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形だけ?の国民的議論 14日から原発比率聴取会
2012年7月11日 朝刊(東京新聞)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2012071102000115.html
将来の原発比率をどうするか、政府のエネルギー・環境会議が全国各地で国民から意見を聞く会が十四日から始まる。
「国民的議論を礎」にすると言いながら、時間はわずか一時間半で、
意見を言えるのは各会場でたった九人だけ。
「議論」というにはあまりにお粗末な内容だ。九月の民主党代表選前に結論を出そうとする政府の拙速さだけが目立つ。
今週末からの三連休は、さいたま(十四日)、仙台(十五日)、名古屋(十六日)の三市で意見聴取会が開かれる。
出席したい人は十一日夕までに申し込みが必要だが、十日夜の段階で、まだ開催時間が決まっていない。
エネ環会議事務局に問い合わせると「内閣官房、経済産業省など各省庁からどの政治家が出席するかを調整中のため、時間が確定できない」という。国民の声を聞くのが目的のはずなのに、政治家の都合が優先される。
もっと問題なのは、聴取会の内容だ。時間が一時間半と短い上に、
まずは政府側が二〇三〇年までに原発比率を(1)0%(2)15%(3)20〜25%−とする三つの案を説明し、
その後、案ごとに事前に抽選で選ばれた三人、計九人しか意見を言えない。質疑応答の時間もない。
各会場とも最大二百人が参加できるが、残る人には発言の機会はなく、配られるアンケート用紙に記入することしかできない。事務局の担当者は「会議をむだに長くしないためだ」と説明する。
政府は八月五日の那覇会場を最後に意見聴取会を切り上げ、八月中に原発比率をはじめ新たなエネルギー方針を決める考え。
原発とどう向き合うかは最重要テーマの一つで、全国で意見を聞いたという形だけ整えるのでは「ガス抜き」と評されても仕方がない。
政府関係者の一人は「野田佳彦首相らは、民主党内が割れる可能性があるので、九月の代表選で原発が争点になるのを避けている」と、事実上、国民不在で進んでいる状況を明かした。
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