http://www.asyura2.com/12/genpatu24/msg/541.html
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午後9時前のNHKニュースでも報じていた内容である。
菅前首相については、総理大臣として初めて国会の場で脱原発の方向性を明確に示したことを評価しているが、ある人々からは、3月15日未明に全員撤退の意志を示した東電幹部に対し、東電本店に乗り込みどやしつけて事故への対応を継続させたことでも評価されている。なかには、菅前首相のその行為が日本を救ったかのように評価する発言もあった。
国会事故調査委員会をことさら高く評価しているわけではないが、NHKニュースによると、3月15日未明の東電撤退問題について、次のような見解を示したという。
「菅前総理大臣ら当時の政権幹部が、東京電力側から作業員全員の撤退を打診されたという認識を示していることについて、「今回の事故で、東京電力が全員撤退を決定した形跡は見受けられないという結論だ。菅前総理大臣が東京電力の全員撤退を阻止した、という事実関係を理解することはできないというのが委員会の認識だ」と述べ、菅前総理大臣らの認識を否定」したという。
最終報告ではないので詳細はそれを待ちたいと思うが、見解通りなら、菅前首相など当時の政権幹部が、東京電力の全員撤退を阻止するために東電本店に乗り込んだというウソをなぜ執拗につき続けるのか、国会事故調査委は、そのワケを明らかにしなければならないだろう。
数分間の電話のやり取りだけだったというのなら両者の認識の差で済ませてもいいだろう。
しかし、電話のみならず面と向かったやり取りが数時間にわたって行われている今回のケースでは、東電側と政権側の言い分の違いを、行き違いや思い違い、認識の違いといったレベルの説明で済ませるわけにはいかないはずだ。
2号機の圧力抑制室損壊や4号機の“火災”が起きたあとに放射線線量が飛躍的に上昇した15日明け方以降であれば、東京電力が総員撤退に近い申し出でをしたとしても奇妙ではない。
しかし、東電が電話で全員撤退を申し出てきたとされる15日未明は、2号機がメルトダウンに陥りかけていることを知っていたが、メルトダウンと水素爆発を起こした1号機や3号機と状況が大きく違っていたわけではない。
2号機については、夜を徹して、主蒸気逃がし弁操作や原子炉への注水でなんとか対処しようとしていたのである。
3月15日明け方近くに、原子炉の状況がそれまでと大きく変わったわけでもないのに、福島第一原発がぎりぎりの人員を残しほとんどを撤退させた理由は、4号機の使用済み燃料プール対策として意図的な爆破作業を行うために他ならない。
4号機の“建屋瓦解”は、使用済み燃料プールの状況と放射線量を考えれば、使用済み燃料(原子炉内残存使用済み燃料説を含む)による大量の水素発生に起因する爆発ではない。また、今なお東電や政府が主張している3号機からの水素流入説も、3号機が水素爆発を起こしたことで14日昼時点で4号機と3号機の配管的なつながりが断たれていることから、それを原因とすることもできない。
火災説はうやむやのうちに消えていった。
4号機の“建屋瓦解”は、4号機の燃料プールに保管されている使用済み燃料のメルトダウンを回避するために行われた意図的な爆破以外にその原因は思い至らない。
現在の福島第一で最大の脅威になっているのが、4号機の使用済み燃料プールの安定性である。
政府は、大飯原発を端緒として再稼働にしゃかりきになっている一方で、福島第一の事故原因や4号機の顛末について、真摯な説明をなんら行っていないのである。
※ 参照投稿
「3月15日未明の菅前首相「東電本店訪問劇」の真相:“全面撤退阻止”ではなく、真逆の“一時退避要請”が目的の一つ」
http://www.asyura2.com/12/genpatu21/msg/883.html
「「菅前首相「東電本店訪問劇」の真相」(4号機原子炉建屋爆破説)でいただいたコメントへの回答」
http://www.asyura2.com/12/genpatu22/msg/130.html
「カレイドスコープの「4号機の奇跡」を評す」
http://www.asyura2.com/12/genpatu22/msg/154.html
