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たねまきJ「”もんじゅ”新たな動きとその性質・2号機再臨界は?」小出裕章氏(内容書き出し)6/21
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2012-06-22(08:33) みんな楽しくHappy♡がいい♪
高速増殖炉もんじゅの動き
・もんじゅって?
・事故が起きたらもんじゅは冷却できるの?
・もんじゅを存続したい理由は?
アーニー・ガンダーセン氏が指摘する福島第一原発2号機の再臨界の可能性は?
2012年6月21日木曜日
京都大学原子炉実験所助教 小出裕章先生に伺いました
Radio News「たねまきジャーナル」
MBSラジオ [MBS1179.com]
2012年06月21日【木】京都大学原子炉実験所 小出裕章・たね蒔きジャーナル
(番組内のニュース文字起こし)
福井県敦賀市の高速増殖炉もんじゅで、燃料交換用の装置が原子炉内部に落下した事故をめぐり、
経済産業省原子力安全保安院は交換した装置の機能確認の試験を始めました。
試験後安全性を確認する複数の点検を経て、早ければ来月中にも1年11カ月ぶりに、
事故前の状態に復旧します。
この事故はもんじゅで、おととし8月、
全長12メートル、重さ3.3トンの、筒状の燃料交換用装置が、原子炉容器内に落下したもので、
日本原子力研究開発機構は先月、新たに製造した装置を原子炉内に据え付けました。
もんじゅは1995年にナトリウム漏れ事故を起こして停止し、
おととし5月に運転を再開しましたが、わずか3カ月後に、
今度は燃料交換用装置の落下事故が起きて、試験計画が大幅に遅れました。
さらに東京電力福島第一原発の事故で、高速増殖炉の研究開発は見直しをせまられ、
文部科学省は、先月初めてもんじゅを廃炉にする可能性について言及していました。
01:02〜
高速増殖炉もんじゅの動き
もんじゅって?
千葉:
今ニュースでもお伝えしたんですが、高速増殖炉もんじゅで新しい動きが起きていまして、
おととし、原子炉容器内の、原子炉容器の中に燃料交換装置が落下した事故があったんですけれども、
原子力安全保安院が、交換した装置の機能試験を始めたという事で、
早ければ7月中にも事故前の状態に復旧するというニュースなんですが、
改めてお伺いしますが、このもんじゅというのは、
事故が連続して止まっているという状態が続いていたんですよね?
小出:そうです。
千葉:あの・・かなり深刻な事故というか、そういう事故だったんですか?
小出:
そうです。
もんじゅという原子炉は高速増殖炉という形の原子炉なんですが、
その形の原子炉は原子炉を冷やすために水を使う事が出来ないという宿命を負っています。
水という物質は物を冷やすという意味では大変好都合なもので、
みなさんも家庭で、なんか冷やそうと思ったら水をかけたりするでしょうし、
火事になったら水をかける訳ですよね。
本当に水という物は便利なものなのですが、その水を使えないのです。
そのために高速増殖炉という原子炉では
原子炉を冷やすためにナトリウムというものを使わなければいけないのですが、
ナトリウムは空気に触れると発火するのです。
水に触れると爆発するのですね。
そして放射線を受けると、放射化するというか、そのもの自身が放射能になってしまいますし、
千葉:え、えっ・・・???冷却材自身が、・・
小出:放射能になってしまいます。
千葉:放射能になってしまうんですか?
小出:
はい。
そしておまけにナトリウムというのは銀白色の、通常個体ですし、
溶けても銀白色の、要するに不透明な液体にしかならないのです。
ですから何かあってもなかを見ることすらできないということになってしまいますので、
・・・・「こんな物質で物が作れるか」という位に困難なものなのです。
で、そのたびにもんじゅはたびたび事故を繰り返してきましたし、
今回の燃料交換機のトラブルも、
一度壊れてしまうとそれを交換するだけで何年という時間がかかってしまうのです。
こんな装置はもともと動きません。
事故が起きたらもんじゅは冷却できるの?
千葉:
あの・・・今の話を踏まえてお聞きしますけれども、
リスナーの方の質問で、
「仮にもんじゅで福島のような事故が起きた場合、冷却などは可能なんでしょうか?」ということですが、
小出:
冷却はもう出来ないでしょうね。
ようするに、福島の場合にはたとえば自衛隊がヘリコプターから水を撒いてみたり、
全くあれは役に立たなかったのですけれども、水を撒いてみたり、
あるいは消防庁が水を消防車から水を撒いてみたりですね、
あるいは原子炉の中には結局は消防車から水を仕込むというような事をやったのですけれども、
もんじゅが事故になった場合には、水をかけたら爆発してしまいますので、
ほとんど何もできないということになると思います。
もんじゅを存続したい理由は?
千葉:
・・・・・そんな中でですね、
文部科学省はもんじゅの廃炉に関する可能性について指摘をしたりとかしてるんですよ、
で、もう一つ質問がきていまして、
「このもんじゅは理論上破綻しているのに、存続の理由というのはいったい何なんでしょうか?」ということなんですが、
修理して存続させようという事だとこの動きからすると考えられなくもないんですが、
小出さんはどう思われますか?
