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桜井淳(さくらいきよし)氏は、原子炉工学の専門家中の専門家です。
氏は、反原発運動家などではなく、日本原子力研究開発機構研究員や原子力安全解析副主任解析員と言った「推進側」の専門家として、原子炉の安全解析に従事して来た原子炉工学のプロ中のプロです。
その桜井淳氏が、近著の中で、福島第一原発の現状について、書いておられる事をお読み頂きたいと思ひます。
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冷温停止は、事態の収束ではない。内部には、まだ大きな不安要因が残されている。というのも、損壊した1〜4号機から外部に放出された放射性物質は、全体のたった1%に過ぎないのだ。残り99%は、いまだに壊れた建屋内の原子炉格納容器内に閉じ込められている。いつ爆発しても不思議ではない爆弾を、大量に内部に抱えているようなものだ。
1、3、4号機の建屋は、現在も壊れたまま(1号機は建屋カバーを設置)。防壁はないに等しく、格納容器の下部にあるドーナツ型のサプレッションチェンバーは、外部からの大きな衝撃に耐えられるようにはつくられていない。
このまま解体撤去作業が終了するまで、何も衝撃を受けずに済めば問題はない。だが、事故現場がいつどのような出来事に見舞われるか、予測はつかない。
日本列島は複数のプレート上にあり、2011年以降頻繁に地震が起きている。事故現場が近い将来、再び大地震や津波に見舞われる可能性は十分にある。台風や竜巻によって、被害を受ける可能性もある。
日本の原発は、そもそも上空からの落下物の衝撃に耐える構造にはなっていない。旅客機やヘリコプターなどの墜落、人工衛星の落下などがあれば、大事故につながるだろう。
(桜井淳『原発の後始末』(青春新書・2012年)39〜40ページ)
桜井淳(さくらいきよし)1946年、群馬生まれ。1971年東京理科大学大学院理学研究科修了。2006年東京大学大学院総合文化研究科広域科学専攻研究生修了(科学技術社会論で博士論文作成中)2009年4月から東京大学大学院人文社会系研究所で「ユダヤ思想」や「宗教学」の研究中。2009年9月から茨城新聞社客員論説委員兼務中。物理学者(理学博士)・社会学者(博士論文作成中)技術評論家(元日本原子力研究開発機構研究員[1976年7月〜84年6月、原子炉物理学および核燃料サイクル施設安全解析]、元原子力安全解析副主任解析員[1984年7月〜88年3月、原子力発電所の安全解析]、元日本原子力産業会議非常勤嘱託[1988年7月〜89年6月、日本の技術力調査])、著書「桜井淳著作集」など単独著書26冊(単独著書・共著、編著、監修・翻訳など48冊)。現在、自然科学と人文社会科学の分野を中心とした評論活動に専念。−−桜井淳『原発の後始末』(青春新書・2012年)の巻末の著者経歴
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福島で測定される放射線線量が低下し続けて居るのは、結構な事です。
私は、福島の放射線汚染をいたずらに誇張して語ったり、意味も無く不安を煽る様な「反原発派」の一部の人々には、全く共感しません。
しかし、その一方で、福島で測定される放射線の線量が低いからと言って、「危機が去った」かの様に結論づける「安全煽り派」の言説には、更に共感出来ません。
高田純氏などが、チェルノブイリやセミパラチンスクに自ら足を運び、現地で放射線を測定して来られた事に、私は、深い尊敬の気持ちを持って居ます。そして、福島についても、同様に、現地に足を運び、自ら、放射線を測定された事についても、私は、もちろん、深い敬意を抱いて居ます。
そうした自身による測定の結果から、高田氏は、福島第一原発の事故で放出された放射性物質の量は、チェルノブイリ原発事故よりはるかに少なく、現地は安全だと言ふ考察を述べておられます。事故直後に、即ち、高田氏が現地で測定を行なふ前の放射線線量はどれほどであったか?つまり、高田氏が測定して居ない線量がどれだけの物であったかと言うふ問題は有りますが、今現在の現状は、おおむね、高田氏が述べて居る通りなのだろうと、私は思ひます。
しかし、です。原子炉外部に放出された放射性物質の量が、当初懸念されたより遥かに少なかった事は事実であったとしても、原子炉内に残る放射性核物質が、いかなる隔離状況に在るかについて、高田氏は、桜井氏の様な考察をして居ません。
上の文章の中で、桜井淳氏が、「損壊した1〜4号機から外部に放出された放射性物質は、全体のたった1%に過ぎないのだ。残り99%は、いまだに壊れた建屋内の原子炉格納容器内に閉じ込められている。」と書いて居る事に御注目下さい。桜井氏に依れば、今回の原発事故で環境に放出された放射性物質は、「全体の1%」と推定される訳です。もし、福島第一原発の原子炉の圧力容器や格納容器が、今も健全な状態に在るのであれば、この放出された「1%」の放射性物質について、「全体のたった1%しか放出されて居ない」と書く事も可能でしょう。しかし、現状はそうではありません。福島第一原発の原子炉は、圧力容器も格納容器も損傷されて居ます。ですから、原子炉内部に残る「99%」の放射性物質をこのまま隔離し続けられるかどうかは分からないのです。
高田純氏は、福島で放射線を測定し、その結果から、放出された放射性物質は当初懸念された量よりはるかに少ない事を強調しておられます。その事自体は正しいのだろうと思ひます。これは、桜井淳氏が、上の文章で、「損壊した1〜4号機から外部に放出された放射性物質は、全体のたった1%に過ぎないのだ。」と書いておられるのに符合する結論なのだろうと思ひます。
しかし、桜井純氏と高田純氏の違いは、桜井淳氏が、「残り99%は、いまだに壊れた建屋内の原子炉格納容器内に閉じ込められている。」と書いて、その「99%」の今後に懸念を抱いて居るのに対し、高田純氏の方は、その原子炉内部に残る「99%」の放射性物質の今後について、懸念を語って居ない事です。−−原子炉工学のプロ中のプロである桜井淳氏は、その「99%」の放射性物質の今後に懸念を抱いて居るのに、高田純氏は、桜井淳氏のそうした懸念は共有して居ないのです。
つまり、桜井淳氏は、「たった1%に過ぎないのだ。」と書いて、「1%」だから心配だと考えて居るのに、高田純氏の方は、「たった1%」だから心配しなくていい、と言って居る事に成ると思ふのですが、違って居るでしょうか?
高田純氏は、放射線の測定については尊敬すべき専門家であるに違い有りません。しかし、高田氏は、原子炉工学については私などと同様、素人です。
その素人である高田純氏が、原子炉工学のプロ中のプロである桜井淳氏の様な危機感を共有して居ない事は、専門分野の違いから来る問題意識の差だとは思ひますが、困った事だな、と高田氏の読者の一人として思ふ今日この頃です。
平成24年6月22日(金)
西岡昌紀(内科医)
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線量が原発事故後最低に 福島
http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=2056995&media_id=2
<放射線量>福島で原発事故後最低
(毎日新聞 - 06月21日 21:35)
文部科学省が公表している大気中の環境放射線量で、20日に福島県で観測された数値が1時間当たり1マイクロシーベルト(地表からの高さ1メートルに換算した推計値)を下回り、福島第1原発事故後、最低の毎時0.92マイクロシーベルトとなった。1マイクロシーベルトを下回るのは3月5日(0.936)と同6日(0.949)に続き3回目。原発事故から1年3カ月たち放射性物質が減ったためとみられる。【石丸整】
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