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「しんぶん赤旗」 2012年5月27日(日)
事務部局に業界から20人/吉井議員調査 推進派関与10年以上/原子力委
国の原子力委員会の事務を担う内閣府の部局に、電力会社や原発メーカーなど原子力業界から過去5年間でのべ20人が採用されていたことが、日本共産党の吉井英勝衆院議員の調査で26日までにわかりました。また、業界からの採用が遅くとも2001年には始まっていたことも明らかになりました。
吉井議員への内閣府提出資料によると、07年4月1日〜12年5月1日の期間に民間企業・団体から内閣府の政策統括官(原子力委関係)に採用されたのは20人。出身は、東京電力、関西電力など電力会社4社、三菱重工、日立GEニュークリア・エナジーなど原発メーカー4社、電力各社の寄付で設立された電力中央研究所。18人は非常勤の政策調査員として採用。2人は常勤で、参事官補佐、主査として採用されています。現在も非常勤8人が採用期間中です(表)。
このほか、00年度以降に電力会社などに在職したまま原子力委の調査担当者(非常勤)として採用された例は、東電が2人、日本原電が4人、電力中研が2人。最も早い時期の採用は、日本原電からの01年1月でした。
吉井議員は、昨年5月の国会質問で、原子力安全委員会事務局などの政府の原子力関連部門に、東電をはじめ電力各社に在籍したまま採用された職員が多数いる問題を指摘し、「官民癒着だ」と批判していました。吉井議員は「原子力の安全規制に関わる安全委員会と原子力を推進する立場の原子力委員会の両方に、原発利益共同体の一員である電力会社や原発メーカーが人を送り込み“霞が関出張所”として、自分たちのコントロールのもとで原発を推進している実態を示すもので、大問題だ」と話しています。
原子力委をめぐっては、原発推進派だけを集めた「勉強会」と称する秘密会議で報告書原案を配布した問題が発覚したばかり。原子力行政のゆがみが改めて浮き彫りになりました。
原子力委員会 原子力研究・開発・利用についての国の基本方針や経費の配分計画を策定する委員会。内閣府に設置され、委員5人で構成されています。現在の委員長は、近藤駿介・東京大学名誉教授(原子力工学)。専門の事項を調査・審議する専門委員、専門部会などが置かれています。原子力基本法によって1956年に設置されました。
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