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2012年05月07日
4月13日の朝、北朝鮮はロケットの打ち上げに失敗した。北朝鮮は「衛星」であると主張し、発射実験を取材できるよう海外からの取材団を平壌に受け入れていたが、日本政府はその「核実験」に備えて、首都圏にも迎撃ミサイルを配備して迎撃態勢をとるほどだった。
(ビル・トッテン)
原発と核兵器は同じ
打ち上げまでの数日間、ニュースはこの北朝鮮の核実験の話題でもちきりで、日本が直面している核の恐怖、たとえば事故から1年以上たっても福島第一原発では毎日9トンの水を注入してメルトダウンしないよう燃料棒を冷やさないといけないとか、3号機にある大量のMOX燃料はどうなっているのかといった報道はなされなかった。
そんな矢先に、アメリカの国家安全保障問題専門の通信社である「NSNS」が、アメリカ政府は核技術の国外移転を禁じるという法律を破って日本が原子力の平和利用の名の下に核兵器の原料となるプルトニウムを備蓄することを手助けしていたという調査レポートを公開した。(http://www.dcbureau.org/)
この記事によれば、日本政府は1960年代から秘密裏に核兵器開発の計画を保持しており、それをCIAなどの諜報活動でアメリカは確認していながら、プルトニウム増殖炉の設備や技術の日本への移転を認めるとともに、英仏からの再処理プルトニウム海上輸送を容認さえしていたという。つまり日本の権力者たちは、「核兵器を開発する目的で」プルトニウムを作る技術をアメリカから受けていたということだ。さらにこの記事は、日本はアメリカの核の傘に守られていながら、核の平和利用という名の下で電力会社を窓口にして、中国やインド、パキスタンの核兵器をあわせた以上の核兵器を作るのに十分な材料を蓄積してきたと記している。
もしこの記事が本当なら、日本が民主主義国家だというのは悪い冗談だろう。なぜならこれまでのすべての政府、そして、すべてのマスメディアは国民の生命に関わる最も重要な問題について嘘をついてきたことになり、正しい情報を知らされない国民が適切な指導者を選挙で選ぶことなど、不可能だからだ。
核兵器の推進は自殺行為である。日本は1つの核爆弾で国家の機能も崩壊するような小さな島国であり、アメリカや中国、ロシア、インドといった、地理的にずっと大きく、政治的、経済的にも機能が分散されている国とはわけが違う。今、福島の原子力発電所の事故が日本にもたらしているものは、まさに原発と核兵器が同じであるという事実を日本国民に突きつけている。
アメリカの通信社の記事が真実かどうか私にはわからないし、なによりも、平和憲法を持つ世界で唯一、核兵器を投下された国の政府が核兵器を開発すると思いたくない。しかし福島原発の冷温停止を早々に宣言し、住民の反対にもかかわらず大飯原発の再稼働を急いだり、欧米各国は撤退しているのに2兆円以上使っていまだに高速増殖炉「もんじゅ」を推進していることを考えると、日本のジャーナリズムはその使命としてこのNSNSの記事について日本政府に問いただすべきであろう。
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