「しんぶん赤旗・日曜版」　2012年5月13日号　１面

　稼動ゼロ翌日の６日、東京都杉並区で開かれた｢祝！ 原発ゼロ｣パレード。｢全原発を廃炉に追い込むまで、しぶとく訴えましょう｣ - 老若男女、こいのぼりを持つ人からミュージシャン、ダンサーまで、４千人の参加者が口々に語ります。

　主催したのは住民らがつくる｢脱原発杉並｣。運動の先頭に立つ松本哉さん（３７）＝リサイクルショップ経営＝はこの日、｢めでたい場だから｣と、急きょレンタルした紋付はかま姿でマイクを握りました。

　｢（原発事故後）いろんな人がデモをやり、すごいことになりました。けっこう、同じことを考えている人がたくさんいた。世論が動いたおかげで原発が止まった。完全な勝ちじゃないけど、かなりの勝利を収めています｣

　パレードには日本共産党衆院東京ブロック比例候補の宮本徹さん、同参院東京選挙区候補の吉良よし子さんも参加しました。

　｢原発ゼロをめざす一致点での共同をもっと盛り上げ、稼動ゼロから、本当の意味での原発ゼロ社会を実現させたい｣

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孫、子守る　余生かけて　　
作家・僧侶　瀬戸内寂聴さん

　私は余生は原発反対にかけています。

　子どもや孫、ひ孫にこんなひどい日本を残しては死ねないと思いました。

　９０歳のばあさんが座り込みをやって記事になれば、若者が励まされるでしょう。私は日本の未来には希望を抱いています。何かお役に立てるならばお役に立ちたい。

　広島、長崎の被爆体験を持つ日本が、唯々諾々と原発を使っていることは非常に恥ずかしいことです。日本人はもっと言いたいことを言うべきです。たたかわなければなりません。正しいと思ったことに向かって口を開かないと。（２日、経済産業省前のハンスト・座り込みで）

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脱原発　今からが大事　　
作家　室井祐月さん

　全原発の一時停止で一気に脱原発が実現できるわけではなく、これからの運動が大事だと思います。

　長年、原発に固執してきた人たちもメディアを武器に巻き返してくるでしょう。｢うちには電気が必要｣という小さな工場の社長さんもいます。

　そんな人たちにも納得できるように、どう計画的に廃炉にしていくか、原発に代わる新しいエネルギーをどうつくるか、丁寧に語る必要があると思います。それはとりわけ政治の責任です。

　目標は原発ゼロで生きていける社会。最後の勝利をつかむために、足元をかため、分断されないよう脱原発を広げたい。

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（ここから２面）

各地で多彩な行動／原発ゼロを子どもたちへ

　杉並パレードには、子連れや若い世代がたくさん参加したのも特徴です。子どもを代表して集会で発言した中村瑠南さん＝中２＝は― 。

　｢私たち子どもにも、原発のことについて知ったり決めたりする権利があるはずです。おとなのみなさん、私たちにあんな危ないものを残さないでください｣

　鳴り物や音楽、ダンスなど、にぎやかで元気なアピールに沿道の注目が。遠山健さん（４７）は妻の香奈子さん（３４）らベリーダンスの踊り手４人と参加しました。

　｢チンドン屋さんと会場で合流してパフォーマンスしました。飛び入りできる雰囲気がデモにも必要ですね。次はダンス仲間をもっと誘いたい｣
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　◇

　｢原発稼動ゼロ｣を前後して、北海道、福島、京都、福岡など列島津々浦々で集会や宣伝、パレードが取り組まれました。長野市では、｢ゼロ｣を意味するドーナツを配りながら、日本民主青年同盟が署名やシールアンケートを実施しました。

　東京都港区で５日に開かれた｢さようなら原発５・５集会｣には５５００人が参加。一人ひとりが紙のこいのぼりを手に周辺をパレードしました。集会を呼びかけた人たちの訴えは― 。