小出:
原子力というものは、未来のエネルギー源だと言われてきました。
化石燃料は枯渇してしまうので、将来は原子力だと言われまして、私自身もそれを信じたのですけれども、
今使っている原子力発電所、私たちが軽水炉と呼んでいる形の原子力発電所で使えるウランというのは、
235番という番号が付いた物だけなのですが、
それは地球上の資源としては大変貧弱ですぐになくなってしまう事が分かっているのです。
そうなると、原子力を未来のエネルギー源にするためには、
238番という番号が付いた方のウランを使う以外にないということは初めから分かっていたのです。
それをプルトニウムという物質に変えることによって初めて利用できるようになるのですが、
それを実現しようと思えば高速増殖炉を使う以外にやりようがないのです。
しかしそれがもう、とてつもなく難しい技術だという事で、世界中撤退してしまっているわけです。
でも日本というこの国が、原子力が未来のエネルギー源だと言おうとするのであれば、
それをやるしかないのです。
でも実際には「出来ない」という事がもう分かっている。歴史的には分かっているのです。
それでもなおかつやろうとしているわけで、その理由はただ一つだと私は思っていまして、
高速増殖炉という原子炉を動かしてしまうと、核分裂性のプルトニウム。
ま、ウランの場合にも核分裂するウランと核分裂しないウランとがあって、
235番だけが核分裂する。238番は核分裂をしないのですが、
プルトニウムにも核分裂するプルトニウムとしないプルトニウムがあります。
そして高速増殖炉をもし動かすことができるのであれば、
核分裂性のプルトニウムが98%という、超優秀な核兵器材料を入手する事が出来るようになります。
千葉:はぁ・・・・・・・・・・・・・・
小出:
ですから、エネルギー源になるとかならないとか全く関係なくて、
もんじゅのような大変小さなおもちゃのような原子炉でもいい。
それを一度動かすことが出来さえすれば超優秀な核兵器材料を懐に入れることができる。
というのが最後の理由だと私は思っています。
池田:
あの、小出さん、先日の原子力規制庁の法案ですか?
それの、そこの中でもどうもその「安全保障」という
小出:はい。
池田:文言がありましたよね。
小出:はい。「いよいよ来たな」という感じですね。
千葉:
そのために事故が起きたら福島以上の本当に、
あのー、止められないような状態の原子炉をまだ動かして使っていこうという事なんですね。
小出:そうですね。
千葉:はぁ〜
池田:
実際に文部科学省が5月に廃炉の可能性を言及したとはいえ、
その、この間の年度末にはもんじゅに駆け込みの、ね、予算を付けましたからね。
小出:そうです
池田:
うん、やだな。
どこまでそういうのが本気であるか、っていうのはどうも疑わしい話ですよね。
小出:はい
まあ、福島第一発電所の事故以降、少し原子力ムラが静かだったのですが、
ここにきて一気に
池田:そうですね。
小出:
はい、反転攻勢に出てきまして、
40年まで動かしていい。
さらに美浜にしても、もうOK!40年超えているわけですけれどもOKだと言いだしているわけですし、
池田:これはやっぱり大飯の再稼動というものはそういう意味でも、その大きな動きですよね。
小出:はい、ご指摘の通りだと思います。
アーニー・ガンダーセン氏が指摘する
福島第一原発2号機の再臨界の可能性は?
千葉:はぁ〜〜〜
じゃあ次の質問に参ります。
神奈川県にお住まいの方ですけれども
「写真雑誌の中で、原子力エンジニアのアーニー・ガンダーセンさんという人が、
福島第一原発2号機で、条件がそろえば再臨界が起きると警告していますが、
いったいどのような条件で、その条件がそろうような可能性というのはどの程度あるんでしょうか?」
ということなんですが、
小出:
ウランという物質が臨界になるためには、ある形状のもとに、ある量以上のウランが集まるという事がまず必要ですし、
その周辺に中性子を減速させるための物質。
福島第一原子力発電所の場合には水なんですが、
その水が適切な比率でその場所にあるという条件が満たされなければいけません。
そしてその条件を一番うまく満たされるように、軽水炉というのは設計されるのです。
炉心というものを設計してなるべく臨界になりやすいという形で設計します。
ただし今回の場合は、
もうその炉心が設計の条件を崩れて失って、すでに溶け落ちてしまったのですね。
そうなると臨界という条件からはどんどん離れていってしまいまして、
私は今の状態で臨界になる可能性はほぼゼロと言っていい位だと思っています。
千葉:そうですか
小出:はい
千葉:ははぁー、
じゃあ、こういう警告をしている人もいるんですけれども、
小出:
はい、あの可能性が無いわけではないのですが、
大変小さいと思います。
千葉:分かりました、小出さんどうもありがとうございました。
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