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【核心】「大飯原発再稼働決定〜安全も人材も不足」 2012/06/17(東京新聞)
http://ameblo.jp/heiwabokenosanbutsu/entry-11279765059.html
2012/06/17(東京新聞) :平和ボケの産物の大友涼介です。
政府は関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の再稼働を決め、これを突破口に他の原発も再稼働させようと狙うが、思惑通りにはいきそうにない。再稼働の大前提となる安全評価(ストレステスト)の一次評価は停滞し、大飯原発では一時的に保安検査官を倍増させるが、人材不足は深刻だ。関西電力エリア以外では「電力が逼迫しているのでご理解を」との説明も通じない。(大村歩記者)
■監視
今回、細野豪志原発事故担当相が福井県の求めに応じて実施を約束した「特別な監視体制」。原発が安定運転に入るまで経済産業副大臣や政務官を現地に常駐させ、同原発担当の原子力保安官を通常の四人から倍増するよいう。
細野氏は「副大臣らの常駐で事故時には政府が即応できる態勢になる」と強調するが、政府内でも専門家でない政治家を配置する意味を疑問視する声が上がっている。東京電力福島第一原発事故では、政治介入で事故現場が混乱したとの指摘もある。
検査官を倍増させるという点も、いかにも付け焼刃の対応だ。政府が人材育成を怠ってきた結果、検査官の約六割は電力会社などのOB。それでも国内各原発の定員計百六十三人に対し、五年以上に渡って三十人の欠員という状態が続いてきた。
そんな中、一時的とはいえ、どこかから検査官を外し、大飯原発に振り向ければ、監視がおろそかになる原発が出てくる。再稼働を認めるたび、同様の態勢を取るのは現実的ではない。
■停滞
次に再稼働する原発はどれか、となると難しい。安全評価の一次評価が終わっていることが最低条件だが、一つもない。
各電力会社から計二十二基の報告書が国に提出されているが、一次評価の最終段階となる原子力安全委員会の確認が済んだのは大飯、4号機のみ。
四国電力伊方3号機(愛媛県)は、保安院が報告書を「妥当」と判断し、安全委のダブルチェックを受ける段階だが、安全委は評価を中断。新たな原子力規制組織が発足すれば吸収されてなくなることを理由にしている。
他の原発の一次評価も、保安院の段階で止まっている。こちらもなくなる存在で、「安全評価の仕組み自体がどうなるのかわからない」(保安院幹部)中で、次々と「安全」のお墨付きを与えるのは難しい。
■需要
一方、枝野幸男経産相は国会審議や会見で「(電力不足という)必要性がなければ再稼働はさせない」と何度も約束している。
政府のエネルギー・環境会議が出した今夏の電力の需給見通しでは、猛暑となった場合は関西電力の営業区域では約15%足りず、北海道と九州がやや足りない程度。他の電力会社は余力がある。電力が足りるなら、原発を再稼働する大義はない。
だが、野田佳彦首相は八日の記者会見で、「化石燃料依存を増やし価格が高騰すれば、中小企業や家庭にも影響する」と、電力不足はもはや再稼働の条件ではなくなったかのような説明をした。
政府が都合によってすぐに約束を破るようでは国民の理解は得られない。
*** 必要か 残る疑念 ***
◆夏需要ピークに遅れる可能性
政府は、「夏の電力不足解消」を理由に関西電力大飯原発3、4号機の再稼働に踏み出した。一方で、政府はこれまで猛暑だった二〇一〇年夏のピーク比で5〜15%の節電を中部や西日本の電力各社に要請し、各社間の電力融通で「原発ゼロ」でも今夏を乗り切れると踏んでいた。今回の拙速な再稼働決定は、原発に執着する政府と関西電力の姿勢をあらためて浮き彫りにする。
関西電力が発表した供給電力の不足量は当初19・3%、その後に16・3%に計算し直したりと迷走を続けた。さらに五月十五日の大阪府市エネルギー戦略会議で追及されると、「確実に見込める数字ではない」と前置きしながら5%台まで数字を圧縮。他者からの電力融通や節電で、大飯原発を再稼働しなくてもおおよそ夏を乗り切れる事を示した。
今後、関西電力は再稼働の準備を進めるが、今回は定期検査の終了から時間が経っている。二機とも最大出力になるのは、早くても七月二十四日になる見込みだ。電力需要がピークを迎える時期は、電力会社の実績をみると過去には七月半ばだったこともある。万全の措置を取るためには、逆に七月末では間に合わない。ますます、今回の「夏の電力不足のための再稼働」という説明の正当性には疑いの目が向けられる。
◆「再稼働で8月 電力不足解消」政府検証委試算
関西電力大飯原発3、4号機の再稼働で、関西電力管内の電力需給はどう変わるのか。政府の需給検証委員会は、二基合計で二百三十六万キロワットの出力がある大飯原発3、4号機が再稼働すれば、八月が猛暑となった場合のピーク時でも関西電力管内の電力不足はほぼ解消されるとの試算を示している。
検証委によると、二基の再稼働で、夜間の余った電力を使ってポンプで水を汲み上げ、電力の使用がピークを迎える昼間に水を流して発電する揚水発電の出力も増え、合わせて四百四十六万キロワットの供給電力が確保されるという。
政府は、関西電力管内では14・9%(四百五十万キロワット)の電力不足になると結論付けており、大飯原発の再稼働で計算上は需給差がなくなるとされる。
一方で政府はこれまで、関西電力に二〇一〇年夏の最大需用比で15%の節電を求めたほか、供給余力がある中部や西日本の電力各社にも5〜10%の節電を要請。各社で電力を融通すれば「原発ゼロ」でもピークを乗り切れるとしており、大飯原発の再稼働の必要性は問われそうだ。
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