http://www.asyura2.com/12/genpatu23/msg/920.html
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論文内容まとめは、2重投稿ではないと思いますので、再度挙げておきます。
やや難しいかもしれませんが、研究論文の領域にまでおりることで、また、バンダジェフスキーの論文が実際に削除されている現場を確認することで、伝わる人になにかが、確実に伝わることを期待しております。
心電図検診が、内部被曝の程度を見る上で参考になると、バンダジェフスキー論文から考えていましたが、先天性心疾患や心筋症のスクリーニングとして、以前からやってました。今回、板橋区で中学一年生の心電図再検率が、25%(甘く見ても2007年の約3倍)と、木下黄太ブログにあったため、事象が明らかになりつつあるということで、まとめて投稿します。ネットでみれる、バンダジェフスキーの子供の心電図異常についての論文です。要約も再掲します。
Relationship between caesium (137Cs) load, cardiovascular symptoms, and source of food in 'Chernobyl' children -- preliminary observations after intake of oral apple pectin.
Bandazhevskaya GS, Nesterenko VB, Babenko VI, Yerkovich TV, Bandazhevsky YI.
Swiss Med Wkly. 2004 Dec 18;134(49-50):725-9.
http://www.smw.ch/docs/pdf200x/2004/49/smw-10219.pdf
ベラルーシ、ゴメリ州の子供たちは、セシウム負荷の軽減を目的に、3週間ほどの休暇をSvetlogorskのサナトリウムで過ごし、その時に集まった子供たち94人を対象にしたもの。
子供たちを、137セシウム負荷量で、5Bq/Kg以下群(グループ1)、38±2.4Bq/Kg群(グループ2)、122±18.5Bq/Kg群(グループ3)が、にわけ、自覚症状、血圧、異常心音、心電図異常、それから、137セシウム負荷を減らす試みとして、ペクチン内服による効果をみている。それによると、高負荷2群の高血圧と異常心音、心電図異常の頻度は、5Bq以下群に比べて、有意に高かったとしている。
頭部、心臓部、などの痛み、弱々しさ、おちつかなさ、鼻血などの自覚症状は、負荷群による有意差はないが、高負荷群に多い傾向がある。また、最高負荷群の30%には、倦怠感、抑うつ気分の症状がみられた。サナトリウムでの療養後には、主観的症状はみられなくなった。
16日間1日2回のペクチンの効果は、セシウム負荷、心電図異常については有意な低下がみられているが、プラセボ対照群は設けていないため、単に非汚染地域での生活による排泄による低下以上のものかは検証されていない。
セシウム負荷は、非癌病変を起こすが、癌のように非可逆的ではなく、非汚染地域ですごせば、ある程度の症状は軽くなっていくというのが実状なのだろう。猛毒ではないが、毒であるのには変わりない。
p727のResultをみると、グループ1〜3の順に
主観的異常は、30%、39%、63%
心雑音(abnormal heart sound)は、48%、84%、90%
心電図異常(pathological ECG findings)は、52%、84%、93%
となっています。
といっても、対照群は、low radio-contaminationで、5ベクレル/Kg以下となっており、完全にセシウムフリーではありません。この研究の平均年齢は、12歳で、グループ1と、2007年の東京都中学一年生と比べると、心電図異常については、6.7倍となっています。
2004年の論文なので、研究時点を2003年とみても、原発事故後17年時点の結果です。東京板橋で起きていることは、2007年から2012年までの間に起きたセシウム137を大量に放出した昨年の福島第一原発事故によるセシウムの影響の、ごく初期か、軽度の事象なのではないかと考えられます。
Introductionには、高被曝グループの心電図異常は、sinus arrhythmia, repolarisation,conduction abnormality(洞性不整脈、再分極や伝導系の異常)で、ゴメリでの心疾患や突然死ケースでは、心筋のセシウム137蓄積がしばしば関連しているとされています。
病理組織的には、心筋の変性や局所的壊死が、間質浮腫とともにみられ、炎症細胞や血管変化はほとんど見られず、セシウム負荷の動物実験でも再現されているとしています。
引用文献3
Bandazhevsky YI, Bandazhevskaya G. Incorporated caesium and cardiovasucular pathology. Int J Rad Med 2001;3:11-12
ただ、ここからが、政治的なところで、バンダジェフスキー自身も講演会で、「何も言わないように言われた」といっていましたが、このセシウム137と心筋変性の直接の因果関係を証明する論文が抹消されています。
Journalサイト
http://www.physiciansofchernobyl.org.ua/magazine/eng/index.html
2000年から、2003年までがすっぽり抜けており、バンダジェフスキーが活動していた時期に相当すると思われます。
科学的事実の認識をも、ねじまげるような、とてつもない政治的圧力が、この領域にあるわけです。名大名誉教授の沢田昭二先生の、IWJインタヴューから、セシウムの長期的な害の実証というのが、核兵器の人道性を脅かすことになるということから、核保有国の雑誌には、こういう研究はのせられないということでした。
http://www.ustream.tv/recorded/15241220 日本原爆での遠距離被爆者の健康被害論文の雑誌掲載への障害 55分から5分程度
科学的な研究結果というのはNature,Scienceなど、英米系のIFの高い雑誌にのることで、その研究結果が「真実」であることが認識されるようになり、政府の安全員会などの諮問委員がレヴューする雑誌の対象にもなってきます。しかし、それらの国は、核保有国です。
マトリックスのような世界がこの領域では現前しているようなわけですが、こういった問題を、2重の意味での被爆国である日本が、どう乗り越えるのか、国家の安全保障、国民の安全保障、それから、人間の安全保障のずれを、どう修復していくのかこれから、どんどん深刻に問われてくると思います。
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