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6/24 縦割り体質が事故へ影響 原発再稼働は性急@核心
http://blog.livedoor.jp/ryoma307/archives/6341812.html
東京新聞 2012年06月24日 Nuclear F.C : 原発のウソ
東京電力第一原発で一九九七〜二〇〇〇年に所長を務めた二見常夫東京工業大学特任教授(69)が本紙のインタビューに応じた。本店が現場に対し、1号機原子炉への海水注入の中断を指示したことを「考えられない」と批判した。
事故の背景には、東電の縦割り体質が影響した可能性を指摘。「事故の教訓を反映すべきだ」として、原発の性急な再稼働には疑問を呈した。(聞き手・森本智之記者)
森本記者:原発事故で、今思うことは。
二見氏:こんなに大きな事故が起こるとは思わなかった。私は第一原発に九年、第二に三年勤め、福島は第二の故郷。その時に支援してくれた地元の人が厳しい避難生活を送っている。被害を受けた方にお詫びしたい。それを一番に言いたい。
森本記者:東電が発表した社内の事故調査委員会の報告書では、自らの責任棚上げが目立つ。
二見氏:1号機への注水中断の指示は考えられない。水でも海水でも入れて、冷やさなきゃならない。官邸が何と言おうと、議論の余地はない。震災当日の菅直人首相(当時)の現場視察も、菅さんに怒られたって『絶対ダメです』と本店が言うべきだった。現場を守らなきゃならないのにガタガタしてしまった。本当に残念だ。
森本記者:事故が起きた原因をどうみるか。
二見氏:プラント内はやり過ぎなくらい安全対策を行った。しかし、地震や津波といった外部要因への備えが足りず、電源、除熱機能、冷却のための水源の三つを失った。それが事故の拡大につながった。
森本記者:特に電源喪失が問題視されている。
二見氏:日本では送変電・配電の信頼性が高く、各家庭を含めた平均停電時間は三十分に満たない。だから原発では三十分以内の全交流電源喪失を考えればよいと信じていた。だが、事故後に調べると一九九一年は台風の影響で平均停電時間が百六十九分、二〇〇四年も同様に八十八分に達していた。実際は自然災害に弱かった。今回は原発への送電設備が地震で壊れた。耐震性は通常の設備と同じだったが、強化しておくべきだった。
森本記者:なぜプラント外の対策が遅れたのか。
二見氏:東電では津波、地震の想定を土木部門が担い、外部電源の停電時間は工務・配電部門がデータを出す。原子力部門は与えられたものを合わせて設計しており、データに対し口を出さなかった。縦割りの弊害といわれても仕方がない。部門間の議論があまりなかった。
森本記者:津波対策も不十分だった。
二見氏:三陸地方は津波に敏感だった。だが、われわれは地震対策に重点を置き、津波には地震ほど神経を使わなかった。危険性を指摘されながら対策を講じなかったのは、経営姿勢の問題でトップの責任だ。
森本記者:安全対策で大切なことは。
二見氏:原発には危険性が内在する。問題が起きれば、事態の悪化を恐れて、早めに止めるのが良い。しかし世の中が原発事故に厳しいので、うまく収められないかと思ってしまう。例えば千九百九十一年に1号機でコンクリートの床下を通る配管から海水が染み出したので、原子炉を止めてトラブルを公表した。だが、漏れた海水は原子炉の冷却に使っており、簡単に止められない。放射性物質が漏れたわけではないので、そのまま動かし続けたら、床が水浸しになり、結局は床下の配管を外に出す大改修を迫られた。
森本記者:今後の原発はどうあるべきか。
二見氏:事故の教訓を反映した安全なプラントを造るのが日本の責任。大事故で避難している人も多く、事故自体も収束していない。原発の再稼働は性急に映る。多様な安全対策を講じた上で動かす方が、結果的にはいい。
ふたみつねお(二見常夫)
1943年神奈川県生まれ。東京工業大大学院終了。福島第一原発が着工した67年に東京電力に入社、原子力畑を歩む。福島第一原発所長などを経て、2000〜02年に常務兼立地環境本部長。03年に退社。今年5月末、国内の原発事故を検証した「原子力発電所の事故・トラブル〜分析と教訓」(丸善出版)を出版した。
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*** 海水注入 ***
昨年3月、東日本大震災の津波で、原子炉の冷却機能を失った福島第一原発1号機に注入されていた真水が尽きてきたため、当時の吉田昌郎所長は海水への切り替えを指示。同12日午後7時過ぎ、海水の注入が始まった。だが、菅直人首相が塩分による影響や再臨界の可能性を指摘。
東電から官邸に派遣されていた武黒一郎フェローが吉田氏に電話し、菅氏の了解が得られるまで注入を待つよう指示した。吉田氏はすでに注入を始めていると伝えたが、武黒氏は中断を強く要請。吉田氏は、表向きは従うように見せながら、現場には「絶対に注水を止めるな」と指示、海水注入を継続した。
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