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毎日新聞 2012年05月17日 02時33分
http://mainichi.jp/opinion/news/20120517k0000m070118000c.html
今、日本全国の原発には使用済み核燃料が1万数千トン貯蔵されている。原発を稼働すればさらに増える。日本は、これをすべて再処理してプルトニウムを取り出し、再び原子炉で燃やす「核燃料サイクル」を国策としてきた。
しかし、原発事故で事情は変わった。原発を減らし脱原発依存を進めていくには、核燃料サイクル政策の大幅な見直しは避けられない。
そのための議論の土台として、政府の原子力委員会の小委員会が政策の選択肢と評価をまとめた。従来の「全量再処理」に加え、「再処理・直接処分併用」と「全量直接処分」を選択肢として示している。「併用」は、青森県六ケ所村の再処理工場を稼働しつつ、直接処分に向けた取り組みも行うものだ。
これまで、政府が再処理一辺倒だったことを思えば、直接処分を選択肢として位置づけたことには意味がある。「原発ゼロ」のケースを考慮した点も評価できる。しかし、全体の議論をみると、政策の変更に及び腰である印象は否めない。
そもそも、六ケ所再処理工場の処理能力は全国の原発から出る使用済み核燃料の量を下回っていた。「全量再処理」が絵に描いた餅だったことを思うと、「併用」の選択肢は、事実上従来の再処理路線を踏襲するに等しい。
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http://mainichi.jp/opinion/news/20120517k0000m070118000c2.html
私たちは、技術、安全性、コストを考えた上で、再処理をやめ核燃料サイクル政策に幕をひくべきだと主張してきた。小委の評価でも、全量直接処分がもっとも安上がりであることが裏付けられた。
核不拡散の観点でも直接処分に利がある。小委は再処理を選択した場合もプルトニウムを消費できるとの見通しを示しているが、現実味が薄い。核兵器の材料となるプルトニウムを燃やすあてのないまま増やすことは疑問だ。
一方で、全量直接処分を選ぶと、再処理を前提に使用済み核燃料を受け入れてきた青森県が各電力会社に「持ち帰り」を求めたり、受け入れを拒否する可能性がある。
関係する自治体が反発するのは当然だ。だからこそ、国は政策変更の必要性を責任を持って関係自治体や国民に説明しつつ、方策を探ることで解決を図るべきではないか。
これまで、使用済み核燃料の処理は民間事業と位置づけられてきたが、国の責任を明確にすべきだ。原発の受益者が使用済み核燃料について責任の一端を担う方策も必要だ。
小委のまとめは原子力委の検討を経て、国のエネルギー戦略全体を決める「エネルギー・環境会議」に送られる。過去にとらわれない政策決定を望みたい。
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