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クローズアップ2012:計画停電、政府方針決定 政府無策の節電頼み
http://mainichi.jp/opinion/news/20120623ddm003010068000c.html
毎日新聞 2012年06月23日 東京朝刊
政府は22日、今夏の電力需給が厳しい北海道、関西、四国、九州の各電力会社での計画停電の運用方針を決めた。電力不足の割合が大きい関電管内では、企業や公共機関などが計画停電に備えて身構える。計画停電の必要なしとされた東電管内も電力供給の余力が十分なわけではない。昨年に続き、今夏も厳しい節電が迫られる背景には、政府の電力対策の甘さがあり、そのツケを国民が払わされている。
◇スーパー・保冷車も活用/メーカー・部品を作り置き 企業・病院、今夏も自衛に汗
大飯原発3号機がフル稼働した場合でも10年並みの猛暑なら電力供給が9・2%不足すると見込まれる関電管内。政府や関電は企業や家庭に10%節電してもらうことで「計画停電を極力回避したい」(関電の生駒昌夫副社長)考えだ。しかし、想定を超える暑さなどで節電が思うようにできなければ、関電管内の48区域で1日2時間ずつ順番に電気を止める計画停電が現実味を帯びる。
関西の企業は、22日に示された計画停電の概要を基に対象店舗の営業時間の変更や、工場の操業時間の組み替えなど「有事」への備えを検討している。
スーパー準大手、イズミヤ(本社・大阪市)は鮮魚や精肉を計画停電前に売り切れるようにパックを少量化。店舗の食品の一時的な保管場所として保冷車の活用も検討している。大手百貨店各社は「停電時は顧客の安全の面からも営業は困難」とし「臨時休業や営業時間短縮も考えている」と話す。
メーカーは生産への影響を抑えるのに必死だ。ダイハツ工業は一部の下請け会社に対して部品の作り置きを要請。ムダな在庫を持たないジャスト・イン・タイムが売り物の自動車業界としては異例の対応で、関係者は「納車遅れを避ける苦肉の策」としている。ダイハツでは自家発電システムの出力を高め、関西の3工場で使用する電力の25%以上を賄い、計画停電があっても生産の落ち込みを最小限にしたい考えだ。
主要医療機関は原則、今回の計画停電の対象外だが、発電所のトラブルなどで急な電力不足に陥れば、突発的な停電が起きる可能性も否定できない。このため、りんくう総合医療センター(大阪府泉佐野市)は停電時でも非常用の自家発電で集中治療室(ICU)や手術室、病室の機能を維持できる環境を整備。一方で「患者には申し訳ないが、エスカレーターの休止も考える」と節電努力も進める。ただ、「窓を開け放して虫などが入り込むと衛生上良くなく、空調の節電は難しい」と頭を悩ませる。
昨年3月の東日本大震災直後に行われた東電管内の計画停電では、実施時間やエリアの周知が徹底されなかったことも影響し、当初、私鉄やJRなどの一部路線が全線ストップ。一部の病院では心臓手術が延期されるなど市民生活も大きく混乱した。
この反省も踏まえ、今夏の計画停電では医療機関や警察・消防署、鉄道、空港などは原則、除外対象となった。しかし、JRの約1700カ所の踏切や信号、高速を含む道路の信号などは停電の対象だ。昨年の東電の計画停電時には、信号の消えた交差点で死亡事故なども起きている。また、在宅医療患者などへの配慮も不可欠だ。企業や家庭などに対して計画停電回避に向けた節電協力を求めるだけではなく、政府や自治体、関電は万が一の計画停電に備え、自家発電機を十分に配備するなど、市民生活を守る努力を厳しく迫られそうだ。【宮崎泰宏、南敦子、鈴木一也、江口一】
◇老朽火力、首都圏も薄氷
昨年3月の福島第1原発事故後に火力発電の増強などを続けてきた東電は今夏の電力の供給余力が安定供給に最低限必要とされる3%を超えた。このため、政府は計画停電の対象から外した。しかし、猛暑時に想定される東電管内の供給余力は4・5%に過ぎず、安心できる水準(8%以上)にはほど遠い。大型火力発電所が事故で停止すれば、たちまち電力不足に陥る懸念があり、首都圏も不安が解消されたわけではない。
東電の今夏の供給力は5771万キロワットと、東日本大震災前の9割の水準に回復。10年並みの猛暑でも「251万キロワットの供給余力が見込める」(東電幹部)と説明する。しかし、実態は、廃止予定だった老朽火力発電所を突貫工事で再利用したり、定期検査を特例で遅らせて積み上げたりした数字。現場からは「細かな故障は後を絶たない」との声が漏れ、猛暑でフル稼働が続いた場合の耐久力は不安で、トラブルによる発電停止の心配がつきまとう。
今年2月には九電新大分火力発電所(総出力229万キロワット)が、LNG(液化天然ガス)供給管の不具合で3基ある施設がすべて停止。関電などから緊急の電力融通を受けて、突発的な停電を何とか回避した例もある。東電の場合も富津火力(千葉県、出力504万キロワット)など大型火力がトラブルで停止すれば、緊急の計画停電が必要になる事態も予想される。
昨夏に続き、今夏も企業や家庭が電力不足に脅かされる背景には、政府の対応の遅れがある。福島第1原発事故の影響で他の原発の再稼働が容易ではないのは明白だった。にもかかわらず、代替電力の確保など対策を進めず、供給力アップを電力会社任せにしてきたツケは国民にしわ寄せされている。【和田憲二、宮島寛、小倉祥徳】
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◆関西企業・公共機関の対応策
◇スーパー
イズミヤ 鮮魚、精肉を少量パックに。営業時間の変更を検討
平和堂 停電対象の店舗を一時休業する案も
◆メーカー
パナソニック 秋の休みを前倒しし夏休みを倍増。工場の操業時間変更も検討
ダイハツ 工業部品の在庫を増やす。自家発電システムの出力向上
◆公共機関
大阪大病院 自家発電機を設置。LED照明導入で節電
JR西日本 省エネ車両の導入。冷房温度を上げるなど省エネ運転を徹底
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