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「原発動かさないと不便だな」と言わせたいのか「午前9時〜午後8時」2ヶ月節電はどう考えてもおかしいだろ 週刊ポスト2012/06/08号
http://ameblo.jp/heiwabokenosanbutsu/
2012-05-29 17:43:25 平和ボケの産物の大友涼介です。
役人、政治家、電力会社、大マスコミが口を揃えて同じことを言ったなら、たぶんそれは嘘だ。この夏の節電要請に「長過ぎる」と疑問を抱かないのなら、すでに電力マフィアたちの術中に嵌っているから要注意。東電が値上げ恫喝なら関西電力は停電恫喝。どちらも嘘なら、どちらも裏に同じ企みが隠されている。
■「7月節電」は全く無意味
電力マフィアの言い分を素直に信じれば、行き着く先は「安全なき原発再稼働」しかない。政府が公表した今夏の電力需給対策は、国民にかつてない負担を強いるものだが、その必要性には大いに疑問がある。
まず数値目標を定めない節電を全国で7月2日〜9月28日にかけて求める。
その上で、関西電力では7月2日から9月7日までの約2ヶ月間、一昨年比15%以上の数値目標付き節電を利用者に要請。九州電力では10%以上、四国電力、北海道電力(※注1)では7%以上となっている。関西電力への電力融通を行う中部・北陸・中国の3社も5%の節電を行う。
※注1 北海道電力の節電期間は7月23日〜9月14日まで
国民生活と経済に与える影響は甚大だ。すでに阪急電鉄では一部列車の運行区間の短縮、阪神電鉄では日中の急行列車を減らす検討をしている。大阪市交通局では全133駅の冷房を正午〜午後3時までとめる案がある。
総務省統計によれば、昨年7〜9月の熱中症による救急搬送人員は全国で3万9489人。記録的猛暑だった10年よりは少ないが、同じ程度の気温だった09年と比較すると3倍である。節電は命を奪う重大事だという認識が必要なのだ。
節電要請の基準となった「想定需要」は、観測史上最高の猛暑だった2010年のものだ。「平年並みの気温とみられる今夏に適用するのはおかしい」という批判は当然だ。ただし、最悪の事態を想定するのがリスクマネジメントの基本であることを考えれば、それはそれでいいという考え方も成り立つ。
だとしても、約2ヶ月間、午前9時から午後8時という総計506時間に及ぶ節電の押し付けはあきらかにやり過ぎだ。
本誌は各電力会社発表の「過去3年間の7月〜9月の需要ロードカーブ」を元に、2010年の7月2日〜9月7日の間(土日祝日と8月13日〜15日を除く)、午前9時から午後8時までのすべての時間帯における電力需要の実績値を調べた。その上で各社が示した今夏の最大供給予測と比較した。
結論から言えば、約2ヶ月の長期節電は必要ない。
まず7月2日スタートという性急さから首を傾げざるをえない。
四国電力と北海道電力は、7月に今夏の最大供給予測を超えたことは一度もない。九州電力でもなし。もっとも電力不足とされる関西電力でも、7月前半(15日)までに供給をオーバーするのはわずか3日(計11時間)だけだ。
さらに7〜9月でみても需要が供給を上回るケースはごくわずかだ。北海道電力では37日間中6日(計30時間)、四国電力では46日間中5日間(計10時間)。北陸電力は9月の2日のみ(計8時間)。中部電力、中国電力に至っては「ゼロ」だった。
関西電力については、確かに8月は1日を除いてすべて供給をオーバーするなど、電力需要が逼迫していることが窺える。
ただし「時間帯」で見ればそうでもない。午前9時台から節電を始める根拠は乏しい。午前9時台、午後7時台に需要が供給を超える日は7月20日までには1日もない。期間全体でも午前9時台は46日中22日のみ。午後7時台も21日のみと、どちらも半分に満たない。
北海道電力、九州電力、四国電力でも、午前9時台、10時台に今夏の供給予測をオーバーしたことは一度のないのである。
このデータを元に各電力会社に「長過ぎる節電」への見解を問うと、「今夏の気温については現時点では想定できず、供給責任を全うし、1日たりとも停電させないために、至近の過去実績である平成22年並みの猛暑を織り込んでいる。過去に発生した実績であり決して過大なものではない」(関西電力広報室)
などとして、揃って計画の妥当性を主張した。
関西電力は節電を求める一方で、「大飯原発を再稼働すれば電力は足りる」と主張し続けている。国民が”背に腹は代えられぬ”と音を上げる日を手ぐすね引いて待っているのだ。
■「原発ストップで揚水なし」の嘘
以上の分析はあくまでも電力会社のいう需要予測。供給予測を前提にしたものだ。それでも合理性がないのだから、すでに節電計画の不当は明らかだが、ダメ押ししておくと、そもそも彼らのいう供給予測そのものにも嘘がある。
