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「過剰介入」批判は一方的=国会事故調に反論−菅氏
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2012061000206
2012/06/10-21:05 時事通信
民主党の菅直人前首相は10日付のブログで、東京電力福島第1原発事故を検証する国会事故調査委員会が首相官邸の過剰介入を批判する論点整理をまとめたことに対し、「官邸として、原子力災害対策本部長として、直接対応せざるを得なかった」と反論した。批判を受けて自身の対応を反省する記述はなかった。
この中で菅氏は、事故調が「東電が全員撤退を決めたとは認められない」と認定したことを「官邸の誤解と一蹴するのは、一方的な解釈」と非難。事故調が検証した記録を全て公開するよう要求し、「そのことによって、真実と真相が、より公正かつ正確に明らかになる」と訴えた。
菅直人オフィシャルブログ 「今日の一言」
http://ameblo.jp/n-kan-blog/entry-11273917702.html
国会事故調の論点整理
6月9日に発表された国会事故調の論点整理において、官邸の「過剰介入」という指摘がなされ、注目が集まっている。たしかに、本来、原災法が想定していた仕組みでは、原子力発電所の敷地外(オフサイト)に関しては「オフサイトセンター」を中心に対応し、敷地内(オンサイト)での原子炉に対する事故対応は事業者である東電が中心に対応する仕組みになっていた。その意味では、事故発生から3月15日に政府・東電統合対策本部が東電本店内に設けられるまで、官邸が中心になって事故収拾に直接関与したのは異例と言えるだろう。
しかし、異例ではあるが、今回のような、東電も保安院も想定していなかったシビアアクシデント(過酷事故)が起きた状況においては、官邸として、そうせざるを得なかったのが現実であった。その事が、国会事故調に理解されていないとしたら残念である。
事故発生直後から、東電からは官邸や本部長である総理に、電源車の搬送への協力要請や、住民避難を必要とするベントの了解を求めてきた。さらに、今回のシビアアクシデントでは原子炉や使用済み燃料プールへの注水においても東電単独では実行できず、自衛隊、消防、警察など各方面に官邸から出動を要請するなど、オンサイトに関することも含めて事故対応に当たらざるを得なかった。本来、事故対応の中心となるべき原子力安全・保安院が、事故発生当初、組織として機能しない中で、もし官邸が動かなかったならば、結果はどうなったか。私は、他の政府機関が十分に動かない以上、官邸として、また原災本部長として、直接対応せざるを得なかったと、今でも考えている。
「撤退問題」では、発電所長をはじめ現場の皆さんは最後まで頑張る覚悟であったことは、その通りだと私も思っている。しかし、清水社長が経産大臣と官房長官に電話をし、両大臣が「会社としての撤退の意思表示」と受け止めたという事実は大きい。これを官邸の誤解と一蹴するのは、やはり一方的な解釈と言わざるを得ない。
こうした解釈の背景には、国会事故調が入手したいかなる情報があるのだろうか。例えば、国会事故調の担当委員は東電本店と福島第一サイトのテレビ会議の記録を見て調査したと述べている。そうであるなら、原発事故発生から今日までの記録を、私が東電本店で社長や会長など約200人の東電幹部を前に話した場面も含めて、国会事故調の責任において全て公開していただきたい。そのことによって、真実と真相が、より公正かつ正確の明らかになるのではないだろうか。
◇
国会事故調:「官邸介入で混乱」福島原発の初動対応批判
http://mainichi.jp/select/news/20120610k0000m010068000c.html
毎日新聞 2012年06月09日 21時50分(最終更新 06月10日 00時50分)
東京電力福島第1原発事故の原因などを調べている国会の事故調査委員会(国会事故調、黒川清委員長)は9日、当時首相だった菅直人氏や東電幹部らを聴取した結果などを踏まえ、主な論点についての見解を整理した。首相官邸の対応については「頻繁に(現場)介入を繰り返し、指揮命令系統を混乱させた」と指摘。事故現場に直接問い合わせるなど、過剰な介入があったとの認識を示した。
月内の報告書とりまとめに向けて公表した。水素爆発が原発で相次いで起きた後、東電が原発からの職員の全面撤退を官邸に打診したとされる問題については「東電が全面撤退を決定した形跡は見受けられない」と結論づけた。
政府の情報発信に関しては「(原子力災害対策特措法に基づく)通報の重要性や意味合いを十分に認識できず、情報の伝達、避難指示の遅れが生じた」と批判。また、「確実に確認できた情報のみの発信に終始し、情報が限定的に伝わった」とした。
放射性物質の拡散を予測する「緊急時迅速放射能影響予測システム(SPEEDI)」が公表されず、住民の避難に生かせなかったとの政府への批判について「初動の避難指示に活用するのは困難だった」との見解を示した。理由としては「政府は100億円を超える予算を投入しながら測定地点の多数化・分散化を進めてこなかった」ためだとした。
SPEEDIに関し、政府の事故調査・検証委員会(畑村洋太郎委員長)は昨年12月の中間報告書で「避難の方向などについて異なった議論がされた可能性がある」とし、政府側の対応が適切であれば、活用できた可能性があったことを示唆している。【笈田直樹、岡田英】
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