「4号機の核燃料プールで“奇跡”が起きなかったら、日本政府は、手を拱いたまま“日本の壊滅”を待ったと思う?」
http://www.asyura2.com/12/genpatu22/msg/174.html
「4号機「水素爆発」説を否定する決定的写真:4号機に水素を流れ込ませたとされる排気管は前日に起きた3号機の水素爆発で破断!」
http://www.asyura2.com/11/genpatu14/msg/820.html
なお、ニュースのメインテーマになっている“官邸の過剰介入が支障に”については、それほど大きな問題とは考えていない。
国会事故調は、「総理大臣官邸と発電所が直接やり取りするという、本来、法律が予定していないと思われる情報伝達が行われ、発電所に対して情報入手のために頻繁に電話が入るという事態が起こったことに対し、問題意識を持っている」そうである。
菅前首相が3月12日朝に福島第一にヘリで乗り込んだ行為は、状況が変化しているなかで、事故対策の最高責任者がやることではないと考えている。
しかし、法律に基づき事故対策の最高責任者として、東電本店とのやり取りで十分な意思疎通ができなければ、肝心な情報をなんとか入手しようと発電所に電話するのは当然である。東電本店サイドの説明は、この期に及んでも、ゴマカシとデタラメに満ちているから、当時の東電本店がほとんど役に立たない存在であったことは推察するに難くない。
いずれにしても、“官邸の過剰介入が支障に”なったことは何かが示されるのを待ちたい。
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国会事故調“官邸の過剰介入が支障に”
6月9日 21時22分
国会の原発事故調査委員会は9日に行った論点整理で、東京電力福島第一原子力発電所の事故について、「総理大臣官邸が過剰な介入をしたのではないかと考えている」と指摘し、当時の政権幹部が必要以上に関与したことで事故対応に支障を来した可能性があるという見解を示しました。
国会の原発事故調査委員会は、今月にも提出する報告書の取りまとめに向けて、9日、公開で委員会を開き、これまでの調査を踏まえた論点整理を行いました。
この中で、報告書の取りまとめに当たっている野村修也主査は、「総理大臣官邸と発電所が直接やり取りするという、本来、法律が予定していないと思われる情報伝達が行われ、発電所に対して情報入手のために頻繁に電話が入るという事態が起こったことに対し、問題意識を持っている」と指摘しました。
そのうえで、「場違いで初歩的な質問もなされるなどしたため、発電所で現場対応に当たる者が余分な労力を割かれる結果になったと考えている。今回の事故の対応においては、官邸が過剰な介入をしたのではないかと考えている」と述べ、当時の政権幹部が必要以上に関与したことで事故対応に支障を来した可能性があるという見解を示しました。
また、菅前総理大臣ら当時の政権幹部が、東京電力側から作業員全員の撤退を打診されたという認識を示していることについて、「今回の事故で、東京電力が全員撤退を決定した形跡は見受けられないという結論だ。菅前総理大臣が東京電力の全員撤退を阻止した、という事実関係を理解することはできないというのが委員会の認識だ」と述べ、菅前総理大臣らの認識を否定しました。
さらに、事故発生後の政府の情報発信について、「緊急事態にあたって、事故現場で事態の確認ができないとして、確実な情報のみを発信するという平時の対応をし続けたことが、被災住民の避難にも甚大な混乱を引き起こしたのではないか」と指摘しました。
そして、今後の課題について、「官邸を含めた危機管理体制の抜本的な再構築が必要ではないか。特に初動の重要性から、事故発生時に直ちに対応できる危機管理体制作りが求められているのではないか」と述べました。
委員会では、こうした内容を盛り込んだ報告書を今月中にもまとめ、衆・参両院の議長に提出することにしています。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120609/t10015722411000.html
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