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だまされるエネルギー1 「もったいない」には順序がある
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平成24年6月16日 武田邦彦(中部大学)
【348】 だまされるエネルギー 1 「もったいない」には順序がある
「もったいない」といえばなんでも「もったいない」。自分が生きていれば食べるし消費するから、「もったいない」。少子化対策で赤ちゃんが増えれば消費量が増えるから「もったいない」。電気を使えば「もったいない」、車を買えば「もったいない」、家を建てれば「もったいない」。
「もったいない」、「もったいない」と言って冷房をケチり、汗だくでフーフー言っている.一体何をやっているのだろうか? そんなに「もったいない」なら環境省を解散したら良いじゃないか? 会社も解散し、田舎にこもったらどうだ? どうせ東京は食糧自給率1%でピンハネ以外には何もやっていないのだから、東京を止めたら良いじゃないか?
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「もったいない」には順序がある。節約しても日本の発展に影響が少ないものが第一、節約すると発展が阻害されるものが第二、そして節約すると死んでしまうものが第三だ。
そこで、私たちが生活をするものを5つ考えてみたい。 家、車、電気、食料、医療。家は少しぐらい小さくても活動に関係はない。快適さが少し減るぐらいだ。小さければ建築材料も少なくて済むし冷房も節約できる。
車は大きい方が疲れないし、早いけれど、新型カローラで十二分だ.電気は無駄につけるのは問題だが必要な光、冷暖房は人間の活動に直接関係する.食料は食べないと死ぬし、医療はとにかく必要だ。
食料や医療は生存に関係するので、少し別にすると、家、車、電気の中でもっとも「節約してはいけないもの」は電気だ.電気は使用量の応じて活動ができるから、節約するには最後にしなければならない。
でもなぜ国は「小さい家にしましょう」とか「軽自動車を買いましょう」と呼びかけずに「電気を節電しましょう」と言うのだろうか。この原因は単に「電気だけは独占なので高くても売れるので、少なく売っても問題は無い」と言うことだからだ。
トヨタ自動車が「車はできるだけ乗らないようにしましょう」と呼びかけることはない。トヨタの人は少しでも良い車を作り、それを買っていただけるなら本望である.それが環境を悪くするかどうかなどは国民が判断することであって、企業としては立派である。
ところが電力会社は「節電しましょう」と長い間呼び掛けてきた。これには多くの人が違和感を感じていたが、それは「独占しているから、議員と役人を待遇しておけば、電気代を高く出来るからそれで良い」と言うことだったのだ。
そして今、電力会社の経営上の失敗(原発事故)の尻ぬぐいを国民にさせて、日本の活動力を奪っている.それが環境省なのである.環境省は「小さい家を建てましょう」とか「軽自動車の黄色ナンバープレートを白に変える」とは言わない.そうすると「もったいない」の本質がばれるからだ。
環境省はつねに「最終的には消費を増やす」という方向で舵を切る.その一つが「白熱電球廃止、LEDだけ」の路線である。利権だけ、利権だけの世界だ。
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