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核燃サイクル秘密会議:「もんじゅに不利」シナリオ隠蔽
http://mainichi.jp/select/news/20120619k0000m010142000c.html
毎日新聞 2012年06月19日 02時30分
内閣府原子力委員会が原発推進側だけを集めて開いた「勉強会」と称する秘密会議で3月8日、使用済み核燃料を再利用する核燃サイクル政策の見直しを検討していた原子力委の小委員会に提出予定の四つのモデルケース(シナリオ)について議論し、このうち高速増殖炉(FBR)推進に不利なシナリオを隠すことを決めていたことが分かった。「表」の小委員会の会議には三つのシナリオしか提出されておらず、秘密会議が核心部分に影響を与えていた実態が一層鮮明になった。
小委員会は三つのシナリオを含む取りまとめを終えている。今後、政府の「エネルギー・環境会議」に提出される予定で、対応が注目される。
核燃サイクルは使用済み核燃料を再処理し燃料として再利用する。再利用の際、高速中性子で核分裂を起こす原子炉を総称して高速炉(FR)といい、このうち元の燃料よりも多くの燃料を生み出す「もんじゅ」のような炉をFBRと呼ぶ。
毎日新聞は四つのシナリオが記載された文書を関係者から入手した。シナリオ1は全使用済み核燃料を再処理し(全量再処理)FR実用化を目指す。シナリオ2は一部を再処理し残りを貯蔵しつつFR実用化を判断するための研究開発を行う(実用化留保)。シナリオ3は一部を再処理し残りを捨て(直接処分)FR実用化を中止。シナリオ4は再処理せずすべて捨て(全量直接処分)FR実用化は中止する=チャート図。シナリオ1、2ならば、もんじゅ関連の研究開発を続行できるが、3と4は中止を意味する。
3月8日の秘密会議に四つのシナリオが提示されると、参加者は「小委員会の議論は全量再処理のシナリオ1や全量直接処分の4ではなく必ず真ん中(2か3)に寄ってくる。シナリオ3があると、これを選ぶ人(小委員会のメンバー)が出てくる」と発言。別の参加者が「ここは勝負どころ。シナリオ2が望ましく3はなくすべきだ」と述べ、シナリオ3を外すことを決めた。3月22日の秘密会議にも四つのシナリオが記載された文書が配布されたが、司会役が「四つにしようという話があったが三つにした」と結論だけ伝え、議論はしなかった。
3月8日の秘密会議に職員5人が出席した内閣府原子力政策担当室は取材に「記者の質問がブラフ(はったり)かもしれず回答できない」としている。【核燃サイクル取材班】
◇ことば=高速炉(FR)と高速増殖炉(FBR)
現在主流の軽水炉は水で減速した熱中性子で核分裂反応を起こす。これに対し、高速の中性子で核分裂反応を起こすのが高速炉。軽水炉で利用できないウラン238を核分裂可能なプルトニウム239に変えて燃料として利用できるため、ウラン資源節約に役立つ。FRのうち消費量より多くのプルトニウム239を生み出す(増殖)のがFBR。国内では「もんじゅ」が95年12月にナトリウム漏れ事故を起こすなどのトラブルで試験運転が再開できていない。英独など海外では撤退が相次いでいる。
◇
核燃サイクル秘密会議:書き換え・隠蔽、ゆがむ政策
http://mainichi.jp/select/news/20120619k0000m010139000c.html
毎日新聞 2012年06月19日 02時30分
内閣府原子力委員会による秘密会議問題で、高速増殖炉(FBR)研究開発の維持を狙ったシナリオの隠蔽(いんぺい)が判明し、事態は一層深刻になった。核燃サイクルは使用済み核燃料を再処理しウランとプルトニウムを取り出し、FBRで再利用することを基本とする。既に再処理に有利になるよう求める事業者の意向に沿って「表」の会議(小委員会)で使う報告案の原案が書き換えられたことが判明しており、これでサイクルの両輪がゆがめられたことになった。
日本はFBR研究に約2兆円を投じており、継続するなら10年でさらに約3200億〜3700億円かかる。細野豪志原発事故担当相は昨年11月、高速増殖原型炉「もんじゅ」について「一つの曲がり角に来ている。何らかの判断を来年はしなければならない」と発言し「今夏をめどに抜本的見直しをする」と報道された。しかし3月8日の秘密会議で参加者は「政府は夏には結論は出せないだろう」と発言した。政府の動きを予想し、シナリオを隠して議論を避け、もんじゅを「延命」させても問題ないと判断した疑いがある。
秘密会議にはもんじゅを運営する「日本原子力研究開発機構」幹部も出席した。原子力委が釈明する「データの提出依頼」などに限った場ではなく、関係省庁と利害関係者による意思決定の場だったことは明白だ。細野担当相は「核燃サイクルは民間がやっており、事業者から情報を取らないといけないことを理解してほしい」(12日の衆院予算委)と擁護するが、実態とかけ離れている。【小林直、太田誠一】
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