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2012/6/29 20:22
フクシマウォッチ:大飯原発は政府の主張通り、地震に対して安全なのか?
日本外国特派員協会で記者会見する石橋克彦神戸大名誉教授(東京、26日)
2人の著名な地震学者は、再稼働準備中の関西電力大飯原子力発電所の2基の原発は、――少なくとも地震に対する安全性の観点からは――安全性が完全に検証されていないと主張している
地震学者の神戸大学の石橋克彦名誉教授(地震学)と東洋大社会学部の渡辺満久教授(変動地形学)は26日、大飯原発の潜在的危険性および現時点での原発の安全性評価の落とし穴について会見した。
大飯原発が位置する若狭湾沿岸の安全性に関する政府の判断は、海底に2つの活断層があり、同原発は地震が起きても持ちこたえるための必要な全ての措置を取っているとの仮定に基づいている。
しかし、石橋名誉教授は、同地域の断層が生み出す地盤移動の力を過小評価していると主張する。日本外国特派員協会での26日の記者会見で、同名誉教授は近くに第3の活断層が存在する可能性があるとの見方を示した。石橋名誉教授は、これら3つの断層が全て同時に動く場合、政府の予想を上回る揺れが生じる可能性があるとの見方を示した。
また、渡辺教授は大飯原発周辺地域の3つの断層が結びついている可能性があると指摘し、その線にそって連鎖反応が起こる可能性も否定できない、と語った。そうなれば、この地域でより大きな揺れが起きる可能性が著しく高まることになる。
断層とその危険性に関するこれらの学者の見方はなぜこれほど政府の見方と違うのか。
その答えとして、渡辺教授は争点となっている大飯原発の敷地内を走るF-6断層(破砕帯)の例を指摘した。関西電力はこの断層の構造に関する2つの地質学的図面を、原発建設の許可を最初に申請した1980年代に作成し、当局に提出した。この断層の南東部側の図面では何も示されていないが、北西部側の図面では活動の可能性が示唆された、と渡辺教授は述べた。さらに、渡辺教授によると、関西電力は断層が活断層かどうかを最近判断した際に、規制当局の原子力安全・保安院(NISA)に南東側の図面だけを提出した。
渡辺教授は、(原発について)判断した“専門家”の専門性と中立性には大いに疑問がある、と語った。同教授は、政府は大飯原発の再稼働を決める前に一層の調査を行うべきだったとの見方を示した。両教授はともに、政府および電力各社は原発の耐震安定性について調べるために外部の独立系専門家を採用すべきだと主張した。
関西電力の広報担当者は、同社が南東側の図面だけを提出したことを確認したが、もう一方を隠す意図はなかったと述べた。同広報担当者はJapan Real Time(JRT)に対し、「設置許可申請書における評価を示す一例として」、同社はこの図面を提出したと明らかにした。さらに、関西電力は政府の新安全指針の下、2010年に同社のデータを再度調査し、断層は12万〜13万年にわたり活動がないと結論したと続けた。
NISAの広報担当者は、現在は同地域ではその上にビルが建設されていることから、この断層のさらに最近の図面については入手していないと説明した。同担当者はJRTに対し、NISAは引き続きこの問題を調査しており、関西電力にこれらの図面が最初に作成された当時の写真を提出するよう求めていると明らかにした。関西電力はこうした写真は既に存在しないと話しているが、NISAは再度確認するよう求めているという。
記者: Yoko Masuda
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