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日本の子どもに贈るもの(2) 電気不足の社会
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平成24年6月4日 武田邦彦(中部大学)
2012.06.04 武田邦彦 日本の子どもに贈るもの(2) 電気不足の社会
(日本国内だけの常識にとらわれずに読んでいただければと希望します)
日本では今「節電」はよい子の考えのように錯覚されています。でも、節電は日本の子ども達に「国際競争に勝てない惨めな日本」をもたらすでしょう。
今の日本で「節電」がよい子のように思われているのは、「電気を使うということは悪いこと」とされているからです。でも「電気」は活動の源です。だからよほど無駄に使っていない限り、「電気を使うことは悪いこと」ではなく、「良いこと」なのです。まずはこれを逆転させなければなりません。
電気のようなエネルギーは「活動の源」であり、それがあって始めて国際競争に勝つことができます。電気の節約は日本の活動を減らし、日本の将来をダメにします。それにも程度問題があります。
アメリカの電気は8億キロワット、日本の電気は1.8億キロワット。アメリカはほぼ日本の2倍の国ですが、電気は4倍以上使っています。だから、アメリカは元気がよく、将来性もあるのです。電気を使わなければ子ども達は大きく育ちません。
なぜ、日本はアメリカの4分の1の電気なのに節電をしようとしているのでしょうか?
1)その方が役人が電力削減の利権をとれるから、
2)その方が電力会社が原発の失敗の責任を回避できるから、
3)日本の報道はアメリカとの違いを報道しないから、
4)節約好きの国民を錯覚させた方が人気が出るから、
5)電力会社があまり作らない方が良いというシステムだったから、
6)電力会社の収益を総原価方式(電気代が高いほど儲かる。量が少ない方が良い)という常識外れのものだったこと。
逆に本当のこと、つまり「電気をさらに使うと日本は繁栄する」というのはこれまでの日本の常識では考えにくいことです。それは日常的な家庭生活では「節電」は良いことだからですが、それは家庭が生産の場でないことによります。
石油などの節約でも同じですが、生産も競争もない場としての家庭と、過酷な民族間の競争と生産、技術革新の場である社会は自ずから基本的な倫理(道徳)が違うのは当然で、それをよく考えて子どもに良い日本を贈るのが大人の役割なのです。
アメリカや中国は節電していません。節電している国は、節電していない国に絶対に負けます。とりあえず原発が動かないので、大至急、資源の心配の無い天然ガス、石炭の火力発電所を作る「新しい電力会社」をつくることです。
これを阻止しようとしている「原発再開問題」に夢中になると、その時間だけ損失をします。太陽光発電なども失敗した電力会社の応援をしているということをよく考える必要があります。
エネルギーは限度があるものですが、それも程度問題です。世界で日本だけ全く使わずに滅びていくという選択は間違っています。日本は「一人あたりのエネルギー消費が先進国の中で平均以下」という目安で活動を決めるべきでしょう。
その意味では今、日本は先進国の中でだんぜん、省エネルギー社会でGDPに対してエネルギー消費は少ない状態にあります。少なくとも今の2倍、つまり日本全体で4億キロワットぐらい電気を作らないと日本の活動が低下して衰退に向かうでしょう。
・・・もう一つ私が言いたいこと・・・
第一、日本人はアメリカ人より優れていても劣っているということはありません。その日本人がアメリカ人の2分の1以下の電気で甘んじているような状態では、教育といく点でもプライドを持った子どもを作ることは出来ないと思います。
私たちの祖父がロシア、中国、アメリカと戦って外地でその命を落としたのは日本を繁栄させるためです。私たちはそれの逆方向に行っています。
私が政府なら、国民には「まだまだ余裕があるので電気は充分につかって快適で発展性のある日本を作ってください」と呼びかけ、一方、電力会社に対しては「アメリカの2分の1しか生産せず、アメリカの2倍の電気代とは何だ!もっとシッカリしろ!」とハッパをかけます。
なにしろ石油、石炭、天然ガスが「もう少し経ったら無くなる」と考えているのは日本だけで、アメリカなどの100年後の計画を見ていないからです。
その点で、今の政府は「国民をいじめ、電力を優遇する」とうことで徹底し、それをマスコミが支持しています。マスコミの記者さんも自らの魂に問いかけ、ものの本質をじっくり考えて欲しいと思います。
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