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仙谷政調会長代行は再稼働の安全性に疑問を呈する地元議員をニラミつけた。=4日夕、ユニオンプラザ福井。写真:田中撮影=
【福井報告】 再稼働のお目付け役 仙谷氏「安全だ」繰り返す
http://tanakaryusaku.jp/2012/06/0004433
2012年6月5日 22:10 田中龍作ジャーナル
原発政策に関する重要な決定には必ずこの御仁が立ち合う。仙谷由人政調会長代行である。影の総理とも言われ、電力会社や労働組合の電力総連からも信頼が厚い。
仙谷氏は再稼働を決める野田政権の4閣僚会議にはオブザーバーとして臨席する(最強の権限を持っていながらオブザーバーというのも変だ)。4月14日に枝野幸男経産相が大飯原発の再稼働に理解を求めるために福井県を訪れた際も、一緒に福井入りし、地元議員や労働組合にネジを巻いた。
そして今回(4日)、細野豪志・原発事故担当相の福井訪問の際も、全く同じ光景が繰り広げられた。仙谷氏は居並ぶ県議会議員、市議会議員、労働組合幹部を前に“安全だ、安全だ”と強調したのである。
雇用が原発頼みであるため、「再稼働反対」を唱える議員は一人もいなかった。議員からの質問と要望は、安全面一点に絞られていた。「事故調の結論を待ってからにすれば国民の納得が得られる」「使用済み核燃料プールが心配」……
地元議員の心配をよそに仙谷氏は、子供だましにも似た説明に終始した――
「“政治家が安全宣言をデッチあげた”というコメントが横行しているが、安全宣言は専門家の知見によるものだ。専門家の意見聴取会は公開で行われている」。
筆者のヘソは茶を沸かしそうになった。保安院の森山審議官は再稼働について最後に決断するのは政治家と言っているのだ。
意見聴取会は公開と言えば公開だが、電力会社の言うことを追認しているだけに過ぎない。ばかりか、保安院は電力会社の言う数字をそのまま資料として原子力安全委員会に送付したりもするのである。仙谷氏は地方議員がこうした事実を知らないとでも思っているのだろうか。
使用済み核燃料プールについての説明は開いた口が塞がらなかった。「全原発を止めても核燃料は存在する。核燃料サイクルとの連動の中で、中間貯蔵施設、最終処理をどうするのか、40年間先送りしてきたことが問題」。仙谷氏はこう言ってのけたのだ。開き直りという他ない。自民党の責任にすり替えるつもりなのだろうか。枝野経産相の師匠らしい詭弁と言えばそれまでだが。
仙谷氏は最後に“日本経済のためにも再稼働への理解を重々お願いする”とする趣旨のことを言い締めくくった。
地元議員や労働組合にネジを巻いた後、ぶら下がり記者会見が持たれたが、フリー記者やネットメディアは排除された。前回、厳しい質問を浴びせたからだろうか。
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