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放射能大量放出/原子炉損傷の原因究明を
http://www.kahoku.co.jp/shasetsu/2012/05/20120526s01.htm
2012年05月26日 河北新報社説
深刻な放射能汚染をもたらした東京電力の福島第1原発事故。原発の外に放出された放射性物質はどれほどだったのか、東電がようやく明らかにした。
昨年3月中だけで、総量は90万テラベクレルになるという。経済産業省原子力安全・保安院が2月にまとめた量(48万テラベクレル)のほぼ2倍になる。
旧ソ連のチェルノブイリ原発事故(520万テラベクレル)と比較すると、その6分の1程度だが、膨大な放射能であることに変わりはない。
東電はいつ、どこから放出したのかも推計を示した。だが、なぜそうなったのかの説明は不十分だ。ほどんどのケースについて「原子炉建屋からの放出」と言っているにすぎない。
原子炉圧力容器や格納容器の損傷はどう進んでいったのか。炉心溶融(メルトダウン)によるのか水素爆発によるのか、それとも別の要因なのか、放射能放出と原発の健全性に関わる検証を徹底的に行うべきだ。
今回の放出量は、実測された放射能や気象のデータを基にモデル計算して出した。対象になった物質はヨウ素131とセシウム134、137、さらに希ガス(クリプトンとキセノン)の3種類。
時系列でみると、ヨウ素とセシウムの放出量は昨年3月14日夜に一気に増え始め、20日ごろまで断続的に大量放出が続いている。
東電によると、格納容器内の気体を抜くベントや水素爆発の際の放出量は少なく、ほとんどすべてが格納容器からの漏れだという。
理由として、格納容器上部のふたが高温と高圧で損傷した可能性が指摘されている。原子炉の本体である圧力容器の中でメルトダウンが起き、その外側にある格納容器も高温になったためだとされる。
だが格納容器内に放射性物質が充満しなければ、損傷だけでは大量放出は起きない。ヨウ素やセシウムはもともと圧力容器の中にあった物質であり、圧力容器やその配管などが損傷して漏れ出たとしか考えられない。
損傷を受けた原因はメルトダウンや水素爆発の衝撃、さらに地震など可能性はさまざまに想定できる。いずれにせよ、圧力容器も含めて健全性がどうだったのか、きちんと検証されるべきだ。
東電の資料によると、事故後に最も早く放出されたのは希ガスで、12日未明から朝にかけて1号機から2万テラベクレルもが放出された。だが、まだ水素爆発は起きず、ベントも行われていなかった。
東電の中間報告によると、1号機の圧力容器内の圧力は12日の午前中、一気に低下したことが分かっており、希ガスの放出と時間帯がほぼ一致する。
地震の半日後には早くも、1号機の圧力容器などが重大な損傷を受けたことを意味する。メルトダウンの衝撃だけでなく、もともとの強度や地震の揺れの影響も含めて、損傷の原因を解明すべきだ。
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