　｢さようなら原発への思いを政府にたたきつけ、日本を原発社会から脱却させましょう｣（ルポライターの鎌田慧さん）

　｢今日は原発ゼロの記念すべき日です。３・１１を境に、日本は核兵器からも原発からもずっと遠ざかっていくことができたと、子どもたちに誇りを持って伝えられるようになりたい｣（作家の澤地久枝さん）

　｢新たな原発立国の準備も進んでいる。永久に原発をゼロにするため、真実を見抜く鋭い洞察力を持たなくては｣（経済評論家の内橋克人さん）

　｢原発を止めることは集団自殺だと言う人たちもいます。でも、原発を続けることこそ、すべての人びとに対する集団自殺の強制です。そのことを私たちは伝え続けていきましょう｣（作家の落合恵子さん）
　

コメント
01. 2012年5月13日 06:43:41 : RHIWgaWLgA ＬＥＤ照明が普及期に入っていること、太陽光パネルが安くなっていることが 天の助けかもしれない。 あとはエネルギーの大切さを理解できる教育が社会に必要。江戸時代ろうそくを使えたのは 町人なら大店の番頭さんとかだったらしい。一般の人は油を燃やしていた。１ワットにも 達しない明かりで夜仕事もこなしていた。だから、いまの何百分の１の電気でも よる本が読め、テレビを見、ＰＣも使える。ちょっとがまんすれば。 テレビもいつも大画面では大画面の感動もない。ふだんはちいさいので十分。たまの 映画のときだけ、大画面でみればきれいにびっくりできる。照明も日本のように煌々と 明るくしている国はないそうです。 江戸時代の絵図に、夜仕事をしている職人さんが、描かれていて、ついでに商いも しているので、暇な町人が覗き込んでいる。あかりの明るさは１ワットもないだろう。 それでも、その灯かりでみな幸福になれた。
02. 2012年5月13日 09:42:07 : z5uQPVPWWg ＞江戸時代の絵図に、夜仕事をしている職人さんが、描かれていて、ついでに商いも しているので、暇な町人が覗き込んでいる。あかりの明るさは１ワットもないだろう。 それでも、その灯かりでみな幸福になれた。 走馬灯も、夢幻の世界を展開して子ども達をわくわくさせていただろう。 知らないはずなのに、懐かしい時代を思い出したような気がする。 漆黒の夜があったから、かすかな灯りやお日様の明るさがかけがえのないものに 感じられた時代。
03. 2012年5月14日 17:24:22 : oDZLjorBrU >>02さん 庭にガーデンライトをつけてみた、結構明るい。 表の水道のところにサンライトのスポットをつけてみたこれも結構明るい。 わざわざ夜、雨戸を開けて、見たくなる。 今の日本じゃほとんど漆黒の闇になんかならないね。 家の庭は、ただで結構明るい。 見せしめ停電の為にサンライトのランプも用意した。 もちろん乾電池の懐中電灯もね。 去年の見せしめ停電の時は、電池のランプと、ろうそくを用意した。 それとラジオ。 原発で息も恐る恐る吸うより、こんな生活でも江戸時代にはならないし、結構楽しい。 でもおかしいよね、 最初電気を切られたのは先ず通勤帯のサラリーマンの足を奪う為の電車、あれで帰宅難民を演出、タクシーに長だの列で更に演出大成功。 それをお茶の間のTVで見せる愚の骨頂。 あの見せしめ停電は真夏でもない3月の、昼間でも無い夜の停電。 漆黒の真夜中の信号機を止め、事故でなくなった人もいた。 家庭の夜の電気を計画停電でいくら節電したのかね。 それで酸素吸入していた一人暮らしの女性が死亡。 ホントにばかばかしいことをしたもんだね〜。 今度はもっとうまくやるのかね。 火力発電所がうまい具合に真夏に故障続出、とか。 いいよ！ やって！ ただしその前にTV局を全停止しろ！ それでも原発再稼動はダメだ！ 1基たりとも再稼動は許さない！

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