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6月28日【内容起こし】小出裕章氏:1号機トーラス室の10.3シーベルト「作業自身を断念の可能性も」、原発危険度ランキング「大飯1・2号機は『圧倒的に』格納容器の強度が低い」@たね蒔きJ
http://bochibochi-ikoka.doorblog.jp/archives/3470963.html
2012年06月28日23:58 ぼちぼちいこか。。。
20120628 たね蒔きジャーナル 京都大学原子炉実験所助教 小出裕章
【以下、お時間の無い方のために内容を起こしています。ご参考まで】
(千葉氏)今日は毎日新聞論説員の近藤しんじさんと一緒にお話を伺います。
では早速なんですが、まず東京電力が昨日福島第一原発1号機の原子炉建屋地下の放射線量が、毎時最大10.3シーベルトだったと発表しました。それについて、リスナーの方から質問が来ております。神奈川県にお住まいの方。
『福島第一原発1号機の地下で毎時10.3シーベルトが観測されたそうです。メルトダウンしたのだからそうだろうなと思うのですが、小出さんはこの数値、どのようにお考えになりますか?』
という質問なんですが。
(小出氏)はい。まぁ、今ご質問くださった方のおっしゃるとおりで、既に炉心が溶け落ちてしまっているわけですから、その程度の値は十分出ますし、多分もっともっと高いところもあると思います。
(千葉氏)あの、改めてお伺いしますけど、毎時10.3シーベルトというのは、ミリシーベルトに直すと1万300ミリシーベルト。ということは、これを人間が浴びたらどうなるんでしょうか?
(小出氏)1時間当たりの被曝量になっているわけですが、人間というのは8シーベルト被曝をしますと全員死んでしまいます。ですから、その場所にもし1時間、まぁ1時間弱居れば、全ての人は死ぬという、それほどの被曝量になります。
(千葉氏)この量というのは、法律が一般の人が1年間に浴びる限度としてる1ミリシーベルトの・・・
(小出氏)10,000倍ですね。
(千葉氏)・・・それだけ高い数値が出たということなんですけれども、この数値はですね、トーラス室というところで計測されたということなんですが、ここはどんな場所なんでしょうか?
(小出氏)格納容器というものは、ドライウェルという理科のフラスコのような形をしているものと、サプレッションチェンバーと私たちが呼んでいるドーナツのようなもの、トーラスと呼ぶ時もあるのですが、その二つが繋がった状態で格納容器というものを構成しているのです。トーラス室というのは、そのドーナツ状のトーラス、或いはサプレッションチェンバーと呼んでいるものが格納されている地下室です。
http://livedoor.blogimg.jp/tokiko1003/imgs/1/5/15d90f2a.jpg
(千葉氏)あの・・・その場所にこれから入らなきゃいけないというようなことも出てくるかと思うんですが・・・このままではとても無理・・・ですね?
(小出氏)とても無理です。
(千葉氏)この数値というのは、将来下がるんでしょうか?
(小出氏)基本的に下がりません。
(千葉氏)え、ということは、これから何年経っても、何十年経っても、何百年経っても、この場所に人が近づいて廃炉作業というのは出来ないということですか?
(小出氏)人間が行くことは多分できないと思います。
(千葉氏)はぁ・・・。となると、将来ロボットか何か開発して、近づかないようにして廃炉作業を進めていかなければいけないということですか?
(小出氏)大変難しい作業になると思いますし、作業自身を断念しなければいけない可能性も高いと思います。
(千葉氏)あぁ・・・。え、断念するということになると、もうそのまま・・・
(小出氏)はい。そのままチェルノブイリ原子力発電所の事故の時にやったように、トーラス室を含めて原子炉建屋全体を石棺という形で封じ込めるということになる可能性があると思います。
(近藤論説員)小出さん、今回こういう高い値が出たんですけど、これはある局部だけ出たというよりは、その辺り一帯は同じような値と考えたほうがいいんですか?
