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今日の日経新聞朝刊に興味深い記事が掲載されている。
[けいざい解読]という定番コーナーの「日米エネルギー連携 険しい道 天然ガス 渦巻く政治」というタイトルの記事である。
タイトルから、日本の電力会社が中東などで買っている天然ガスの9分の1の価格で、運賃を加味しても半値以下とされる米国産天然ガス(環境問題から持続性は疑わしいと思っているシェールガスの開発で価格下落)の“輸入問題”に関する話であろうと思って読むと、さにあらず、原発政策のコアにかかわる話であった。
(中国の「レアアース輸出制限」では大騒ぎしても、米国の「天然ガス輸出規制」は問題視する動きさえないのだから笑ってしまうが...)
ざっと引用すると、
「米エネルギー省(DOE)などは日本当局に、ほぼ全面停止状態に陥った原発の再稼働に向け、技術や人的支援の大幅な拡大を打診。再稼働に絡み、関係閣僚と地元自治体の折衝などを抱え慎重な日本の背中を押した」
「「東京電力に過重な補償責任を負わせれば、原発ビジネスが立ちゆかなくなるのでは」。日本当局筋は複数の米政府高官に責められた。日本の原発が衰退すれば米も共倒れになる相互依存の構図で、イニシアチブは米の焦りの裏返しでもある。」
というものである。
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日米エネルギー連携 険しい道 天然ガス 渦巻く政治 [日経新聞]
野田佳彦首相とオバマ米大統領が合意した「日米協力イニシアチブ」は、安全保障に加えエネルギーを巡る両国の連携強化に重心を置いた。原子力発電の復興を軸に両国の協調関係を深めようとのうねりが生じているが、行く手は険しい。
イニシアチブの目玉は、福島第1原発の除染や研究開発を手掛ける「2国間委員会」の設置だ。背景には、米国の極めて強い働き掛けがある。
「いかなる形でも支援する用意がある」。米エネルギー省(DOE)などは日本当局に、ほぼ全面停止状態に陥った原発の再稼働に向け、技術や人的支援の大幅な拡大を打診。再稼働に絡み、関係閣僚と地元自治体の折衝などを抱え慎重な日本の背中を押した。
オバマ政権は米電力の80%を2035年までに原発も含む低炭素の「クリーンエネルギー」に置き換える目標を掲げる。米電力供給の約2割を占める原発は「依然として重要な電源の構成要素」(DOEのポネマン副長官)として、長期的に拡大を目指す方針を打ち出している。
日立製作所とゼネラル・エレクトリック(GE)など複数の日米原子力連合が形成され、米の輸出と国内雇用を大きく左右しかねない事情もある。「東京電力に過重な補償責任を負わせれば、原発ビジネスが立ちゆかなくなるのでは」。日本当局筋は複数の米政府高官に責められた。日本の原発が衰退すれば米も共倒れになる相互依存の構図で、イニシアチブは米の焦りの裏返しでもある。
一方、日本側の要請にもかかわらず、今回のイニシアチブでは明記されなかった項目がある。米から日本への天然ガス輸出の解禁だ。
日本は値段の高い原油の輸入を増やさざるを得なくなっており、政府はできるだけ廉価な天然ガスの調達ルートを広げたいのが本音だ。
米ではシェール(頁岩=けつがん)層で形成される天然ガスの生産が猛烈な勢いで進む。市場価格も大きく下がっており、日本はイニシアチブでガス輸出に一定の方向性を打ち出すよう米に再三要請した。
エネルギー業界は輸出解禁に前向きだが、大量のガスを使う化学大手ダウ・ケミカルなどが価格上昇を懸念して強く反対。明文化を見送る代わりに、首脳会談でオバマ氏が「検討している」と語ることで折り合った。
11月の大統領選を前に米の政治情勢も複雑だ。エネルギー族の大物、ワイデン上院議員(オレゴン州)は「本格的なガス輸出開始には大きな疑問がある」と阻止の構えを強める。「大統領選後のエネルギー・天然資源委員会の有力委員長候補だけに、同氏の発言力は大きい」(日本側関係者)との声もある。
ある米政府筋は「ルース駐日大使を窓口に、日米エネルギー安保の深化に向けた動きが加速している」と明かす。だが、消費税問題や大統領選で日米両首脳とも政策の指導力を十分発揮できない状況にあり、どこまで連携が前進するかは見通せない。
(ワシントン=矢沢俊樹)
[日経新聞5月27日朝刊P.3]
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