関西電力は、今夏の電力供給力を2542万キロワットと発表している。このうち、揚水発電(※注2)は223万キロワットを見込んでいるが、ここに大きなごまかしがあることも、これまで報じてきた通りだ。
※注2 揚水発電 夜間など電力需要の少ない時間帯の余剰電力を利用し下部貯水池から上部貯水池へ水を汲み上げ、電力需要が大きくなる時間帯に水を導き落とす水力発電方式
関西電力の揚水発電能力は最大で488万キロワットもある。昨年の実績ベースでは、7月11日から8月19日まで、ほぼ毎日450万〜465万キロワットを揚水発電で供給しており、実績も十分だ。にもかかわらず、今年はその半分程度しか見込んでいないのである。
理由は、原発停止で電力に余裕がないためだと説明している。
そこで大飯原発2基を再稼働させれば236万キロワットの発電力を積み増しした上に、揚水発電もフル稼働できるため供給能力は合計約470万キロワット増え、今夏のピーク需要である2987万キロワットを楽々クリアできるというのだ。
しかし電力マフィアが公にしない「もうひとつの手段」がある。政府のエネルギー・環境会議内の需給検証委員会が、4月に関西電力の揚水発電能力を検討した討議資料に重要な分析がある。
「揚水発電を除いた電力供給力が、現在の関西電力試算(2303万キロワット)より178万キロワット高まれば、昨夏の関西電力実績と同じ揚水供給力465万キロワットを維持できる」とするデータだ。
つまり夜間に水を汲み上げるために必要な178万キロワットを捻出すれば、昼間のピーク時には約2800万キロワットの供給力を確保できるのである。
東京電力など東日本は今夏の電力に余裕がある。関東は59ヘルツ、関西は60ヘルツという周波数の違いもあり、現在、関西電力への融通は計画されていない。
しかし、東西間には100万キロワットの能力の変換施設があり、昨年はこれをフル稼働して西日本から東電へ電力が供給された。今回もそれを使えば、まず100万キロワットは確保できる。
さらに、西日本の電力会社間でも中部電力や中国電力から関西電力への融通は昼間のみだ。これを夜間も融通すれば80万キロワットを上積みできる。合計178万キロワットは難しい数字ではない。
万が一、それでも足りないという事態が生じたとしても、東日本からの供給ルートを開いておけば、備えにもなる。
■メディアに守られた電力マフィア
もちろん供給量を増やすだけでなく、電力使用料を抑えることも方策のひとつだ。前号で指摘したように、電力使用ピークとなる午後2時前後にテレビを消すだけでも相当な節電になるし、節電を強いる役所や電力会社のオフィスを止めたっていい。それらの節電によって電力会社の経営を圧迫する燃料費をカットできるメリットもある。
当然、前もって節電しなくても対処の方法はある。
本誌は4月27日号で、巨大な埋蔵電力のひとつとして大手企業との「需給調整契約」の存在を暴いた。電力不足になった際には供給を停止できる条件で、電力会社が企業の電気料金を大幅に割引する制度(随時調整契約)であり、「通告即時停止」「通告一時間後停止」など条件によって割引率が違う。本誌報道後、政府は当初”ないこと”にしていた同契約を全国505万キロワット(うち関西電力は37万キロワット)も明らかにした。これは止めてもいいという条件の割安契約なのだから、一般家庭にしわ寄せが来る前に、遠慮なく止めればいいのである。
どこをどう見ても、この節電を国民が「仕方ない」と受け入れる必要はない。
福島の事故によって、原発の安全性について電力会社や経産省が正しい情報開示と対処をしてこなかった内情が明らかになり、国民の不信感は募った。その反省もなく、電力マフィアたちは「原発を止めると停電するしかない」とか「原発がなければ電気料金は上がる」と一方的に言い募る。嘘と恫喝で国民を封じ込められると勘違いしたままの彼らに、好き勝手させるわけにはいかないのだ。
大新聞は5月23日、一斉に「東電利益9割 家庭から」「東京電力が経済産業省に提示した料金の収益構造の概要が22日分かった」(読売新聞)と報じ、電力会社が一般家庭を標的に暴利を貪ってきた実体が広く知られたが、こんなことは本誌がずっと以前から指摘してきた(12年3月30日号、4月13日号)。相変わらず記者クラブ記者たちは自ら調べて問題を明らかにする姿勢がなく、東電や経産省の発表を報じるだけだから、電力マフィアは安心して都合のいい偽情報をばら撒ける。堕落した大メディアに守られたマフィアたちの節電ファッショ、値上げ恫喝に屈してはならない。
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