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「電力需給の真実・核燃料の性質・現在の福島第一原発など」小出裕章氏6/15文化放送ソコトコ(内容書き出し)
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2012-06-19(08:49) みんな楽しくHappy♡がいい♪
金曜日の小出さん
夏の電力需給と、それから原発再稼働の問題
原発の起動と停止は簡単?
核燃料の疑問
・どのくらい使うと使用済みになるの?
・使用期間で汚れ方は違うの?
・未使用の核燃料の管理は?
福一4号機の未使用燃料棒取り出しってどぉ?
映像から見る4号機の状態は?
本当?「福島2号機7万ミリシーベルトを超え再臨界の危機」
文化放送ソコトコ 2012年6月15日
小出裕章さんのお話 (6月15日)
金曜日の小出さん
吉田:小出先生今日はちなみにどんなご予定でいらっしゃるんですか?簡単に言っていただくと。
小出:
毎週金曜日という日は、私は原子炉実験所の中の放射能のごみを管理する部署に属しているのですが、
その部署の部会という集まりがあります。
それから放射線測定器のお守をしたりするというということもありますし、
今日は午前中に一件、取材の約束を入れてしまっています。
吉田:わかりました。
そんなさなか僕らの方でも、ほんと、わずらわしいところ恐れ入ります
小出:いいえ、とんでもない。
夏の電力需給と、それから原発再稼働の問題
吉田:
原発をめぐる動きでいま最も注目すべきは
関西電力大飯原発3号機4号機の再稼働に向けた動きだと思うんですけれども、
小出先生はこの夏の電力需給と、それから原発再稼働の問題はどういうふうに捉えていらっしゃるんでしょう?
小出:
要するに政府と電力会社がずっとウソを言い続けてきているのです。
日本には水力発電所と火力発電所が膨大にありまして、
その両者をきちっと動くように準備できているのであれば、いついかなる時も電気は足りるのです。
ですから原子力なんかに全く頼らなくてもだれも困らない。
節電など誰もしなくてもいいという、それだけ火力発電所、水力発電所があるのですが、
その事を政府がちゃんと言わない。
そして「原子力をやらなければ停電してしまうぞ」と言って人々を脅かし続けて、
結局また動かそうとしているのです。
吉田:
結局、じゃあ関西電力が出した数字もいい加減なもので、
政府もそれに追随しているだけという事なわけですね。
小出:
関西電力自身はですね、原子力比率がものすごく高いという、日本で一番高い電力会社ですので、
関西電力そのものだけを取ってしまうと、
原子力をやめると足りなくなる可能性はあると思います。
しかし、送電網というのは全国繋がっている訳で、西日本は全部融通できますので、
融通してもらえさえすれば十分足りるという、そういう状況なのです。
吉田:
そういう知識みたいなものっていうのは、
要するにいわゆる政府それから電力サイドじゃない人たちも、
もっと大きな声を挙げて何とか覆せないものなんですかね。
小出:
わたし自身は自分でデータを集めているのではなくて、
政府が公表しているデータそのもので私は政府と戦っているのですけれども、
彼らは自分の出しているデータを認めればいいだけのことだと私は思います。
吉田:ただそれだけの事なんですね。
小出:はい。
原発の起動と停止は簡単?
吉田:
再稼働をめぐってですね、小出先生に是非お伺いしたいのが、
橋下大阪市長等、関西広域連合の首長さん達が唱えているですね、
原発の期間限定の稼働についてなんですけれども、
原発っていうのは技術的にですね、すぐにつけたり消したりするっていうことは可能なんですか?
小出:
えーっと、通常の状態であれば、起動するのに2,3日あればできますし、
停止するのも1日、長くても2日あればできます。
吉田:あ、そうなんですか。
小出:
はい、ですから2か月3か月、電力ピークの時が足りないと、今、国が言っている訳ですからw
今から数日かけて起動して、そのピーク時が終わったら止めるということは、もちろん可能です。
吉田:簡単に出来るわけですね、じゃぁね。
小出:はい、ただそれはあんまり好ましいことではないんです。
吉田:それはどういう意味でですか?
小出:
温度変化というものが生じてしまいますね。
通常停止している時は普通の温度になるんですが、
それを稼働させて、ウランを核分裂させて、発電をしようとすると、
全体が300度近い温度に、
加圧水型の場合は340度ぐらいにまで上がってしまうという事がある訳で、
金属の疲労に結び付くという事があります。
吉田:
これは、原発は一度動き始めると大体13か月ごとに行われる定期検査まで動かしたままというのが、
これまで電力会社がとってきた対応なんですけれど、
これは正しいんですか?
小出:
えー、機械という、原子力発電所も機械ですし、
機械というものの性質を考えるなら、なるべく一定の条件で動かし続けたいというのはそうだろうと思いますので、
1年なら1年動かし続けるということは、妥当なやり方だと思います。
ただし「もう原子力を使わないんだ」と言うなら、
もう短期間だけ動かしてそれで廃炉にしてしまえばいいわけだから、
核燃料の疑問
・どのくらい使うと使用済みになるの?
吉田:
ああ、そういう事なんですね。
原発を再稼動して、原発を動かすとさらなる使用済み核燃料の問題が出てくると思うんですけれども、
動かす期間に関係なく、一度原子炉を止めると使った核燃料は全て取り出さないとダメなんですか?
