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知事、松阪市などの基準に難色 震災がれき処理
2012年5月10日
東日本大震災のがれきの広域処理問題で、鈴木英敬知事は九日の定例会見で、松阪市など一部市町が放射性セシウムが検出されないがれきに限って受け入れる考えを示したことに「震災前から自然界には放射線があり、全く検出されないというのは物理的に難しい」と述べた。
県と市長会、町村会の三者は先月二十日、県内受け入れを正式に表明。受け入れるがれきの放射性セシウムは国の基準より厳しい一キロあたり一〇〇ベクレル以下とすることや、焼却後の灰の処分先を県が確保することなどで合意した。
一方、松阪市の山中光茂市長は先月二十六日、受け入れるのは放射性セシウムが不検出のがれきに限るとの独自基準を公表。多気町も松阪市に同調する考えを示した。
鈴木知事は「安全ながれきを受け入れることを丁寧に説明していく。今月中にもがれき処理のガイドラインを策定したい」と説明。十日の県議会全員協議会で、ガイドライン策定までの具体的なスケジュールを示すという。
(宿谷紀子)
◆熊野市長は 「前向きに取り組むべき」
東日本大震災で発生したがれき処理について、熊野市の河上敢二市長は九日に開かれた市議会全員協議会で、「受け入れは前向きに取り組むべき問題」として、条件が整えば市内での処理を検討する考えを示した。
検討対象は、宮城、岩手県のがれきで、放射線の基準は県が作成したガイドラインに準じる。市の焼却施設の規模では、一日七百キロの処理が限度といい、焼却灰の保管場所確保のほか、処理の委託業者や住民の理解を得ることを前提とする方針。
(小柳悠志)
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