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(2012/06/08-20:31)
野田佳彦首相は8日、関西電力大飯原発(福井県おおい町)の再稼働の必要性をアピールするため記者会見を行った。西川一誠福井県知事の要請に応じたもので、首相としても、再稼働がこれ以上遅れれば国民生活に大きな支障が出ると判断したためだ。しかし、民主党内では再稼働反対論が拡大。消費増税関連法案をめぐる党内の賛否が割れる中、さらなる火種を抱え込んだ形だ。
「仮に計画停電を余儀なくされ、突発的な停電が起これば、命の危険にさらされる人、仕事が成り立たなくなる人もいる」。首相は会見で、国民生活への悪影響を並べ立て再稼働への理解を求めた。
もともと首相は4月中に再稼働させる腹積もりだったが、橋下徹大阪市長ら関西圏の首長が反対し、目算が狂った。それでも再稼働方針には「全くぶれがなかった」(周辺)。このままでは今夏の電力が不足する事情のほか、「『原発ゼロ』が既成事実化するのを避けたい経済界の意向を無視できなかった」との見方もある。
ただ、民主党では、菅直人前首相ら脱原発派が主導して再稼働の再考を求める署名運動が盛り上がっている。わずか4日間で衆参両院議員117人が賛同。小沢一郎元代表や鳩山由紀夫元首相ら多くの消費増税反対派のほか、いわゆる「中間派」も名を連ねており、首相包囲網が敷かれつつある。
「国論を二分している状況で結論を出すのが私の責任だ」。首相は会見でこう言って、自らの指導力を強調したが、小沢グループの若手は「消費税と原発が相まって、『野田離れ』が加速する」と言い切った。
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