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スイス北部のベズナウ原発。稼働中のものとしては世界で最も古い
2012年6月7日
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東京電力福島第一原発事故を受け、昨年六月に二〇三四年までの原発全廃を決めたスイス。稼働中としては世界最古の原発もあり、国民の間に老朽化への不安が広がっていた。だがここへ来て担当閣僚が電力不足に対する懸念を表明。脱原発の根底を揺るがしかねないだけに、政府は代替電源の確保をはじめ、計画の練り直しを急いでいる。 (スイス北部ベズナウで、弓削雅人、写真も)
「電力不足を補えるかどうか分からない」。五月、ロイトハルト環境・エネルギー相は、国内原発の全廃時期を予定より十年延長することを検討していると明かし、波紋を広げた。
電力需要の約四割を原子炉五基に頼るスイスでは、もともと脱原発に批判はあった。昨年六月の国民議会(下院、定数二〇〇)の採決で、脱原発賛成は一〇一、反対が五四。第三党のリベラル派・自由民主党は賛否が割れた。党の有力政治家ピエール・モーデ前ジュネーブ市長(34)は「私は脱原発派だが、代替エネルギーを確保しないままでは経済が立ちゆかなくなると反対する声が党内にあった」と振り返る。
■安全保障
全廃時期は、政府が原発の寿命を五十年と規定したことで決まった。国内で最も新しいのは一九八四年稼働のライプシュタット原発。三四年に期限を迎える計算になる。
代替電源には電力需要の約六割を担う水力・揚水発電の活用が想定される。中立政策を掲げるスイスは、資源安全保障の観点から、輸入に依存する化石燃料を避け水力に力を注いできた。現在は需要の0・1%未満にすぎない風力や太陽光による発電も増強していく方針だが、原発分を賄える見通しは立っていない。
■移民依存
老朽化した原発の現場労働は、かなりの割合を外国からの移民に依存している。
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スイス最大の金融都市チューリヒの北西約四十キロにあるベズナウ原発。1号炉は、一九六九年に営業運転を始めた。現役としては世界で最も古い。
近くのデッティンゲンに住む男性(65)はボスニア・ヘルツェゴビナから来て、原発で職を得た。「息子も原子力産業で働いている。原発は修理をしながら使い続けられるはずだ」と不満を漏らす。原発が支えるこの町で、人口三千五百人の約四割は移民が占めるという。
■停止要求
同時に「安全面に問題がある」として、古い原発の即時停止を求める住民の声も強まっている。
福島の事故から一年の三月十一日、四十年間運転している西部ミューレベルク原発周辺で、市民数千人が反原発デモをした。「停止が稼働後五十年では遅すぎる」と訴えた。
参加団体の一つ「環境を守る医師たち」のマーティン・フォルター氏(49)は「スイスのような狭い国は、事故が起きれば国の半分が汚染地域となり、残り半分も人が住めなくなる」と警告した。
賛否両論の中、ビドマーシュルンプフ大統領は「経済への影響など可能な限り分析した」と考え抜いた末の決断だったと強調する。ただ、新たな電源の開発などの困難な課題は残されている。
◇
原発の安全神話を大きく揺るがせた「フクシマ」の激震は、世界各国に原発や原子力政策の再点検を迫った。脱原発へ動いた国、あえて推進を貫く国、世論と国益をにらんだ各国の事情を報告する。
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