http://www.asyura2.com/12/genpatu24/msg/178.html
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松村 昭雄 氏 による文章。日本語訳を以下に示します。
Fukushima Daiichi: It May Be too Late Unless the Military Steps in
http://akiomatsumura.com/2012/05/fukushima-daiichi-it-may-be-too-late-unless-the-military-steps-in.html
福島第一: 軍が出動しなければ手遅れになるかも知れない 松村 昭雄
http://akiomatsumura.com/wp-content/uploads/2012/05/%E7%A6%8F%E5%B3%B6%E7%AC%AC%E4%B8%80-It-may-be-too-late...-5-11-2012.pdf
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福島第一: 軍が出動しなければ手遅れになるかも知れない
2012年5月11日
松 村 昭 雄
(Fukushima Daiichi: It May Be Too Late Unless the Military Steps in)
今後、マグニチュード7の地震に襲われれば、核燃料棒がプールから飛び出したり、冷却水が停止することにもなる。そして、それが核の火災や溶融を招くことにもなる。結果として引き起こされる核惨事は、私たちの科学の知見を超えたものになります。世界破局、と言っても過言ではありません。
この状況と世界破局の恐れを政治指導者たちが理解しているとして、どうして彼らがこの問題に沈黙し続けているか、私にはなかなか理解できません。
以下に示す事実は、今や疑問の余地はないことです。
1.今後、2、3年以内に、4号機の核燃料プールから1535本の燃料棒を取り出すことは不可能であると、多くの科学者は結論づけている。
2.今後3年以内に、フクシマ・ダイイチの近隣でマグニチュード7.0以上の地震が起きる可能性が90%以上に達すると、日本人の科学者たちは予測している。
3.4号機の損傷した建屋は、次に来る強い地震に耐えることはできない。
4.日本政府と東電には、これだけの規模の災害に独力で対処するに十分なテクノロジーも経験も持ち合わせていない。
オレゴン州選出のロン・ワイデン上院議員は2012年4月16日付けで、日本の藤崎一朗・駐米大使に対し、フクシマ・ダイイチ事故現場への自らの視察結果に関する書簡を送りました。
上院エネルギー・資源委員会の有力者であるワイデン議員は、書簡の中で「原発、及び周辺地域への損害の程度は〔ワイデン議員個人の〕予想をはるかに越えたものであり、東電、日本政府、そして地域の人々が直面する挑戦の困難さは、気力をそいでしまうほどのものだ」と指摘しました。議員はさらに「東電が2011年12月21日に発表した『福島第一原子力発電所1〜4号機の廃止措置等に向けた中長期ロードマップ』では、すべての核燃プールからの使用済み核燃料の取り出し完了まで最大10年、かかるとしている。しかし、3・11による損傷状態からみて、今後、苛酷
福島第一原子力発電所にある、高い放射能を帯びた使用済み核燃料棒は、日本及び世界の人々に対し、明確な脅威を突き付けています。4号機の核燃プールとそのそばにある共用プールには1万1000本以上の使用済み燃料棒があり、、その多くは外気に曝されています。福島第一原発の、これら使用済み燃料棒に含まれるセシウム137の総量は、チェルノブイリ事故の際、放出された量の85倍にも達するものです。
な地震が起きるとすれば、このスケジュールでは、異常なリスクが持続することになる」と述べて
います。
そして、このワイデン上院議員の懸念に、私たちの多くが共感しているのです。
日本政府、及び世界の指導者たちは、世界破局を招きかねない上記の諸事実を考慮したことがある
のでしょうか? そして、この最悪のシナリオを未然に防ぐための明確な戦略を持ち合せているので
しょうか? 全ての核燃プール、とりわけ4号機のプールから、使用済み核燃料を全面撤去する期間
を、2年、もしくはその程度に短縮する手段を持っているのでしょうか? それほど途方もない任務
を、東電や民間セクターを信じて委ねることができるでしょうか?
私は、数十世代にわたる子孫に影響を及ぼすであろう災害を防ぐため、日本政府が指導性を発揮し、
持てる全ての手段を動員すべきであると確信しています。その点で私は、国際的な支援チームに加
え、軍の役割を考慮しないわけにはまいりません。軍には、東電のような企業にはない、テクノロ
ジーと兵站能力があるのです。
日本の自衛隊(軍)を国内に出動させることは、非常に大きな論議を招く政治的な決断です。しか
し、政府の決断による副次的な政治的影響など、甚大な世界破局を目の当たりにすることと比べれ
ば、たいしたことではありません。
このため私はこの4月、私の懸念を日本の政治指導者に伝えるため、ニューヨークから一時帰国し
ました。村田光平・元大使と私は、藤村官房長官に会いました。長官は私たちに、4月30日、ワ
シントンでオバマ大統領と会談する野田首相に対し、その訪米の出発前に、私たちのメッセージを
伝えることを確約してくれました。日米両首脳は私的な会談で、このフクシマ原発事故問題を議論
したかも知れません。しかし、独立した評価チームや国際的な支援の問題は、一切、公表されませ
んでした。私はこの問題をめぐる政治的な難しさを理解できるだけ年老いてはいますが、しかし、
このまま黙って受け容れてしまうことはできません。いま政治的なアクションを起こさなければ、
こんご数千年にわたり、私たちを後継する人々に対して影響を及ぼす、取り返しのつかないミスを
冒すことになるでしょう。
もし、こうした世界破局が起きたなら、政策や政治のいかんにかかわらず、全世界440機の全て
の原発が閉鎖を迫られることでしょう。しかし、そうなったとしても、私たちの子孫はとにかく、
今後10万年から20万年もの間、核廃棄物の貯蔵地に放射性物質を保管するリスクを背負い続け
るのです。
考えも及ばない長い時間になるわけですが、こんなふうに考えると分かりやすくなるかもしれませ
ん。私たちの先祖がアフリカの南部から、世界各地に向かって旅を始めたのは、約10万年前のこ
とと言われています。そして石器時代の最初の石器をつくったのが、2万年前のこと。つまり私た
ちは、核物質を安全に管理して行くのに、私たち人類がこれまで歩んで来たと同じだけの時間を必
要とすることになる! これほどの長期間にわたって、どうやったら私たちの子孫に対して核の毒を
おしつけ続けて行けるのか、放射性廃棄物を保管する適切な場所をどうしたら示すことができる
か? 世界各地に数百箇所できるであろう放射性廃棄物の貯蔵施設を、これほど長期間にわたって苛
酷な震災から守り切れる確信はあるのか?
もし世界破局が起きてしまったなら、私たちにはせいぜい、私たちの経験した惨事の記憶を、未来世代に対して、彼らが次なる世界破局を回避する新たなテクノロジーを開発することを期待して、語り継ぐことしかできないのです。
"
翻訳:大沼安史
http://onuma.cocolog-nifty.com
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