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原発再稼動の黒幕がやっているコト
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2012/5/10 日刊ゲンダイ :「日々担々」資料ブログ
経団連トップの甥っ子
◆滋賀県知事が「脅された!」
政府が勝手にゴーサインを出した大飯原発の再稼働。連日、メディアを使って、「再稼働させないと電力不足に陥るぞ」とヤクザまがいのドーカツをかけているが、チンピラのような官僚が女性知事を脅していたことも明らかになった。今月7日、嘉田由紀子・滋賀県知事が講演などで、こんな話を暴露したのだ。
「関西電力は需要は大きく、供給は小さくして、電力の需給ギャップを埋めようとしていません。(そうやって、関電や官僚は)『原発再稼働をしないで電力不足となって病院の電気が止まったらどうするのですか』と言ってくる。(私は)毎回、脅されています」
そのうえで、説明に来た官僚が資源エネルギー庁次長の今井尚哉氏であることを明らかにしたのである。
「4月中旬に今井次長が来ました。『再稼働をしないと電力不足になりますよ』と言ってきた」
さて、今井氏といえば、いわくつきの人物だ。安倍元首相の秘書官を務めるなど、経産省ではエース級。いまや、エネルギー畑のトップランナーだ。しかも、今井氏の叔父は、新日鉄会長や経団連会長を務め、いまは経団連名誉会長になっている財界の重鎮、今井敬氏なのである。
経団連が原発再稼働の旗振り役であることは言うまでもない。その大幹部の甥っ子が経産省で原発再稼働の黒幕となり、関電とタッグを組んで、地元の首長を脅す構図。あまりにも露骨だ。
大飯原発再稼働は4月13日、野田佳彦首相、枝野幸男経産相ら3大臣が「妥当」と判断した。その際、「原子力発電所の再起動にあたっての安全性に関する判断基準」なる文書が根拠となった。もちろん、野田らにこんな文章が書けるはずがない。文書作成の主担当は今井氏で、数日間で作ったとされる。今井氏ら再稼働派の官僚が、野田らに政治判断をさせた形なのである。
関電は4日の大阪府市エネルギー戦略会議でも約500万キロワットの電力不足となる試算を提示。元改革派官僚で大阪府市特別顧問の古賀茂明氏は「原発再稼働が決まるまでは、電力不足となる試算しか出さずに時間切れを狙っているのだろう」と切り捨てていた。
関電も経産省も原発が止まったら自分たちが困る。だから、再稼働すべしという数字を“作って”脅す。そこに安全性という発想はないわけだ。
(取材協力・横田一)
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