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福島原発事故は明らかに人災とした国会事故調報告書のポイントは「津波でなく地震が原因の可能性あり」 - Everyone says I love you !
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2012-07-05 21:51:04
東京電力福島第1原子力発電所の事故原因などの解明に取り組んできた、国会の原発事故調査委員会は、2012年7月5日、報告書をまとめ、衆参両院の議長に提出しました。
この報告書について、見出しで
「明らかに人災」原発事故で国会事故調 菅元首相による混乱も指摘
のように明らかな誤導をしているマスメディアがあります。
事故調が使った「人災」という言葉は、福島原発事故は地震や津波で不可抗力的に起きた天災ではなく、防げたのに防ごうとしなかった原子力ムラに原因があるという意味でつかわれています。
つまり、国会の事故調は、今回の事故について、歴代の規制当局と東京電力の経営陣が、それぞれ意図的な先送り、不作為、または自己の組織に都合のよい判断を行うことによって、安全対策が取られないまま3月11日を迎えたことで発生したのだから、何度も事前に対策を立てるチャンスがあったことに鑑みれば、今回の事故は「自然災害」ではなく、明らかに「人災」であるとしているのです。
人災の意味が違うのです。
当たり前のことですが、事故原因を事故当時の菅内閣のせいにできるわけがなく、「人災」とは、もちろん歴代自民党内閣の原発推進政策と、経産省原子力・安全保安院や原子力安全委員会、そしてもちろん東京電力にあるとしているのです。
もちろん、この報告書では、事故当時の総理大臣官邸の対応について、発電所の現場への直接的な介入が現場対応の重要な時間をむだにするだけでなく、指揮命令系統の混乱を拡大する結果となったなどと指摘していますが、それは事故の被害拡大についての論及に過ぎません。
今回の事故は、菅内閣の人災なのだというような世論形成は、原発推進勢力の温存のための報道と言わざるを得ません。
(国会事故調査委員会ホームページより)
さらに、この報告書の勘所は、福島原発事故原因について津波ではなく地震である可能性があるとはっきり述べたことです。
2011年5月16日に東京電力が初めて公表したデータによると、1号機の原子炉冷却用復水器が本震からわずか10分、津波到達前30分前にもう停止してしまっていたことがわかりました。
1号機では地震が発生して間もない3月11日夜に原子炉建屋内が高い放射線量になっていたことが分かっています。つまり、津波による電源喪失による損傷以前に原子炉圧力容器などの原子炉の重要な設備が損傷していたのではないかという疑いがあります。
福島原発事故 冷却機能停止→炉心溶融・メルトダウン 原因は津波ではなく地震 受電鉄塔倒壊と復水器停止
ところが、東京電力が6月にみずからまとめた最終の調査報告では、 「想定を超える津波」が主な原因だとして、安全上重要な機器への地震の影響はなかったとしています。
物言えぬ入院中の吉田福島第1原発前所長に責任を押しつける東京電力の事故調査報告書
つまり、地震が原因だとすると全国の原発で存在が許される原発一つもなくなってしまうから、電力会社と原発推進勢力は、なんとか歴史的な津波による被害ということに押し込めようとしているわけです。
これに対し、国会の事故調査委員会は、専門機関の解析や、当時の運転員の操作状況などから、
「福島第1原発は地震にも津波にも耐えられる保証がない脆弱(ぜいじゃく)な状態だったと推定される」
「東電や原子力安全委員会などは地震や津波による被災の可能性、シビアアクシデントへの対策、住民の安全保護など当然の備えをしていなかった」
として、原発の構造的問題を電力会社も規制機関も見過ごしにしたことが事故の背景にあるとしています。そして、原発事故の原因について、津波の到達時間などを検証した結果、
「安全上重要な機器への地震による損傷がないとは確定的に言えない」
として、調査や検証といった実証なしに津波だけに原因を限定すべきではないとしているのです。
特に1号機については、原子炉の圧力を下げる弁の作動状況などから小規模な配管破断などが起きて原子炉の水が失われる事故が起きるなど、地震による損傷があった可能性は否定できないと指摘しています。そのうえで、未解明の部分が残っており、引き続き第三者による検証が行われることを期待するとしています。
(国会事故調査委員会ホームページより)
福島原発事故は日本のどこの原発にも起きうる地震で起きた可能性がある。
そして、事故の責任はそのような状態を放置して原発を推進してきた歴代政権や経産省や電力会社など原子力ムラにある。
それが国会の事故調査委員会の結論です。
事故調はそう言っていると、マスコミは国民誤解を与えないように報道するべきです。
真実を伝えないマスメディアは原子力安全神話を支えた今回の事故の共同正犯です。事故調のせっかくの報告をゆがめて報道したり、脱原発デモを矮小化して伝えたりせず、次の原発事故と放射能被害を防ぐために=せめてもの罪滅ぼしとして、自分たちにできること=事実の報道をすべきなのです。
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