小出:そんなことはありません。
吉田:そんなことはないんですか。
小出:
はい、
原子炉の中で丸3年位動かすとですね、使用済みという事になって、取り出さなければいけなくなります。
吉田:3年。
小出:ですから3か月しか動かさないと言うならば、ほぼ10数年動くんですね。
吉田:ああ、そういう事なんだ。
小出:
それで取り出せばいい事だけであって、
ただ、その間何度も何度も起動停止を繰り返さなければなりませんね。
そうすると機械が劣化するという事があるのですが、
もう原子力から足を洗うと決めてしまうのであれば、もうそれでいいと思います。
・使用期間で汚れ方は違うの?
吉田:
使用済み核燃料というのは、その原子炉で使った期間に応じて、
その放射能の汚れ具合とか危険度というのは、変わってくるものなんですか?
小出:
もちろんです。
燃やせば燃やすだけ、核分裂生成物という、いわゆるみなさんが死の灰と言うものが溜まってきてしまいますので、
ちょっとしか燃やさないのであれば危険がまだ少ない状態で済むということです。
・未使用の核燃料の管理は?
吉田:
なるほど、
ちなみにその前の使用前の核燃料というものがありますけれども、これはどういう管理が必要なんですか?
やっぱりその、使用済み核燃料と同じようにプールで冷やし続けないといけないものなんですか?
小出:
いいえ、全然そんな事はありません。
使用前の燃料というのは、ウランをセトモノで焼き固めたペレットというものが
燃料棒というジルコニウムの金属の鞘の中に入っているだけのものであって、
燃料製造工場に行けば、むき出しで作業員が取り扱っています。
空気中に置いておいても、被ばくはゼロではありませんけれども、
空気中にも保管できるというそういうものです。
それで、そのウランを一度核分裂させてしまいますと、
放射能が10億倍に増えてしまうのです。
そのためにもう人が近づくことすらができなくなって、
常にプールの底に沈めておかなければいけない状態になります。
福一4号機の未使用燃料棒取り出しってどぉ?
吉田:
わかりました。
その再稼働問題の一方でですね、綱渡り状態が続く福島第一原発の事故処理なんですけれど、
東京電力が先月末ですね、
4号機の核燃料プールに保管している未使用の燃料2体を7月にも試験的に取り出す方向で検討しているという、
これ発表がありましたけれども、小出先生はこれに関してはどういう捉え方をされていますか?
小出:
未使用の燃料であれば、今聞いていただいたようにプールの底に沈めておかなくても、
あるいはプールから空中につり上げても大きな危険にはならないのです。
ですから4号機の使用済み燃料プールがあった場所は、
爆発していろいろと壊れているのですけれども、
どんなふうに壊れているのか?
今現在どんな風にその燃料棒が、たとえば腐食してしまったりですね、壊れかけているのかという事を、
どうしても見たいと思いますので、
使用済み燃料は全くつり上げることすらできませんから、
まずは未使用の燃料をつり上げてみるということは、
私としてもやってみたいし、東京電力もやりたいんだろうと思います。
吉田:
ちなみにこの4号機の燃料プールには使用済み燃料が783体で、
原子炉から取り出した燃料が548体
未使用の燃料が204体の合計1535体という事でよろしい訳ですよね。
小出:そうです。
映像から見る4号機の状態は?
吉田:
これ、発表に合わせて4号機の内部というものが報道陣に公開されましたけれども、
小出先生はこの映像はご覧になったんですか?
小出:はい。いろいろと見ています。
吉田:
これ、そのわかる範囲で結構なんですけれども、映像から。
4号機の燃料プールというのは小出先生がお考えになる感じではどういう状態なんですか?
小出:
えーっと、大変だと思います。
通常使用済み燃料プールというのは、大変きれいな水の状態に保っています。
もちろん温度が上がってしまいますので、水を循環させながら冷却もしていますし、
水がもし放射能で汚れてくるような事になれば、
浄化系というところで放射能を取り除いて、
水自身は本当に飲んでもいいぐらいに、きれーいにしてあるのです。
それで上から覗いてもプールのそこがそのまま全部見えるという位の状態なんですが、
現在の4号機の使用済み燃料プールは、
水自身がものすごい汚れていて、さまざまなものが漂っているという状態ですし、
まがりなりに底の方にカメラを入れて見てみると、
燃料の上にいろんなものが散乱して落下してしまっているという、そういう状態ですので、
通常私たちが考えている使用済み燃料プールの状態とは、全く違ってしまっています。
本当?「福島2号機7万ミリシーベルトを超え再臨界の危機」
吉田:
今日発売のフライデーでは
「福島2号機、7万ミリシーベルトを超え、再臨界の危機」なんていう見出しがあるんですけど、
これはいかがですか?
小出:
多分再臨界の危機はないと、
ただし、猛烈な放射線が飛び出しているという事が、今回分かってきたことだと思うんですが、
ま、想像してみれば当たり前のことなのです。
要するにウランを核分裂させてしまえば放射能の量が1億倍にも増えてしまうという、
そういうものが溶け落ちてどこかにあるという、
どこに行っているのかもわからないという状態ですので、
場所によっては猛烈なところがやはりあちこちにあるだろうとおもいます。
吉田:わかりました。お忙しいところありがとうございました。
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