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クローズアップ2012:原発国会事故調 政府と東電、相互不信 「撤退問題」真っ向対立
http://mainichi.jp/opinion/news/20120518ddm003040096000c.html
毎日新聞 2012年05月18日 東京朝刊
◇海江田氏、会長説明に反論
国会議員の参考人聴取が17日、始まった国会の東京電力福島原子力発電所事故調査委員会(国会事故調)。東電による1号機への海水注入の中断指示や、東電が原発からの全面撤退を政府に打診したとされる問題が取り上げられ、海江田万里・元経済産業相の答弁は、政府と東電が互いに不信感を持ちながら事故の収束に追われた構図を浮かび上がらせた。【田中成之、岡田英】
海江田氏は事故当初、「東電不信」に陥った心境をあからさまに説明した。
原子炉格納容器の圧力を下げるために気体を外に出す「ベント」の遅れには「東電がこの期に及んで事故を小さく見せるため、ためらっているのかと思った」。1号機への海水注入がなかなか始まらなかったことには「東電が廃炉をためらっているからだと感じた」と話した。
これに先立つ14日の事故調に招致された東電の勝俣恒久会長は、海水注入の中断を東電本店が指示したのは、首相官邸からの指示だったと認識していたからだと強調。「いやしくも日本の総理。私が継続しよう、というのは難しい」と語り、首相側に責任があると主張していた。
だが海江田氏は「菅直人首相(当時)が『再臨界の可能性はないのか』と言い、白熱した議論をしている場所から東電の武黒(一郎)フェローが抜け出て本店に(官邸が再臨界の可能性を議論していると)電話したということだ。東電側の事情だ」と述べ、東電内部の問題だと反論した。
対立が決定的なのが全面撤退の問題だ。勝俣会長は「まったく事実ではない。(現地に)700人以上いるので『直接復旧作業に関係ない人は退避させたらどうか』という話があった」と全面否定した。
しかし海江田氏は東電の清水正孝社長(当時)から「第1(原発)から第2(原発)に退避」との趣旨の電話があったと説明。「全員が(撤退する)と認識した」と強調し「一時的避難なら第1原発の吉田昌郎所長(当時)でも判断できる。わざわざ私にまで電話をかけてくるのは重い決断だと思った」と述べた。
一方、海江田氏はこうした不信の応酬が、昨年3月15日に「政府・東電事故対策統合本部」を東電本店に設けてから軽減したと説明。「本店に入り『こうでなければいけない。もっと早く来れば良かった』と思った。(テレビ回線で現地の)所長と直接やり取りできる」と語った。
国会事故調は「法律に基づく強制力」を持ち、事故原因解明の期待を担う。今後、食い違う主張から事実をどう認定し、説得力のある報告書をまとめるかが焦点になる。
◇各事故調、分かれる見解
政治家への聴取は、福島第1原発事故から1年が過ぎてもはっきりしない問題の解明が期待される。その一つが、2号機が危機的な状況にあった3月14日夜から15日にかけ、東電が官邸に同原発から作業員を撤退させると告げた問題。官邸側は全員撤退と受け取り、菅直人首相(当時)が阻止するために東電本店に乗り込み、政府との対策統合本部の設置につながった。だが、政府、東電、民間の各事故調で見解が違う。
東電が昨年12月に公表した報告書では「官邸に申し上げた趣旨は厳しい状況なので、作業に関係ない社員を一時的に退避させることがいずれ必要なので検討したいというもの」と全員撤退を完全否定。政府事故調の同月の中間報告書によると、東電の清水正孝社長(当時)は15日未明に寺坂信昭原子力安全・保安院長(同)に「ますます厳しくなれば退避もあり得る」と電話。必要な人員を残すことは前提で明示しなかったという。一方、「東電の中で全員撤退を考えた者は確認できなかった」とした。
民間事故調は海江田経産相、枝野幸男官房長官(いずれも当時)への聴取結果として、清水社長から電話で告げられた際、現場に残す人員の数などが具体的に示されなかったことに着目。東電の「一部退避」の主張に「十分な根拠があるとは言い難い」とした。
1号機への海水注入で、官邸にいた東電幹部が既に注入開始していた吉田昌郎所長(当時)に中断を求めた問題では、政府、民間とも菅氏が海水による再臨界を懸念したのが発端で、東電幹部が首相の意向をそんたくして中断を現場に要請したとみる。
民間事故調は、再臨界の可能性について班目春樹原子力安全委員長が「ゼロではない」と発言し菅氏が「じゃダメじゃないか」と答えたと指摘していた。
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■ことば
◇国会事故調
正式名称は国会東京電力福島原子力発電所事故調査委員会。事故の原因究明や再発防止を目的に、野党の要求で昨年12月に国会に設置された機関。委員長の黒川清・元日本学術会議会長をはじめ、法曹関係者や原発に批判的な科学者、被災地の代表ら全10人で構成。国政調査権に基づき、証人喚問や資料提出を要求できる。
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