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大飯再稼働:福井県原子力専門委が、政府の「安全」追認へ
毎日新聞 2012年05月09日 02時30分(最終更新 05月09日 03時24分)
福井県おおい町の関西電力大飯原発3、4号機の再稼働問題で、県原子力安全専門委員会(委員長、中川英之・福井大名誉教授)は8日、3回目の会合を開き、安全性に関する議論を終えた。今後、西川一誠知事に提出する報告書の作成作業に入り、月内にもまとめるという。過去2回は、安全対策について厳しい注文や指摘もあったが、これらは政府や関電への「要望事項」として盛り込む方針で、報告書の原案は、2基を「安全」とした政府判断を追認する内容になる見通しだ。
8日は、経済産業省原子力安全・保安院の担当者が大飯原発周辺活断層について説明。また、全電源喪失時に炉心に直接水を入れる方法について、関電が「18人で実行できることを訓練で確認した」と報告した。中川委員長は「これまでの質問事項に回答は大体得られた。今後、委員会として結果を整理していきたい」と総括した。
同委員会は東京電力福島第1原発事故後、原発の安全対策に関し独自に議論を重ねてきた。委員会関係者によると、報告書にはこれらの議論を記したうえで、政府が先月決定した「安全性の判断基準」や、政府による安全性確認について委員会の検証結果を盛り込む方針だ。また、要望事項として、海外の原発規制の状況を政府が調査し、今後の日本の規制に反映させていくことなどを併記する。
これまでの会合で「見切り発車で再稼働するのは問題だ」など厳しい意見も出たが、その後、関電が安全対策を示し、今回の会合では新たな論点や反対意見は出なかった。また、中川委員長は先月の現地視察で、委員会が求める安全対策がほぼ満たされているとの見方を示していた。
同委員会は原子力工学や地震などの専門家12人で構成。西川知事やおおい町の時岡忍町長は再稼働の判断に際し、同委員会の意見を重視する方針だ。国内では現在、原発全50基が停止しており、大飯の2基が動けば全基停止後初の再稼働となる。【畠山哲郎、佐藤慶】
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