしまうという熱力学の第二法則により、発電効率は30%に達するのも極めて困難です。 よく「これだけの太陽光発電施設や風力発電施設を作れば全ての原発を置き換え可能」などといった自然エネルギーをアピールするキャッチ・フレーズを見かけますが、少々、誤解を招く表現だと思います。太陽光や風力は文字通り「天気まかせ」「風まかせ」の発電方法なので、当然ながら気象条件に左右されます。現状では大きな電力を蓄えることが可能な蓄電池は現実的なコストで作ることが出来ないので、電気というのは、需要に合わせてうまく発電して供給していくしかないのです。 自然エネルギーは、必然的に火力発電や原子力発電と組み合わせる必要があるのです。つまり自然エネルギーだけで全ての電気を供給することは出来ないのです。夜には全く発電しないソーラーパネルを考えれば明らかでしょう。 電力供給とは、刻一刻と変化する電力需要に対して、様々な電力源を活用して需要よりもわずかに大きい電力供給を正確に実行していく、高度な制御技術なのです。つまり、次の式を満たすように発電設備を設計しなければいけません。 電力需要の最大値<発電キャパシティーの最小値 発電能力は、その平均値や最大値ではなく、むしろ最小値で評価されてしまいます。この点から、安定した供給が出来ない自然エネルギーの利用はとても難しいのです。現実には、不安定な電源は、利用するコストが非常に高ので、日本では風力発電などで作られた電力は補助金だけ払ってそのまま捨てているのが現状です。また、ヨーロッパ諸国など、自然エネルギーの育成に積極的な国では、こういった不安定な電源の性質を補うために、空焚きした火力発電所のバックアップが必要になり、かえってCO2の排出量が増加したという報告もあります。 2006年11月、ドイツなどの風力発電設備からの電力供給が予測から大きくズレたため、送電網に大きな負担がかかり、欧州の1500万世帯にも及ぶ、欧州大停電を引き起こしています。その後、風力や太陽光の不安定な電源を扱うため、欧州では送電網のスマート化に多大な投資を続けています。スペインなどは、風力発電の割合が高く、発電量が急激に上昇しそうな時は、直ちに送電網から切り離し、陸続きのフランスから電力を引き入れるというような、綱渡りのオペレーションを続けているのです。非常に低いエネルギー密度と、この不安定さが、自然エネルギーの普及を大変難しくしているのです。 また、世界の海では多数の原子力潜水艦が核ミサイルを搭載しながら日夜航行しています。これらは数十年間も、燃料補給をせずに航行を続けます。東日本大震災ですぐさま救助に駆けつけたアメリカ軍の空母、ロナルド・レーガンは原子力空母です。世界中でこのような原子力空母が航行しています。 原子力発電の危険性を語ることで生計を立てている評論家の方々は、原子炉内部の核燃料が制御不能になると、原子炉を溶かして突き破った核燃料が、水を一気に蒸発させ、圧力が急激に高まった格納容器を水蒸気爆発させ、放射能汚染された死の灰が首都圏に降り注ぐと言っていました。しかし格納容器には良くも悪くも、そのような密閉性はなく、水蒸気の圧力で大爆発することは考えられません。今回の福島第一原発の事故は、全電源喪失という最悪の状況ではありましたが、そのような大参事にはなりませんでした。 潜水艦や艦船など、世界では苛酷な環境で原子力技術が使われているのに、日本では地震があるから原子力発電所を建設できない、と現時点で決めてしまうのは、技術立国日本としていかがなものかと思います。新興国を中心に今後も世界は原発を作り続けるのですから、日本は今回の事故の経験を生かし、世界の原子力技術の安全性の向上にこれからも貢献していくことが責務でしょう。 |