(小出氏)むしろもっと別のところに行けば、もっと高いところがあると私は思います。たまたまその場所がその値だったというだけで、若干低い所もあるでしょうし、もっと高いところもあると思います。
(千葉氏)これくらいの数値が出ているところというのは、本当に今の段階ではどうしようもないというような状況なわけですね。
(小出氏)そうですね。人間が行くということは、少なくとも全くできません。
(千葉氏)うーん・・・。はい。判りました。
続いてはですね、朝日新聞が伝えるところによりますと、与野党の超党派議員で作る原発ゼロの回が全国に50ある原発の危険度ランキングというのをまとめたということなんです。年数や炉のタイプ、耐震性や地盤状況、周辺人口などを含めて評価したということなんですが、実は上位には福井県にある原発がずらりと並んでまして、1位から6位までが全て福井県にある原発でして、
1,2位が大飯原発1号機、2号機、
3位が敦賀原発1号機、
4位が美浜2号機、
5位が美浜1号機、
6位が美浜3号機
ということになってるんですが、小出さん、これだけ福井県の原発が上位に並ぶというのはどういうわけなんでしょうか?
(小出氏)敦賀と美浜の1号炉は今現在現存してる日本最古の原発ですから、当然上位に入ってくるでしょうし、美浜2号機も美浜3号機も比較的早い時期に動き出している原子力発電所ですので、危険なところ・・・危険ランキングで言えば上位に入ると思います。そして、若狭湾は今地震、或いは活断層という問題が出てきていますので、それが評価されたのではないかと私は思います。
詳しくその評価のやり方を知りませんので何ともいえませんが、多分そうだろうと思います。
大飯1号機と2号機というのは、非常に特殊な実は原子炉でして、世界的にも多分10基無いんじゃないかと思うくらいの特殊な構造をしているのです。格納容器というのは放射能を閉じ込める最後の防壁なのですが、例えば昨年事故になった福島第一原子力発電所の1号機から4号機では、格納容器の設計耐圧は約4気圧あります。若狭湾にある関西電力の原子力発電所、加圧水型といってるものも、基本的には2.5気圧くらいあると思いますし、大飯3号機、4号機は4気圧の設計耐圧があります。しかし、1号機と2号機だけは、0.84気圧しか設計耐圧が無いのです。簡単に壊れてしまうという、そういう格納容器を使っていまして、もし格納容器が壊れれば、放射能の防壁が一切無くなってしまいますので、大変危険が大きいと考えなければいけません。
(千葉氏)格納容器自体の強度が他の原発と比べると非常に低いということですか?
(小出氏)『圧倒的に』低いのです。
(千葉氏)へぇ・・・。あ、それでこんなに危険度が高くなってるわけですか。
(小出氏)大飯1号2号を危険度ランキングで上に上げるとすれば、多分それだと思います。
(千葉氏)あの、なんで?またそんなに(設計耐圧が)もともと低い状況になってるわけですか?
(小出氏)その当時の大飯1号機2号機を作った頃の設計思想の反映だと思いますが、原子炉が溶けたりすると大量の蒸気が噴き出してくるのですが、それを格納容器の中に大量の氷をあらかじめ入れておきまして、氷で蒸気を冷却して圧力が高くならないという、そういう設計だったのです。アイスコンデンサと私たちは呼ぶ、非常に特殊な設計で大飯1号2号機は作られました。
(千葉氏)でも、それが判った時点で、例えばそれを補強するだとか、もう少し強めるとかそういったことというのはされてないわけですか?
(小出氏)もう今更できないと思いますし、もともと大飯1号機2号機も米国のウェスティンハウスという原子炉メーカーが作ったのですけれども、ウェスティングハウスもやはり「この設計はまずい」ということで、そのアイスコンデンサ式の格納容器は、すぐに姿を消してしまったのです。
ですから、大飯1号機2号機は世界的にも特殊な格納容器の設計耐圧が低い原子炉になっています。
(千葉氏)はぁ・・・。
(近藤論説員)小出さん、大飯3号機と4号機ですね。これはまさにこれから再稼働という段階なんですけども、これを見ますと26位とかなり低いんですけれども、1号機2号機と3号機4号機、これはまた違う設計なんですか?
