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市民や保護者は「危険を科学的に示す」必要はありません
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平成24年6月5日 武田邦彦(中部大学)
2012.06.05 武田邦彦 「危険を科学的に示す」必要はありません
福島原発事故が起こってから、被曝を心配する市民や保護者に対して、「そんなに心配なら、危険であることを科学的根拠を示せ」と言う地方公務員や学校や幼稚園の経営者が後を絶ちません。きわめて悪質なので、役人や教育関係者に「良心」を取り戻すことを求めます。
放射線の被曝計算は極めて困難で、「シーベルト(直接、体への影響)」の解釈でも難しいのに、「ベクレル(あるものがだす放射線量に比例する数値)」は専門的知識が必要です。
そのために、法律では「原発からの放射線は外部+内部で1年1ミリ」(自然放射線、医療放射線などとは足し算)、「土壌は1平方メートルあたり4万ベクレル」、「1キロ100ベクレル以上のものは低レベル廃棄物」、「食品基準は(おおよそ)1キロ40ベクレル以下」、「水道水は1リットル10ベクレル程度」と数値を決めています。
市民や保護者は子どもや家族を守るためにこの数値を示すことです。たとえば、幼稚園の砂場が1キロ500ベクレルとすると、保護者が「その危険性を科学的に示す」という必要は無く、反対に、仮にこの数値でも安全だと考える幼稚園があったら「なぜ、法規の基準より高いのに安全なのか」を幼稚園側が示す必要があります。
高速道路の制限速度が80キロの時、80キロ以内なら証明の必要は無く、80キロ以上でも安全というならかなりの資料と説明が必要だということです。間違いないでください。国が法律を守らないからという理由は成立しません。法規は国民同士の約束だからです。国はそれを監視する役割に過ぎません。
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