01. 2012年6月27日 06:41:53
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http://franceneko.cocolog-nifty.com/blog/「福島原発事故による癌の発生は少数。たとえ発生しても関連は証明不可能」/国連科学委員会・ネイチャー(5月23日) 1986年に起きたチェルノブイリ原発事故の際、世界保健機構(WHO)や国際原子力機関(IAEA)といった国連機関は、英語による限られた文献にのみ基づき、被曝による犠牲者を約4千人と推定しました。今日、米国科学アカデミーは現地語による5千以上の文献を参照し、犠牲者を100万人以上と推定しています。 福島原発事故では、事故直後の被曝データの多くが測定を行なわないことによって失われました。チェルノブイリの間違いを繰り返さないために、被害者への補償を保障するために、私たちは何をすべきでしょうか。そして未来の事故のために、どのようなデータの収集体制と分析手法が考えられるのでしょうか。医療者、疫学者を含めた科学者の倫理が問われています。 。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。 「福島原発事故で放射性物質にさらされたことによる癌の発生は少数にとどまり、癌が発生した場合にも、その原因は決して解明されないだろう。」 「原子放射線の影響に関する国連科学委員会」(UNSCEAR、注)と世界保健機構(WHO)は福島原発事故で被ばくした市民および原発作業員の被ばく量を分析、このように結論した。これらの機関による2冊の報告書案は5月末にウィーンで開かれるUNSCEARの年次会合で議論され、最終案を2013年の会合で承認する予定。UNSCEARの報告書作成にかかわった科学者達は、この一年で高まりつつある放射性降下物への恐怖を一掃するのに、この報告書が役立てば、と期待している。 UNSCEARが作成した報告書は、ネイチャー誌にのみ事前に公開された。UNSCEARによれば、福島原発で作業を行っていた原発作業員のうち167名が100mSv以上の被曝を受けており、うち6名は250mSvの被曝、第三号機と第四号機の制御室にいた2名の作業員は600mSv以上の被曝を受けた。しかしUNSCEARによれば、これら作業員が癌にかかる確率は、被ばくにより多少上昇した程度だと言う。WHOは政府が定める被ばく上限を超える被ばくを受けた市民がいたことを報告している。浪江町にいた乳児は高度の放射性ヨウ素131にさらされ、甲状腺に100〜200mSvの被曝を受けた。この子どもは甲状腺癌になる確立が通常より高まったと言える。 UNSCEARのウォルフガング・ヴァイス議長は次のように述べている。 「健康へのリスクがあるとすれば、大量の放射能を浴びた作業員に問題が生じるだろう。しかしこれらの作業員にしても、たとえ将来癌になってもその原因が今回の事故に(因果関係によって)関連づけられることは決して無い。日本のような先進国ではもともと癌になる率が高く、今回被ばくの被害を受けた関係者は少数にとどまるからだ。」 福島医学大学で教授を務める山下俊一教授は今回の調査結果を福島原発事故による被害者のストレスを和らげるのに役立つだろうと考えている。他方、東京大学アイソトープ総合センター長をつとめる児玉龍彦教授は今回の報告書の質を疑問視し、次のように述べている。 「国際機関は、現地で何が起きているかを理解するにはあまりにも短い日本への訪問に基づいて、性急な報告書の作成を行うことを慎むべきだ。」 (抜粋、要約) (注)国連科学委員会の報告書は国際放射線防護委員会(ICRP)の基礎資料として使用されている。ICRPはイギリスの民間団体。その勧告は、日本政府が福島原発事故の発生後に設定した被ばく量の上限、年間20mSvの根拠とされている。 ●ネイチャー誌によるオリジナル記事(英語です) (Geoff Brumfiel, “Fukushima’s doses tallied”, Nature, 2012.05.23) http://www.nature.com/news/fukushima-s-doses-tallied-1.10686 ●ネイチャー誌による記事の和訳はこちら(片瀬久美子さんのブログから) http://d.hatena.ne.jp/warbler/20120604/1338777534 ●参考:ジャパンタイムスによる報道(英語です) “Radiation didn’t cause Fukushima No.1 deaths: U.N.”, The Japan Times, 2012.05.25 http://www.japantimes.co.jp/text/nn20120525a2.html#.T-W2QXjwjgE
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