(小出氏)今聞いていただいたように1号機2号機はアイスコンデンサという非常に特殊な格納容器になっていますし、3号機4号機はまた元に戻りまして、通常のPWR型の格納容器になっています。そして更に格納容器の設計耐圧が通常は2.5気圧くらいのものを、大飯3号機4号機は確か4気圧まで高めていたと思います。
(千葉氏)じゃあ同じ原発の中にある原子炉といっても、1号機2号機と3号機4号機とでは、やっぱり大きく違っているものがあるということなんですね。
(小出氏)そうです。その時代、時代の設計を反映してしまいますので、同じ大飯の原子炉といっても全く違う原子炉なのです。
(千葉氏)はぁ。
(近藤論説員)その1号機2号機、この補強といいますか、何か改めて工事するという、そういうことはできないんですか?
(小出氏)格納容器というのは大変巨大な建屋ですので、それをもし補強しようと思うと膨大なお金がかかってしまいますし、多分できないだろうと私は思います。
(千葉氏)判りました。小出さん、どうもありがとうございました。
(小出氏)ありがとうございました。
【以上】
【関連記事】
原発危険度「1位は大飯1・2号機」 議員がランク付け
2012年6月28日11時30分
原発に依存しない社会をめざす与野党の超党派議員で作る「原発ゼロの会」が、全国に50基ある原発の危険度ランキングをまとめた。廃炉に向けた法整備や立地自治体対策も提言。ドイツのように危険度の高い原発から順に廃炉にすることを促す活動を展開していく。
原発ゼロの会は、民主党の近藤昭一、自民党の河野太郎、社民党の阿部知子の各氏ら7党9人の国会議員で構成する。危険度ランキングは、政府の総合資源エネルギー調査会基本問題委員会の専門家の助言などを踏まえて評価。28日に正式発表する。
経過年数や炉のタイプなどに5点、耐震性や地盤状況に3点、周辺人口に2点をそれぞれ配分し、計10点満点で評価。30年以上たった古い炉が多い関西電力の原発が上位に並んだ。
http://www.asahi.com/politics/update/0628/TKY201206270777.html
原発危険度:24基「即時廃炉」 超党派議員がランキング
毎日新聞 2012年06月28日 23時00分(最終更新 06月28日 23時04分)
超党派の国会議員で作る「原発ゼロの会」は28日、全国の原発50基を経過年数や地盤の状況、周辺人口などで採点した「原発危険度ランキング」を発表した。危険度が最高だった日本原子力発電敦賀原発1号機(福井県)など24基は過去の地震で被災したり、活断層上に立地していることから、点数に関わらず「即時廃炉にすべきだ」と位置付け、残り26基を危険度順に並べた。
NPO法人「原子力資料情報室」や原子力安全・保安院などの情報提供に基づき、
▽原子炉(炉型、経過年数、事故率など=配点6)
▽地盤など(耐震性、地盤状況=配点5)
▽社会環境面(周辺人口、事業者への行政処分の実績=配点4)
−−の3分野9項目から、15点満点で評価したという。
「即時廃炉」の24基のうち、敦賀1、2号機や菅直人前首相の要請で停止中の中部電力浜岡原発3〜5号機(静岡県)は「活断層上にある」ことが理由。東京電力福島第1、第2原発(福島県)、東電が13年度以降の再稼働を目指す柏崎刈羽原発1〜7号機(新潟県)などは、東日本大震災や07年の新潟県中越沖地震で被災したため「再稼働は危ない」と判定した。
http://mainichi.jp/select/news/20120629k0000m010100000c.html
10年間の運転延長が認められた関西電力美浜原発2号機(福井県)も、91年2月に緊急炉心冷却装置(ECCS)が作動する事故があったことから、即時廃炉を主張した。
「順次廃炉」を求める26基のランキングでは、関電大飯原発1、2号機(同)が地盤の危険度が満点の5となるなど、計10.75で1位。運転開始から40年が経過した美浜1号機は原子炉の危険度が4.6などで3位となった。政府が再稼働を決定した大飯3、4号機は12位だった。
同会は民主、自民、公明、みんな、共産、社民、新党きづなの7党の衆参議員10人で構成。山内康一衆院議員(みんな)は「ドイツのように危険な原発から順に廃炉とする発想で、脱原発を考えるたたき台にしたい」と説明した。【笈田直樹】
http://mainichi.jp/select/news/20120629k0000m010100000c2.html
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