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今回は、ガンダーセン夫人とのQ&A形式です。
(要約)
「福島第一4号機はどの程度危険か?また地震や津波に襲われる可能性があるが」
4号機は最大の懸念事項。
火災になったら東京から逃げなさいと、本にも書いた。
他よりも保管してある燃料が多い。使用後すぐのものもある。
しかも燃料プールは格納容器には納まっていない。
大きな地震が起きたら4号機建屋はもたないだろう。
使用済み燃料は常に水冷する必要がある。空気に触れれば、ジルカロイの被覆が燃える。
放射性物質が燃え上がり、日本をそして世界を覆う。
今までに人類が行なった核実験で出た放射能総量よりも燃料プールの放射能総量は多い。
できるだけ早く燃料を取り出して移動しなければならない。
日本政府は、2013-14年に4号機を別の建屋で囲い燃料を移動する計画を発表した。
4号機の燃料移動は最優先事項であるが、東電・政府の動きは遅すぎる。
燃料プールには覆いがなく露天状態だ。
ブルックヘブン研究所の報告では、18万7千人がプールの火災により発ガンすると指摘されている。
東電も日本政府も深刻に考えていないのが問題。
松村昭雄氏の主張が世界でやっと理解された。政府・東電に早急に対応するようにお願いしたい。
「セシウムの危険性と放出された他の放射性同位体について」
セシウム137の半減期は30年、300年は危険だ。
カリウムと間違えて体内に取り込まれる。筋肉に蓄積されガンやいろいろな異常を引き起こす。
心臓にはいるといわゆるチェルノブイリ・ハートとなり、心筋に回復できないダメージを与える。
他の放射性同位体が引き起こす問題の大半をセシウムは生じさせる。
「3号機爆発は即発臨界によるものというが、その根拠は?」
1号機の爆発は音速以下で爆燃(deflagration) が起きた。
3号機の爆発は全く異なり爆轟 (detonation)である。爆発速度は超音速。
どう爆発したかより爆轟であったことが重要な点だ。
格納容器は爆燃は耐えられても爆轟には耐えられない。
原子力業界は無視しているが重要な問題だ。
ではどうして爆轟が起きたのか。水素爆発では爆轟は起きない。
ヒントは2つある。
NRCの昨年3月の報告では、2キロ先で3号機から飛び出した燃料破片が見つかったとある。
炉心、格納容器が壊れて破片が飛び出したとすれば、汚染がもっとひどいはずだ。
燃料プールの中で起きたに違いない。ビデオが示すようにプールの位置で爆発が起きている。
建屋天井付近に溜まった水素が爆発したなら、下向きに圧力が加わるはずだ。
これでは破片は外に飛ばない。
プール内で即発臨界爆発が起きたに違いない。
燃料はラックにぎっしり詰めているので臨界は起きやすい。
40年前のBORAX実験の爆発に似ている。
即発臨界は、連鎖反応は核爆弾よりは遅いが原子炉内よりは速い。
もう一つは、プール上部の屋根が完全に吹き飛んでいることだ。原子炉上部の屋根は残っている。
格納容器上蓋が内部圧力によって持ち上げられ、隙間から放射性ガスが吹き出した。
しかし、それがあの爆発を引き起こしたという証拠にはならない。
「水素爆発について。どうして起きたか」
福島の事故で最も大きな謎は4号機の爆発。
東電は3号機から配管を通って来た水素が爆発したと主張している。
3号機格納容器は壊れていて、4号機に水素を押し出すほどの圧力はなかっただろう。
爆発原因は4号機建屋内にあったろう。2つ考えられる。
佐治博士の説は、プールの水が分解して水素が発生した。水温が上がり水素が上昇して爆発。
もう一つは私の説だが、プール内燃料の上部が一部露出し、空気に触れて水素を発生し爆発した。
原子力業界は全く考えていないが、プール水温が80度でも部分的が沸騰することはあり得る。
プールで水素が発生し爆発することは誰も予期せず、設計にも考慮されていないが、
実際に起きてしまった。沸騰水型のみならず世界の全原発400基に対策が必要である。
「4号機プールで即発臨界が起きた可能性は?また4号機が放射性物質を放出する可能性は?」
1年以上経っているので、事故直後に比べ燃料の温度は下がっているが、
もう2年は水冷は引き続き必要。水素が発生して爆発可能性は低い。
最大の懸念はプールの水がなくなること。プールに亀裂が走って水がなくなる。
燃料がむき出しになって燃え出す。それが一番恐い。
風向き次第で東京も避難が必要になる。本州が2つに分断される可能性もある。
