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再稼働の地元判断が近づく関西電力大飯原発。広域的な住民避難の在り方など防災対策の検討は止まったままだ=5月8日、福井県おおい町(本社ヘリから撮影)
福井新聞ONLINE 6月14日(木)8時59分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120614-00000301-fukui-l18
東京電力福島第1原発事故以降、根本的な見直しを迫られている原発の防災対策。原発の再稼働に向け国は安全対策や基準づくりは進めてきたが、広域的な住民避難の在り方など防災面の対応はほぼ手付かずだ。国の原子力安全委員会は、防災対策の重点実施地域を原発の半径10キロから30キロに拡大する方針を決めながら、その後の具体策の検討は“放置状態”。関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の再稼働判断が近づく中、地元には原子力防災計画が旧来のままとなっていることに不安の声もある。
「大飯原発であれだけの津波対策が実施されているのだから、国や県は住民避難や防災も同じ考えでやってもらわないといけない」。大飯原発の足元、おおい町大島に住む団体職員の男性(60)はこう訴える。現状で避難するにも県道1本しかなく「マイカーで逃げても詰まってしまう」と不安を漏らす。
原子力安全委は昨年11月、従来の防災対策重点地域を「緊急防護措置区域(UPZ)」として30キロ圏に広げ、半径5キロは重大事故時に直ちに避難する「予防防護措置区域(PAZ)」とする方針を決めた。今年3月には、原子炉の状態や放射線量の実測値に基づき住民避難を判断するなどとした原子力防災指針の改定案をまとめた。
だが、範囲を30キロ圏に広げながら、府県をまたぐ広域的な避難の在り方は何ら方針を示していない。原子力防災に関する専門部会も作業部会もここ3カ月は開かれず、審議は止まっている。
30キロ圏の住民避難を想定する場合、国の調整、指導なしには困難で、県原子力防災計画の見直し作業も中断したままだ。
県は3月に敦賀市で行った原子力防災訓練で、PAZの考え方を先取りして5キロ圏内の全市民を避難対象にした。一方で他府県と連携した避難訓練は行わなかった。
県の暫定案では、おおい町民の避難先は敦賀市。しかし、実際には京都府への避難が十分考えられ、町内には「現実的でない」との声が強い。
町も原子力防災計画の見直しを進めているが、防災担当職員は「大本の国の防災指針が改定されない限りは、避難計画も含め暫定でしかない。県域を越えた広域避難も国の調整なしでは実効性ある計画にならない」と苦悩している。
事故時の対策拠点となるオフサイトセンター(大飯原子力防災センター)が海抜約2メートルの位置にあり、津波の被害を受ける恐れがある点を心配する住民もいる。
また、敦賀、美浜、大飯、高浜原発は全て半島の先端部に位置し、防災道路はそれぞれ1路線しかない。福島の事故を受け、国は複線化に向けようやく重い腰を上げたが、本年度以降に順次着手する県内6区間(約18キロ)の整備が完了するのは8〜10年後だ。
「国の指導によって福井県や近県で十分な原子力防災計画を立て、訓練を運転前に行う必要がある」。県原子力安全専門委員会が大飯3、4号機の安全性について報告書案をまとめた10日の会合で、委員の田島俊彦県立大名誉教授はこう提案した。
県専門委は原発の「工学的な安全性」を検証するのが役目。中川英之委員長(福井大名誉教授)は「過酷事故があり得るという観点に立てば、防災に関して見解を示すことは非常に重要」としつつも、委員会のテーマにするかは「検討が必要」と否定的だ。
西川知事も原子炉の安全性、危機管理体制、防災対策は「レベルが違う問題」と指摘。国の具体策がはっきりせず、まだ時間のかかる防災対策と、再稼働の是非は切り離して判断する考えだ。
しかし、田島氏はこうも指摘している。「大地震は対策を待ってくれない」
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最終更新:6月14日(木)8時59分
福井新聞ONLINE
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