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東北人の誠意を見せて下さい:一関市長と議会に謝罪を求める
http://takedanet.com/2012/05/post_341c.html
平成24年5月28日 武田邦彦(中部大学)
現代の日本人の悩みの一つは「ケジメ」をつける誠意と勇気を失ったことでしょう。少し前にはJR西日本が大きな事故を起こしたのに社長が辞任せず、もがいて事故隠しという不祥事を招きました。近くは原子力安全委員会が判断ミスをして福島原発が爆発したのに、相変わらず1600万円の年俸をもらいながら、委員を辞任しません。
かつて日本の小学校では「間違ったら謝ること、潔いこと、誠実であること、それを実行する勇気を持つこと」を教育したものです。
私は昨年の秋、事故から半年ほど経ったところでテレビ放送で「東北の一関は汚染されたので注意した方が良い」という旨の発言をしましたら、東北から一斉にバッシングを受けました。特に一関市長からは2011年9月7日に公開非難を受け、議会からも謝罪を求められました。「学者なのに根も葉もないことを言うな!」ということでした。
これによって、私は学者としての信用を一部、失墜し、東北のマスコミは私が敵のように報道し、郡山市は私のアドバイス職をキャンセルしました。個人としての被害は甚大でした。でも、岩手県でも一関市などが汚染されたことがほぼわかっていました。学問的な情報を提供するのは学者の仕事でもあります。しかも半年後です。
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一関の人は次の事実をどのように感じているのでしょうか? 私への批判は間違っていて、個人を追い詰めたことについて、誠意と勇気は無いのでしょうか?
1)私の発言の直後、2011年9月9日、1キロ583ベクレルのウシ2頭を出し、出荷停止をした、
その後も汚染食材を多く生産した(個別のことは一関市の人が知っておられる)、
2)農家が東京電力を相手取って、汚染による被害を補償するために約4000万円の訴訟を起こした、
3)国の「汚染状況重点調査地域」の指定を受けた一関市が、国の承認を待たずに除染に着手する方針を明らかにしたことについて、岩手県知事は「国が先頭に立って、東電が早めに手を打つのが基本。強く県からも促したい」と除染を国に働きかける姿勢を示した(一関市は岩手県知事に「一関が汚染されていることを認めたのはけしからん!」と抗議文を送っていない)、
4)一関市は5月22日独自の判断に基づき市内の学校施設で本格的な除染作業を開始した。子どもの安全を優先する観点から国の手続き遅れに堪忍袋の緒を切らした。
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日本人には誠意が求められます。私の手元には市長からの抗議文と一関議会から「事実無根のことを言って人心を惑わせるな」という意味の抗議文と謝罪要求の書類がありますが、いったい、このまま一関市は「武田は個人だから、無視しても良い」という態度を続けるのでしょうか?
日本の再建には、誠実さと誤りを認める勇気がいります。一関市自体、東電の不誠実、政府の不誠実に反撃をしていますが、いったい、自分自身の不誠実なら黙っているのなら誠実とは言えません。私はっとも早く一関市の汚染を指摘したのだから、学者として批判されることはないと考えます。
一関市長と議会の誠意と勇気、東北人の魂に期待します。そして今後「正しいこと」を発言した人が被害に遭わないためにも、大切な一つの儀式と思います。
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