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「福島県の子どもの病死者数について」 - 福島の子供たちを守るために、
当初から立ち上がって活動を続けている中手聖一さんからの報告
http://insidejobjp.blogspot.com.au/2012/05/blog-post_1994.html
先程アップした小川さんからのメールには、Word文書の添付がありました。
それは、福島で子供たちのために活動する中手聖一さんのお書きになったもの。
以下に転載しておきます。
「福島県の子ども」の病死者数について
−政府・人口動態統計から分かった事故後の変化−
中手聖一2012/5/14
事故から1年以上経ってしまいましたが、行政府は放射能汚染による健康影響状況を解明する努力を怠ったままです。国は福島県内の「患者調査」(※1)を除外し、県の「健康管理調査」は、リスクを小児甲状腺ガンだけと決め付けて行われています。被害を未然防止する対策を十分とらないまま、「この程度なら被害は出ない」という“放射能安全神話”を振りまいて、子どもたちをなしくずしに“日常”に引き戻そうとしているように思えます。
一方でインターネットなどを通して、「高校生の急死」や「甲状腺のう胞の異常」、「福島県の死亡者増」等の情報も流れ、既に被害が出ているのではないかとの心配も募ります。
このレポートでは、政府が集計公表している人口動態統計から、福島の子どもたちの病死者数の変化についてご報告します。動態統計は、市町村に届けが出された出生や死亡などの情報を集計したもので、月次データは2011年11月分まで公表されています。震災・原発事故後も、一部のデータ(※2)を除いて信頼できるものと判断しました。
(※1)患者調査
医療行政の基礎資料として、病院等を利用する患者の傷病状況を、3年に1回、全国一斉に調査する。昨年が実施年で、福島県も行われたなら、3年前との変化や、他都道府県にはない異変があった場合は発見できたものと思われる。
(※2)一部のデータ
不慮の事故や胎児・新生児・0歳児のデータの一部。
以下のグラフは、「政府統計の総合窓口・人口動態調査(下のURL)」から、平成22・23年の「月報(既報)・月次」各月の、「(保管表)死亡数,性・年齢(5歳階級)・死因簡単分類・都道府県(20大都市再掲)別」にある福島県データを用いて作成しました。他の都道府県データや平成21年以前の「年次」データも、必要に応じ参照して比較検討しました。
http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/NewList.do?tid=000001028897
○子どもの病死者総数の前年比較
1〜19歳の福島県の子どもの病死者総数について、事故後の2011年3〜11月を2010年同時期と比較したのが右図(ここでは下)です。
1.5倍に増加していますが、子どもの病死はもともと少なく、“異変”と判断するには絶対数が少なすぎます。過去の統計や他の都道府県でも同様の変化は少なからずあることです。
そこで、月ごとの推移を調べたのが次のグラフです。
○病死者数の推移
7月以降の病死者数に大きな変化が現れています。
通常、病死者は冬春に多く、夏秋は少ない傾向が全国的にあります。これは大人も子どもも同じです。
しかし、2011年は夏秋の病死者数が多く、ほぼ直線的に累計数が増加しています。
もしもこの傾向が2012年も続いた場合は、“統計上の有意差”となりうるほどのハイペースで、子どもの病死者数が増加したことが分かりました。このような現象が起こることはとても稀なことで、全国でも僅かしかありません。宮城県や岩手県では起こっていないことです。
昨年の夏以降に、福島の子どもたちの体に異変が起こっている可能性を疑わざるを得ません。
○死因ごとの病死者数
亡くなった子どもたちの数を、死因別にまとめたものが、右(ここでは下)のグラフです。
「心疾患」による死亡数が2倍に増えています(先天性の心臓障がいを患っていた子どもが、心疾患でなくなった場合も含まれます)。これも他の被災県にはないことです。「感染症」「癌・白血病」「肺炎」も増えています。
このグラフは参考程度にしかならないものですが、昨夏からの増加と考え合わせ、ご報告することにしました。
子どもの病死者数が、昨年の夏以降に増えたことは紛れもない事実です。今回は割愛しましたが、病死者の増加は10代後半が最も多かったことも分かりました。この異変が続き、何年も後に放射能汚染との因果関係が証明されても、亡くなった命は帰って来ません。
公害の健康被害では、死亡した子どもの後ろに、病気や体調不良のたくさんの子どもたちがいます。放射能被害を少しでも未然に防ぐための行動をとることが、私たち大人の役目だと思います。保養と移住、防護策など出来ることは何でも行い、また国が約束している「患者調査の代替調査」の早期実施を改めて求めていく必要があると考えます。
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