燃料を取り出すまで地震が起きないよう、神様にお祈りするしかない。
「スリーマイル島、チェルノブイリと比べて放射能の危険性はどうか」
スリーマイル島事故で死者はいないとNRCは言っているが、実際はガンが増え亡くなっている。
スティーブ・ウィング博士の報告にもある。
ピッツバーグ大学の報告では、今になって白血病の増加が認められるとある。
チェルノブイリや福島よりは100分の1以下のはるかに軽微な事故だったにもかかわらずだ。
福島からは、チェルノブイリの3倍の放射性不活性ガス雲が放出され北西に広がった。
ヨウ素、セシウム・ガスについてはチェルノブイリにほぼ等しい量が放出された。
内陸のチェルノブイリと違って福島では海に流れたのが不幸中の幸い。
もう一つ幸運だったのは、地震が金曜日に起きたこと。
週末だったら係員が手薄で迅速な対策が取れず、さらに悲惨なことになっていただろう。
夜中や週末は係員が少なく、事故が起きたら非常に危険だ。
コストダウンのために係員を減らすのは問題だ。
「ホットパーティクルの危険性について」
非常に懸念している。ホットパーティクルには何十万もの放射性原子が含まれる。
肺や肝臓にはいりこみ、常に組織を冒し続けガンを引き起こす。
カルトーフェン氏は車のエア・フィルタの汚染を見せてくれたが、われわれの肺もあれと同じ。
子供はとくに危険。これから長い人生を生きなければならないし細胞分裂も盛んだ。
これから先30-40年は、福島を含め日本の子供たちが、福島原発から放出された
ホットパーティクルでガンにならないか注意が必要だ。
「福島原発の教訓は何か」
この事故の前に、事故の起きる可能性について話した。
どこで起きるかわからないが、マークI沸騰水型原子炉が事故を起こすだろうという予想は的中した。
だが、福島の教訓は原発事故は国家を崩壊させうるということだ。
ゴルバチョフは回想録の中で、ソ連を崩壊させたのはペレストロイカではなく、
チェルノブイリだったと書いている。
これから20年で5千億ドルもの費用がかかるだろう。
日本は今、分岐点にいる。
エネルギー政策を根本から考え直して、スマートグリッドを構築して、
エネルギー源を分散化しエネルギーを互いに融通するか。
あるいは、今まで通り20世紀型中央集中型のエネルギー供給に頼り、原発を続けて、
また事故を起こすかだ。
21世紀のコンピュータ社会では中央集中型のエネルギー供給は不要だ。
分散型エネルギー供給技術で日本は世界をリードし、それでビジネスをすることができる。
世界はそういった日本の技術を待ち望んでいる。
福島の事故は人類史上最悪の産業事故だが、日本にとってはビジネスの方向を変える
チャンスでもある。
私は日本が前者を選択することを望んでいる。
-------(コメント)------------
いつもの通り、ガンダーセン氏の話は非常に論理的かつ明快です。
最後の日本への要望は全くその通りであり、アメリカ人にこういうことを指摘されることは
恥でもあります。しかし、日本を外から見ているからこそできる提言でもあるのです。
ウクライナやベラルーシには日本のような産業も技術もお金もない。
事故が起きてもなお原発に頼らないければならないのは理解できる。
しかし日本は違う。世界一の省エネ・省資源技術。自然エネルギーの技術。コンピュータ制御技術。
こんな国は他にどこにもありません。
さっさと原子力に見切りをつけて、エネルギー技術の転換をはかり、安全で効率的な
エネルギー供給技術を開発する。そしてそれでビジネスをする。
ハイブリッド車で自動車の世界に革命を起こしたように、エネルギー供給技術でも革命を起こす。
それができるのは世界でも日本だけです。
それこそが世界が期待しているものであり、日本に大きな利益をもたすでしょう。
前世紀の遺物である原子力に固執する限り、日本の未来は有り得ません。
関連リンク
原子炉暴走実験
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8E%9F%E5%AD%90%E7%82%89%E6%9A%B4%E8%B5%B0%E5%AE%9F%E9%A8%93
BORAX実験動画
http://www.youtube.com/watch?v=qIl97ByeU_M
http://www.youtube.com/watch?v=yUhVGH-WHKk
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