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長谷川幸洋氏 東電は「一時国有化」ではなく「経営破綻」である 「ニュースのことばは嘘をつく」
http://ameblo.jp/heiwabokenosanbutsu/entry-11256266887.html
週刊ポスト2012/06/01号 2012-05-21 02:15:09 平和ボケの産物の大友涼介です。
原子力損害賠償支援機構と東京電力が国の1兆円出資を柱とする東電の総合特別事業計画を決めた。これについて、各紙の書きぶりが微妙に異なっている。
朝日新聞は5月10日の社説で「東京電力の一時国有化が決まった」と書く一方、日本経済新聞社は社説で「東電の実質国有化」と書いた。東京新聞の社説は「事実上の東電国有化」だ。朝日のように、同じ新聞が「一時」と「実質」を併用している場合もある。これをどう考えたら良いのか。
機構と東電が発表した計画は、1兆円出資による総議決権の2分の1超の議決権取得について「一時的公的管理」という言葉を使っている。機構と東電の言い分をそのまま認めるとしたら「一時国有化」という言い方がもっともらしく聞こえる。
機構と東電が「一時的」というからには、どこかの時点で公的管理を終わらせないと辻褄が合わない。
そこを計画がどう書いているか、と言えば「東電の集中的な経営改革に一定のめどがつくか、または社債市場において自立的に資金調達を実施していると判断した段階で(中略)保有議決権が2分の1未満に低減させて一時的公的管理を終結」させるとある。具体的には「2010年代半ば以降のできるだけ早い時期」が目標だ。
計画が言うように、経営改革が実って、東電が再び社債が発行できるようなハッピーエンドを迎えるのは可能なのか。結論から言えば、とても考えられない。これまでも指摘してきたが、被災者への賠償と廃炉、除染が途方もない巨額に上り、東電の復活が展望できるとは思えないからだ。
まず賠償額。計画は2兆5462億円という数字を示したが、これはあくまで仮置きに過ぎない。営業被害や風評被害の規模、肝心の損害がいつ終わるのかがはっきりせず「賠償総額の合理的な見積もりは難しい」と認めている。廃炉と除染費用にいたっては見積もりすら示していない。
それはそうだ。事故から1年以上が過ぎても、新たな汚染の実態が明らかになっている。たとえば、東京新聞は5月14日付の特報面で宮城県仙台市の有機農業家の例を報じた。当面は国や地元自治体が除染作業をするとしても、最終的に費用は東電の負担になる。前例がない廃炉は技術開発からスタートだ。政府が言うように40年で終わる保証はどこにもない。
賠償と廃炉、除染にかかる費用は総額で十数兆円どころか数十兆円にのぼってもおかしくないだろう。これは潜在的な負債である。一方、2012年3月期の決算で東電の純資産は8124億円にとどまった(連結ベース)。前期の1兆6024億円から半減だ。
この数字を見れば、東電は事実上、経営破綻している。計画は14年3月期に収益の黒字転換を目指しているが、それも柏崎刈羽原発の再稼動と電気料金値上げが前提だ。
つまり、東電が社債市場に復帰するという見通しは絵に描いた餅と言っていい。したがって、国の公的管理が一時にとどまる見通しもない。このままだと半永久的に国有化が続くだろう。出口がないのだ。
官僚はそれでいいだろうが、マスコミがそんな話を真に受けて「一時国有化」などと宣伝する必要はない。それでは、読者が東電は再生可能と勘違いしてしまう。肝心なのは、東電を破綻処理し株主と銀行に負担を求めたうえで、残る賠償と除染、廃炉を国が主導して実施する新しい枠組みである。
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